JR東日本が2014年に表明した羽田空港アクセス線。JR東がついに環境影響評価の手続きの実施に進むと表明しました。
(画像出典:JR東日本グループ経営ビジョン 変革2027)
〇 JR東日本では、グループ経営ビジョン「変革 2027」において「シームレスな移動」の実現を掲げ、お客さまの利便性向上を目指して、当社の鉄道ネットワークを活用し多方面から羽田空港へのダイレクトアクセスを実現する「羽田空港アクセス線構想」を推進しています。
〇 本構想の計画ルートのうち「東山手ルート」、「アクセス新線」を対象に、東京都環境影響評価条例に基づく環境影響評価手続きの実施に向けた準備を進めてまいります。羽田空港アクセス線(仮称)の環境影響評価手続きの実施について 東日本旅客鉄道株式会社2019年2月15日
まず東山手ルートについて環境影響評価手続きということですが、このルートは、「羽田空港~東京貨物ターミナル」と「大汐短絡線」の2つの新設ルートを含むものです。東京貨物ターミナルと羽田空港まで結んでしまえば、あとは行き先での振り分けなのでまず、真ん中から手続きを始めるということでしょう。
ちなみに、りんかい線は東京貨物ターミナルまで回送線がすでに伸びていますが、こちらは単線なので複線化して対応するとのこと。貨物ターミナルから先の用地買収は無いので、決断してしまえば臨海部ルートはすぐでしょうね。
しかし、完成は2029年ですか。最初は「オリンピックに間に合わせる!」「最後の1kmが間に合わないからバスのピストンで行く!」と鼻息が荒かったのですが、やっぱりそう問屋はおろさなかった。当初より9年くらい遅れることになります。
さて、2029年時点では、りんかい線の借入金残高がずいぶん減るんですよね。こちらはりんかい線平成29年度決算時点での借入金残高資料ですが、毎年どんどん減っている。
りんかい線の経営計画では今後も毎年90億円の返済を予定していているのでそのまま計算すれば、2029年度末には163億円になっている計算です(当然、この間に設備の更新もしないといけないのでこの通り進むかはわからないですが)。当然借入金を完済したら割高な運賃は是正されますし、大きすぎる借金はJR東日本のりんかい線買収の障害にもなっていたので、臨海部ルートができる時には「JRりんかい線」になっててもまぁおかしくはないですね。
タイトルに資産価値の影響は?って書きましたけど、ぶっちゃけ無いです。現時点では。そもそも、既に各所から羽田空港行のバスは出ていてそれなりに便利なんですよね。豊洲駅からの羽田直通バスを使いますが、調子良ければ20分くらいでターミナルについちゃうし。
もしこれをきっかけにJR東日本がりんかい線を買収してくれれば、初乗り運賃が安くなって、更に大崎・新木場での乗り換え運賃がかからなくなったら・・・ラッキーくらいじゃないですか。品川シーサイド・天王洲アイル・台場・有明・東雲のみなさんには超朗報ですが、それもあと10年後の話です。
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