ルフォン市川一丁目のBタイプ基本プランリビングのカウント(想定)

購入検討初心者シリーズ

みんないいものを作りたい、ではなぜクソ間取りが世の中に生まれてしまうのか。

ルフォン市川一丁目 ザ・タワー&レジデンスがTwitterで話題になっています。あ、クソ間取りといっているのは、私であってマンションマニア先生ではないのでご注意ください。またこちらの物件そのもの評価については湾岸ではありませんし、モデルルームにも行ってないので書けません。
ルフォンは、サンケイビル売主のシリーズで、湾岸ですと辰巳に「バンベールルフォン辰巳」という素晴らしい物件がありました。

いやー、確かにこの間取りはすごいですね。なにから言えばいいのか・・・そもそも、70.56平米の角部屋で3LDKなのですが、廊下が長すぎる中、リビングと三部屋を確保したので収納が全く足りません。構造や間取りの残念な点をTwitterでもつぶやいたのですが、補足しながら書き出しますと。

ルフォン市川一丁目 ザ・タワー&レジデンス 公式Webページより引用

ルフォン市川一丁目 ザ・タワー&レジデンス 公式Webページより引用

1:リビングのカウントは扉の中側からはじまります。洋室(2)と(3)の入り口は廊下からではなくリビングからつながっている形になります。こうして「実質使える面積」と「書いている畳数」に乖離が起こります。そもそも、全体の広さに対して、廊下+実質廊下部分が大きすぎるのです。更にこの間取りはリビングのコーナーに柱があるため、実質使える面積との差が広がります。
畳数のカウントは壁芯面積だからです。

ルフォン市川一丁目のBタイプ基本プランリビングのカウント(想定)

ルフォン市川一丁目のBタイプ基本プランリビングのカウント(想定)

2:プライバシー確保のため、洋室(2)と(3)とリビングの境目に扉を作りたいところですが、とある理由から、あえてそうしていません。
こちらの物件は内廊下のため、外壁部分に面しない部屋は窓が作れません。窓がない部屋は”居室”となることを満たさないので、納戸と表示することになりますが、このルールには一定の緩和基準があります。細かい基準は省きますが、「リビングと窓がない部屋を引き戸で繋げる」ことで採光条件を満たします。「洋室(3)が引き戸になっている」のと、「リビングの入り口が廊下の奥になっている」のはこのためです。

さらにもう一つ理由があります。セレクトプランの2LDKなら、この扉位置の理不尽さも多少は解消されるからです。洋室(3)を潰してキッチンを移動させるか、洋室(2)を潰してリビングを拡張するプランです。どちらも、リビングの扉の不自然さが解消されます。

ルフォン市川一丁目のBタイプ メニュープラン3

ルフォン市川一丁目のBタイプ メニュープラン3

3:通常のマンションは、柱と柱を梁でつなぐ「ラーメン構造」です。この構造の宿命として、階高が十分に取れていないと、梁が部屋の中に出現します。各社なんとか梁を抑えて、部屋の天井の凹凸を無くそうと努力していますが、残念ながら物理的に難しいのです。オフィスビルの天井に凹凸がないのは、十分に階高を取った上で二重天井にしているからです。

460-1
画像出典:三井のリハウス 不動産用語集より

改めてこの物件の間取りを見ると、柱が部屋に食い込んでいます。この柱と柱をつなぐ梁が部屋の天井に出っ張っています。

洋室(1),(2),(3),リビングにそれぞれ、無視できないほどの大きな梁が横断しています。洋室(1),(2)には、部屋を分断するような形で梁が出ていますので部屋の数値以上に相当圧迫感があるでしょう。狭い部屋を工夫して使おうと、2段ベットや上にベッド下に机、などの家具を置こうとしても、梁の下は2mになると相当厳しいですね。

といっても、作り手側だって、100も承知なのです!いいものを作って世の中に出したい。誰もがそう思っています。でもなぜこのような商品が企画されてしまうのか。

解決方法としては、角部屋の100平米して玄関位置を工夫すれば、間取りの苦しさはなくなります。でも、千葉県の市川駅で駅前徒歩4分の角部屋で100平米を実現しようとすると、物件価格が非常に高くなり、買い手が消失します。現実路線を見て、部屋を刻んだのだと思われます。

もうひとつは、現地を見たわけではないので断定的なことはいえませんが、土地形状とセットバックの関係にあると思うのです。

図面を見れば、この間取りにはそもそも足らないものがあります。バルコニーです。バルコニーは建物外壁から2mまでは容積率不算入であるため、2mといわずともできればギリギリまで伸ばして、専用使用ができる面積を増やしておくことで、検討者へのアピールに繋がります。柱も全部バルコニーに出せば、梁の苦しさも解消できるはず。

上の図では右上に、と書いていますが、実際にやろうとするとバルコニー分だけ周囲に2m出っ張ることになります。それができなかったのは、土地形状が良くないか建築面積に対して土地が広くなく、道路や隣側建物とのクリアランスがとれなかったのだと推察します。

既存市街地の建て替えなどで、あまり敷地面積が大きくないマンションだと、こういった残念な間取りが、どうしてもでてきてしまいますね。湾岸タワマンは、どかーんと広い土地にでーんとでかい建物を立てるので、こういった間取りの発生はさほどないのです。これから林立するにしたがって、もしかしてこういうことも発生するのかもしれませんが・・・クソ間取りは土地価格とルールと妥協が流した涙なのです。

P.S.

この物件、今回触れさせていただいた間取り以外はだいたいまともです。中住戸は完全アウトフレームもあります。あくまでも一例としてあげさせていただきましたが、都内のマンションはこれに近い間取りもあります。

 

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