ポジショニングが飛鳥山公園隣と、希少性が評判の「ASUKAYAMA RESIDENCE」に湾岸妖精が行ってきました。北区物件のモデルルーム訪問記は、「ザ・ガーデンズ東京王子」以来となります。なお、本物件モデルルームは現地から離れたダイエー赤羽店の2Fとなります。
2021年大河ドラマ「青天を衝け」は渋沢栄一が主人公ですが、物件の名称にもなっている近接地「飛鳥山公園」は渋沢栄一が晩年過ごしたところ。ドラマの中でもこの飛鳥山が出てくるでしょうか。飛鳥山公園の中には渋沢庭園や大正期の建物まで残っています。実にタイミングよくドラマの聖地のお隣に立つことになります!なおこの物件は、渋沢栄一が作った旧王子製紙の流れを引き継ぐ日本製紙(名前を残す現王子製紙は、財閥解体の時に名称のもととなる王子工場を引き継いでない)の社員寮跡地であります。
良く知られていることですが、武蔵野台地沿いに京浜東北線はつくられており、概ね京浜東北線東側は低地、西側は台地になっています。ここは、武蔵野台地のいわゆるキワでして、北側、つまり京浜東北線方向は崖になって急に下がっています。高台に立っていて眺望が開けているというのは、5階建て物件ではあまりないことですから、大きなアピールポイントでしょう。実際に、モデルルームでも「武蔵野台地!」って連呼していました。うん、そうだよね…(豆腐の土地の民)
物件概要:
- 物件名:ASUKAYAMA RESIDENCE
- 地上5階建て3棟構成
- 総戸数129戸
- JR京浜東北線「王子」駅徒歩6分、東京メトロ南北線「西ケ原」駅徒歩4分
- 一部の敷地は借地権
立地・周辺環境
住環境としてはとても良い場所だと思います!西ヶ原駅に向かう途中には七社神社があるのですが、鳥居をくぐってこのマンションに出入りすることになります。全体敷地の3.5%が借地といいますが、これは下図でいう右下の一角であり、七社神社が地主となります。神社や飛鳥山公園を借景とできる立地は素晴らしいと思いますね。
一方で、一番の弱点は「近隣にスーパーがないこと」。王子駅までのアクセスは線路沿いを通ることになりますが、これがまたなにもないです。本物件から一番近い駅は西ヶ原駅となりますが、ここは住宅地のど真ん中に駅を作ったという、都内でも有数の「駅前に何もない」駅ですので、駅を降りたらわずかにファミリーマートとセブンイレブンが2軒あるのみ。駅を降りても噓でしょってくらい何もありません。最寄りスーパーは王子駅方面ではなく、線路を渡った向こう側のOKストア+ホームセンターがある(徒歩7分)ものの、先ほど書いたように歩道橋を通り、崖を下ることになりますから、表記の徒歩分数よりもかなりかかるイメージとなります。あとは小さいですけど、上中里の駅前にあるマルエツプチです。
西ヶ原でしょ https://t.co/PxOEk4oG4w
— のらえもん (@Tokyo_of_Tokyo) May 28, 2021
売主もこの弱点はよくわかっています。パルシステムと連携して、配達を共用廊下、玄関の前に置けるルールにしています。コンビニは前述ファミマを使えばいいとして、戸建てを買うイメージと考えておかないと、駅徒歩分数よりも苦労するはずです。
その代わり、周辺は住宅街で緑が多いエリアですから、住環境としては良い場所、といえます。周りから見ても高台なので、通風・採光・眺望ともに良いです。このあたりはモデルルームや現地見学でご確認ください。
建物・内装と共用施設
久しぶりに、長谷工コーポレーション施工の5階建て物件を見たのですが、掛け値なしに「すごい、やるじゃん長谷工」と感じました。仕様は野村プラウドがコントロールしているから、普通よりもちょっとだけいいと思うのですが…いつもタワー物件ばっかり見ていてごめんなさい。
- リビング天井高2450mm
- サッシ高2100mm
- 御影石キッチン天板
- ディスポーザー
- タンクレストイレ
- 二重床二重天井
- 住戸の位置によっては二重サッシ(T-4)、それ以外は複層ガラス(T-2)防音合わせ複層ガラス(T-3)
一部の住戸以外は、部屋にほぼ梁がないんです。階高に余裕がないタワーだと、部屋の両サイドにそれなりに目立つ梁が出がちですが、本物件は開口部前部分以外では梁が全く出ないため、空間としてすっきり見えます!また、シートフローリングは流行の幅広タイプのもの。コストがかかっていますが、高級感が出ます。
それ以外では、まぁ普通よりちょっとだけ良い、という塩梅のグレードに仕上げてきたと思います。玄関側もバルコニー側もすべてタイル打ちというところにはコストかけていました。
129戸くらいのボリュームだと、共用施設を設けるのが微妙ではありますが、本物件は私道を挟んだ向こう側に別棟として木造2階建ての「フォレストヴィラ」が設定されています。1Fと2Fの一部は子育て支援施設(予定)とのことです、2Fに「パーティーダイニング」「スタディ&ワークラウンジ」が作られます。小さい部分ですが、飛鳥山公園を望むテラスもあるとのこと。
価格表
ASUKAYAMA RESIDENCEの予定価格表をシェアします。
たしか今年の売出でしたが販売がかなり進んでいますね。予定価格表上で残っている部屋を数えると46。高単価の方から売り出して2/3近くが既に分譲済みとなっています。
敷地配置図を見る限り、ブライトコートは七社神社にかかる部屋の方がよさそうで価格も高かったのですが(価格表で言うと右側)、人気でそちらの方から売れていったとのこと。勢いがありますね。しかし、北区でこの価格か~と思わないでもないのですが、北区の中でも比較的地位が良い西ヶ原ということで条件の良い南向き・西向きはこの単価にもかかわらず売れていますね。
さて、私が訪ねた時はこれから北東が始まるというタイミングでした。南向きと比べて1000万円くらい違うとのこと。たかが1000万、されど1000万円。湾岸エリアにいると、北東向きがお求めやすいじゃん!視界も開けているし!と考えてしまいますが、近郊・郊外エリアは南向き信仰が強いため、どうでしょうか。東京23区内、南北線駅まで徒歩4分という立地を考えると、少なくとも6000万円台の部分はすぐにはけてしまうとは思います。
総評
北区西ヶ原エリア、特にこの近隣となると、ほとんどマンションの供給がないのでデータもさほどありません。ここ1年くらいの成約事例では、旧古河庭園近くの築浅中古マンションは坪280~320万円くらいで動いています。めちゃ高いですけど、頭金1割入れて0.5%変動で借りれば残債割れは今の相場ではないと思います。
むしろこのマンションの一番のライバルは周辺の戸建てと考えます。中古戸建・新築戸建てともに駐車場付きで7000万円を超えることがない水準(ただし狭小3階建戸建て)で動いているマーケットですから、本物件の2.8~3万円という駐車場代を考えると、維持費の面で割高になってしまいます。また、全面積の3.5%とはいえ、借地権が入っていますのでリセールの際に若干アンダーバリューと見られます。ネット銀行系ですと一部の銀行は住宅ローンを組めません。
このような点もありますが、飛鳥山公園近接というポジショニングは代えがたく、南北線西ケ原駅徒歩4分という通勤利便性に、西ケ原駅から毎日鳥居をくぐって帰る家路というのも心をくすぐられます。マンションはお金を払えば維持が気軽ですから利便性を買っているという点もあります。
このエリアを全く知らない、という方が本物件をこれから検討されるなら、まずは王子駅で降りて周辺を散策し、線路沿いの道を歩いて本物件を見学し、その後西ケ原駅まで歩いてみましょう。これでご自身と家族に合うか合わないかある程度つかめるとおもいます。上野公園物件のような思い入れがない飛鳥山公園ですが、いま紫陽花が満開の季節でして、歩くととてもいい公園だなと思いました。
王子駅にはまいばすけっとがありますね。気になるのは通勤通学で、南北線・京浜東北線はカタログスペック(都心までの所要時間)はいいんですが、直線的に郊外から都心に向かっているので朝はすごく混んでしまうんですよね。京浜東北線のホームドア設置が進んでいるので昔より事故での遅延は減った感じはしますけど。この立地ですと自転車かコミュニティバスで駒込駅から山手線というルートもありかなと感じました。
> 1階以外の住戸は、部屋にほぼ梁がないんです。
すみません、1階住戸にも無いように思うのですが、どの部屋タイプをご覧になられていますか?
すいません、私の勘違いですので修正しておきます。