マンションブロガーが答える

不動産一括査定サイトの罠と一消費者である売主がより身を守れる方法の提案

あなたの不動産売却、どこからはじめますか?不動産一括査定サイト、使ってますか。
最初に私のポジションを明らかにしておくと、これから述べる理由のため、一括査定サイトは世の中に幸福を産んでいないと考えています。

一般的な不動産一括査定サイトのビジネスモデルは以下のとおりとなります

  1. 売却希望者の情報を入力してもらいます
  2. その情報を、登録している不動産仲介店に一部情報をマスクした上で配信します
  3. この売却希望者の情報をすべて見たければ、1〜1.5万円払ってください
  4. 1.5万円払って情報を取得した不動産仲介店は、得た情報を活かすために必死にメールや電話をして会おうとしてきます
  5. 不動産仲介店が出してきた査定書を元に、売主はどこかの会社と売却媒介契約を締結し、売却活動をはじめます

Twitterの仲介マンから漏れ聞こえるように湾岸エリアの人たちは、不動産屋なみに情報をチェックされている方が多いので、あまりにも高い査定価格は不自然と考えますが、普通の人達はそう考えません。基本的に一番高い査定価格を提示した会社と媒介契約を結ぶことが多いでしょう。よって、売却の査定価格は常に上へ上へと向かう傾向にあります。

では、適正な価格、取引が成立するだろう価格があるとして。不動産仲介店が売主から「媒介をとりたいために出た高い査定価格」で売れることはあるのでしょうか?

はっきりいいますと、不動産を適正価格よりずっと高値で売れる魔法なんてありません。もしそんな魔法があれば、世の中すぐに広まってスタンダードになるでしょう。魔法がない以上、基本的に不動産仲介店との取引は、「自分にあった仲介担当者と二人三脚で※」行う方が良いと私は考えます。
※私は不動産仲介マン(=エージェント)のマッチングサービスであるTAQSIEのアドバイザーや、すみかえもんというサービスのプロデューサーという立場があるので、その点は割り引いてくださいませ。

では、仲介店が出した「高い査定価格」は、最終的にどのように調整されるのか。時間が経って、売主の目線が下がることを待つ作業が必要です。数ヶ月の間、見学が入らない。入っても他決してしまう。まずは夢を見させて、その後現実を見せるフェーズがあり、ようやく売主自身が夢から覚めて現実的な価格に値下げを受け入れたときに決まるのです。

売主は、売れるまで常に不安です。居住中物件ならなおさら。いつ入るかわからない案内、常に綺麗にしておかないといけないプレッシャー、週末案内が入ると思うと出かける予定すら制限が入ります。数ヶ月経つと疲れてきて、値下げに応じるようになります。最初からフェアな査定価格を伝えておけば必要のなかった時間です。囲い込み、値こなしなどのワードで検索してみてください。

え?この作業なんのためにやってるんですか?毎週末の予定を空けておいて、きちんと部屋を掃除して、来るかもしれない見学客を待つ。その時間はなんのためにあるのでしょう?そうです。不動産一括査定サイトのビジネスモデル上、不動産仲介店は高い査定価格を出さざるをえず、それ故に依頼した売主の時間を奪っているのです。

自動車は違います。自動車販売店が即金で購入するから、自動車一括査定サイトを使って多数の業者を呼び、その場でオークションしてもらうことが合理的です。不動産でも「不動産買取専門の一括査定」であれば同じことで、健全な企業競争が起こります。しかし、不動産一括査定サイトと不動産仲介のビジネスモデルを理解していない人はたいてい、一括査定サイト経由となるでしょう。

この不幸はどうやったら取り除けるのでしょうか?のらえもんは以下3つのデータを不動産仲介店がそれぞれ自ら情報開示すべきだと考えます。

  1. 媒介を結んでから成約までの平均期間
  2. 媒介を結んだ初期価格と取引価格との平均差分額(つまり、平均値下げ額)
  3. 媒介を結んだ初期価格と取引価格との平均差分率

平均期間や平均値下げ額、率をあらかじめ提示することで、不動産仲介店が自分に対してどれだけフェアな査定価格を提示しているかの目安がわかります。湾岸エリアの人なら、不動産仲介側にこれを明らかにできますか?と聞くのもありかもしれませんね(一部の仲介店以外、この3点はKPIになりえないとおもうので元々計測していないでしょうけど)…自動車なら諸元表などすべて明らかにされているデータが、一期一会の不動産仲介の世界だとマスクデータになっているが故に、莫大な時間が犠牲になっていると考えます。

まぁこのデータは、不動産仲介店が自ら明らかにしなくても、不動産流通機構(レインズ)なら当然のごとく把握できるんですけどね。毎月の不動産取引動向のアップのついでに、あからさまに平均期間が長い仲介会社を明らかにしたほうが、よっぽど不動産仲介業界のためになるでしょう。

 

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