のらえもんブログ久しぶりのスマッシュヒットとなった「都内ワンルーム投資ってどうよ?真剣に考えてみた」シリーズ。
- 内藤忍先生の語る中古区分ワンルームマンション投資の魅力とロジック
- 内藤忍先生講師のセミナー報告と当日紹介された投資案件分析
- 中古ワンルームマンション販売業者の利益の源泉といまから不動産投資をはじめようとする人へのメッセージ
おかげさまでそれぞれ約1万人の方々に読んでいただけました。当たり前だろという人・勉強になったという人いろいろ感想をいただきました。私自身も勉強になりました。
ブログのエントリというものは長ければ良いというものでもなく、適切な長さを保たないとダメということもあり、本編ではカットした部分を手短に紹介させていただきます。
ワンルーム不動産曼荼羅:
不動産セミナーシリーズを書いたところ、ちょうどいい記事がAERAに出てましたね。
大流行のマンション投資は本当に大丈夫か、赤字物件にならない方法(魚拓はこちら)
50代女性会社員が不動産投資セミナーで紹介された物件を、営業マンが言うがままにワンルームマンションを次々購入。収益の見通しが甘く、年間100万円の赤字を出して立ち行かなくなる。こういう相談が増えている、という記事でした。
ところで、この記事では「全国住宅ローン救済・任意売却支援協会」さまが善玉扱いされていますが、ワンルーム業者とこの支援協会が直接繋がってはいないとは言え、私の目には広い意味で全員グルに見えて仕方がないのですが、どうですかね?フリーダイヤル相談無料。専門家を多数揃えた任意売却支援協会様が購入した物件は、次にどこで売るんでしょうね?下手に破産されて競売にかかると物件仕入れに手間がかかりますが、任意売却なら手早く安く物件を仕入れるチャンスがでます。
そして、ワンルーム不動産販売会社はどこから仕入れるの・・・?つまりはこういうことです。
1:不動産投資セミナーを開催。割高な物件を買ってくれるカモを見つける
2:買ってくれたカモには、「おすすめの物件がある」と何件も買わせる
3:そのうち立ち行かなくなって、破産から競売or任意売却or買い取り
4:その3択なら、普通に市場で出ている仲介物件よりも安く購入できる
5:相場より安く買い上げに成功した業者からワンルーム不動産販売会社が仕入れる
6:仕入れた物件を不動産セミナーで・・・1に戻る
つまり、不動産セミナーで紹介される中古マンションは誰かの破綻した後のワンルームかもしれません。強烈な不動産曼荼羅です。1〜6までの罠を不動産投資セミナー聞いてすべて理解した時に悪寒が走りました。一定の破綻が出続けないと仕入れが回らなくなり、利鞘は縮小します。つまり、そのうち回らなくなることがわかっていて販売する、業界をあげた構造的なものであることを意味します。
(DVDは本エントリに関係ありません)
んじゃ、これを詐欺行為だと、糾弾したいかといえば・・・そんな気持ちにもなれません。不動産投資というのはビジネスであり、セミナーに参加するカモさんたちも”欲”が最初の動機だからです。オレオレ詐欺*とはまた違う世界です。結局、儲かる道を無料で先導してくれる人などいないというのは、社会人になる頃までには学校教育で教えないといけないですね。
私の若い頃には、当選商法のハガキを卒業アルバムの住所に無差別に送る手口が流行ってまして、私はゲーム機当選!につられてハガキの電話番号にかけてしまったことがあります。最終的に損害はなかったのですがいろいろ学びました。
内藤忍先生のガバガバ理論:
「イールドギャップ3%なら投資してもいい」
⇒そんなわけない。単純計算で物件価格を2000万円だとして、その費用60万円以内に収めないと費用割れします。管理費・修繕費・管理代行費・固定資産税・クーラー/給湯器が壊れるリスク・空き室リスク・内装費用・賃貸仲介手数料・・・絶対に無理です。いま都内の一般的な中古ワンルーム6%でも費用負けするんじゃないでしょうか。この3%で良い理論はアパートローン返済を貯金とワザと混同させているフシがありますね。
「細かい何を買うかチェックはしなくてもいい、なぜなら「信頼できる不動産販売会社」なら販売前にあらかじめチェックされているから」
⇒そんなボランティアをしてくれる会社があるわけない。
「1000万円を1%10年で借りると8.76万円/月ですが、3%20年であれば5.55万円/月と金利が高くても返済額は減ります。心の余裕を持った不動産投資」
⇒元本返済スピードより、物件劣化スピードのほうが早くなります。3%20年ってなんですか、どんな物件ですか。
「私は数年前からワンルームマンション投資を始めました。既に8軒(?)くらい持っている。」「私の母は国債を解約してワンルームマンションを2つ買っている」
⇒「あなた達が今からやりはじめることは私も同じことをしている」という仲間意識を入れるテクニックです。8軒持っているのは本当だと思いますが、セミナー講師とセミナー参加者で同じプライスタグが付いているとは思えません、儲かりませんから。仕入れ値で買えるルートがあると考えたほうが良いでしょう。
「ゆうちょもGPIFも不動産投資をはじめる。みなさんがやろうとしていることはプロの人たちがやろうとしているのと同じこと」
⇒ゆうちょもGPIFも中古ワンルーム投資はしません・・・(これはセミナーでも「彼らはこのマーケットではボリュームが足りなすぎてしない」といってました)そして「信頼できる不動産販売会社」とやらに投資判断を丸投げもしません。まずはREIT買うでしょう。
セミナー後に紹介される物件を盲目的に買うのはプロの人達とおなじことではありません。
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他にもツッコミどころはいっぱいあったのですが、これ以上性格が悪くなりたくないので、これくらいにします。広告塔で無理筋な道理を書いたり話したりしてるんですよね。
しかし、不動産投資セミナーについていろいろ書いてきたのですが、うーん私だったらこうするだろうなぁというのが、今回いろいろ思うところがありました。進捗が有りましたら、またこのブログで報告します。
*オレオレ詐欺やワンクリック架空請求に引っかかった人には救済を申し出てさらにむしり取るみたいな話を聞きましたが、それと似たような構図です。
ありがとうございます、だってあたりまえじゃない。今家賃10万払えません。少子化だし。子供にいくらかかるかしってますか?
内藤さんの講習、私も行ってみました!都心駅近ワンルームなら需要あるので、現場見なくても買えばいいですって。不思議な気持ちで帰ってきました。もち、私はそんなものは買えません。
内藤さん、まさかワンルーム屋さんからキックバック受けてないですよね?
講師料だけですよね。
まさかね…。
>講師料だけですよね。
なぜそう思うのですか(純粋な目)?
嫌味のつもりなんですが笑
しいていえば、ワンルームマンションの特性=投資におけるクセ=多少の妙味があるというのが内藤氏講演の骨子でしょうか。いくつか?もあるけど、そこまでは良しとしよう。
ただ、結局投資なんだから、勝ち負け・成功失敗の分水嶺は対象物の価値に照らして安く買えれば成功(高く売れれば成功)、高く買ってしまえば失敗(安くしか売れなければ失敗)ですわな。
でもって、高いか安いかの判断・決断は自己責任。
で入口の高掴みは外部事情が好転しなければ出口の挽回は難しい。ほぼ失敗。
その責任判断を「信頼できる」っていう抽象的なマジックワードで利益のパイを奪い合う第三者に委ねちゃまぁ大概負け組ですわな。
大金が絡む投資話には伏魔殿が憑き物ですね。
不動産屋自体うさんくさい
えっと、日本では個人は儲かんないよ。だって例えば93年、98年、09年不動産関連倒産合併ラッシュ。そこで借金チャラのゲームだから。会社はそれができる。
ほんとに儲けようと思うなら、先ずは自己破産のフル活用の仕方って言う講義受けてからスタートしないと。でも20年に3回も破産できないし、名前も変えられないよ。個人だと。
個人で残ってるのは本当にセンスありの一握りか法律スレスレ君だよね。
キャッシュフローが月額2100円くらいマイナスとすると、35年で90万くらいのマイナスとなるわけですが、営業から「最悪でも35年後は実質90万で自分のものになるのです!立地の良い物件なら築45年でも何百万にはなりますから損しません!」とか言われると、転んでしまいそうです。
35年間店子の入れ替えなく、エアコンも給湯器も壊れず、なぜか固定資産税も免除されれば、です。