前回かなり好評だった、オレオレ東京湾岸エリア論の第二弾です。みんかぶ編集部さんからの質問に、湾岸エリアを13年見つめて発信してきたのらえもんが答えます。
豊洲は最強の郊外型ニュータウン
みん:豊洲の魅力はなんでしょうか?
の:豊洲は唯一無二で最強の郊外型ニュータウンなんです。子連れになると豊洲の良さがわかりますよ。共働きのパワーカップルに子どもが産まれるとめちゃくちゃ悩むんですね。「職住近接にこれからもこだわるべきか」「子育て環境を優先して郊外に出るべきか」と。二人のキャリアを考えるのであれば、やはり職住近接にはこだわりたいですよね。
そこで候補に上がるのが豊洲なんです。豊洲公園に行くと少子化が信じられないものすごい子どもがいますよ。ららぽーと豊洲とビバホームで生活が完結する。子連れで来ると怒られるようなおしゃれなお店はないけれど、子育て中ではそんなの不要なんですよね。ファミリー特化の街として完成していますし、都心への近さを考えると唯一無二、最強の郊外型ニュータウンといえるでしょう。
大型ショッピングセンターがある、都内のニュータウンを考えると、例えば南砂町でも似たようなライフスタイルはできます。しかし混雑する東西線を通勤で使うことや、ウォーターフロントによる空間の広がりというアドバンテージを考えると、豊洲のほうが魅力に感じる人が多いかなと。
月島と勝どきの違い
みん:湾岸は他の街もありますよね?
の:中央区湾岸エリア、月島・勝どき・晴海は隣接していますけど、それぞれ個性が違います。例えば、月島と勝どきは隣接で似た地域ではありますが、やはり月島のほうが古くからの街ということで、風情が色濃く残ります。この2エリアを比べると一番の違いは建物の粒度なのかなと。
月島は、清澄通り沿いならともかく、一本入ると個人の家が並んでいます。そして、3軒に1軒が飲食店なのかな?と思うくらい、個人経営の飲食店が多くてバラエティに富んでいますね。勝どきも個人経営の飲食店がありますが、より月島の方が昭和感強い建物が多いです。近年の月島エリアの路地裏は魅力的な飲食店の開店ラッシュですよ。
あと、外から見ると勝どき駅は大江戸線しか通ってないと敬遠される方いらっしゃいますけど、実際、バスが頻繁に勝どき駅前を通ってかなり便利です。行き先も豊富ですね。また勝どき6丁目に住んでいる方はBRTを使い始めています。新橋、というよりも汐留にすぐいけるのが魅力です。
晴海と有明は似ている街だった
のら:将来性で考えるなら拡張の余地、今後の開発が期待できる未利用スペースがエリア内でどれだけ残っているかというのは重要です。この点豊洲は、6丁目という広大なスペースがある。あとは晴海と有明も空白地があります。
その意味で、街としてのカラーが似ているなと思っていたのは晴海と有明です。どちらも区画が広くて、大きな未利用地があり、そして若干交通が不便というところ。晴海は勝どきと月島が開発され尽くしたあとの中央区最後のフロンティア感がありますね。私立中学を誘致する動きが一部あるようですが、もし誘致に成功したらポテンシャルあると思います!
有明は、有明ガーデンができるまでは生活利便的にはよくなかった。唯一胸を張れるのが自動車交通の便で、首都高のインターチェンジが複数近く、そして駐車場料金が抑えられたタワマンが多かったので、車を重視するので有明を選ぶ人もいました。いまは有明ガーデンができてエリア内で生活が完結するようになり、ずいぶんと環境は改善されました。コロナ前後でマンションの流通価格が2割上昇したマンションもあります。
今後も資産価値を保てるマンションを探すなら、海外勢が買うマンションを
のら:マンション価格がここまで高騰すると、「いつか下がるのではないか」「いまから買うのであれば、できるだけ下がらないマンションを、いやむしろ上がって欲しい」という”失敗したくないマンション選び”を考える人が多いですよね。といっても、都心のマンションは上がりすぎてエリートサラリーマンも手が届かなくなってきた。今、2億を超えるマンションを買っている人たちは、「相続などでお金を得た人」「事業がうまく行った人」「株で稼いだ人」「マンションすごろくがうまく行った人」など自分の労働以外で稼いだ人がほとんどです。夫婦の労働で手が届くラインというのはかなりの高収入カップルでも〜1.4億円くらいまでですよね。
今後もマンション価格が保たれることを第一に考えるのであれば、そのエリアのマンションに海外勢の買いが入るか否か、それが成否を握ると考えます。実はドルベースで考えると、3割日本円は切り下がっているので、日本人が考えるほどマンション価格が高くなったとは海外勢は考えていません。そして湾岸エリアは、ギリギリ海外勢が好む範囲に含まれていると私は考えます。いま、キャッシュで買われる海外の方が増えていますね。
中国人に人気のマンションのほうがこれからの資産価値も高いんじゃないかという、10年前には全く思わなかった感想を持っています。 https://t.co/jStdpyL7Vj
— のらえもん (@Tokyo_of_Tokyo) August 25, 2023
価格が切り上がっていくと、いまの月島で起こっているように感度の高い人々の胃袋を満足させる飲食店が進出してきます。パークタワー勝どきの下に入居する店舗のレベルが高そうというのは、可処分所得が多い人たちが大挙して入居することが予想されるからです。そして、晴海フラッグ入居で人口が増え、湾岸エリア全体の価格推移が上がって求められるレベルも高くなってきています。成熟に向けてさらに発展し続けることを期待していますし、湾岸エリア全体としてまだ空き地がたくさんあり、開発の余地があるというポテンシャルがあるエリアです!
この記事へのコメントはありません。