のらえもんのメールフォームには、日々様々な質問が寄せられるのですが、以前は推奨されていなかったけど実はできた「住宅ローンで2軒、3軒と買っていって、自分が住まない部屋については貸し出す」という行為、今はほぼ塞がれています。まだ誤解があるようなので、エントリにしておきます。
のらえもんに相談コーナー:
フラット35のバグを利用した2軒目チャレンジについてはこちら
裏技的になるのでこのブログではあまり語っていなかった、2020年3月までの住宅ローンを利用した「ヤドカリ投資」について改めて語ってみましょう。
住宅ローンは、日本の持ち家政策と相まって利用者側に非常に有利な金融商品です。どれだけ有利かは他の投資用ローンと比べれば一目瞭然です。ですので、住宅ローンで購入した物件は「原則として」貸せないことになっていました。
しかし、不可抗力な事態が起きた場合は別です。
「転勤により一時的に住宅を貸す」
「親族が上京してくるため、家を貸す」
「親の介護で一時的に親と同居するので家を貸す」
といった理由では、黙認されるケースが多かったようです。一時的に離れるけど、後で戻ってくる、という形ですね。これも銀行に黙って貸し出すと怒られます。住宅ローンを借りている銀行から転送不要の残高通知が毎年届きますが、これは居住確認目的でもあります。ですので、引っ越す際は銀行に断りを入れる必要がありました。
楽天銀行やソニー銀行など一部金融機関は、別の銀行から住宅ローンを借りていても「住宅ローン実行前までに前の家の賃貸契約書を提出することができれば残債を見ない」パターンや、フラット35は「そもそもほかの銀行から借りている住宅ローンの残債は見ない」という特殊なルールで運用していたため、
1軒目:りそな銀行でまず購入し1、2年住む
2軒目:楽天銀行に1軒目の賃貸契約書を提出、住民票を移し実際に住む
3軒目:フラット35で最後購入してこちらに引っ越し、2軒目に戻る
などの運用ができてしまったのは事実です。
住宅ローンはとても金利が低いため、物件を選べば他2軒の賃料収入で3軒分の住宅ローン+維持費用が出てしまいます。
しかし、フラット35を投資に使うなんちゃって住宅ローンが蔓延し、この4月からルールは変更されました。また、他の銀行も一斉に厳しくなりました。これは金融庁の通達があったからだということです。
ですので、「子供が増えたから広い部屋に買い替えたい、いまの部屋は賃貸に出したい」という相談が来ても「いやそれは今年の3月までならできたかもしれませんが、今はもう無理ですね」としか言えないんですよ。
ただし、何事にも例外があります。例えば、ご夫婦どちらも年収1000万円超という世帯の場合。この場合は、住宅ローンを片側に寄せると、あら不思議2軒目が買えてしまいます。もちろん、1軒目を所有しながら引っ越すことに銀行に正当な理由を説明できれば、の話ですが…
データは公開されていないため、あくまでも私への相談ベースの印象論となりますが、2019年入居のパークタワー晴海と2020年入居のシティタワーズ東京ベイは、近隣タワマン住民の買い替えがとても多かったはずですが、その割には売り物件が増えなかった印象です。みなさんが住宅ローンを完済しているとは思えず、かなり多くの方が、買い替えではなく「買い増し」を選んだのではないでしょうか。
2022年入居開始のブランズタワー豊洲
2024年入居開始のHARUMI FLAGとパークタワー勝どきミッド/サウス
この2物件の入居時にはルール改正後の大規模物件のため、近隣で大量の売り物件が出ると予想します。また、湾岸エリアの分譲タワマン賃貸の供給が細まり、賃料はさらに上がる傾向になるでしょう!
>>例えば、ご夫婦どちらも年収1000万円超という世帯の場合。この場合は、住宅ローンを片側に寄せると、あら不思議2軒目が買えてしまいます。
夫婦とも年収1000万以上のパワーカップルです。
現状住宅ローン減税目的もありペアローンで4000万ずつ借りています。
買い増しが今後難しくなる理由は借入可能額-残債が足りなくなることとお見受けしました。
ペアローンで借りた家を持ちながら更にペアローンで買い増しするのではなく、片側に寄せる必要があるのでしょうか?