Xとの連携サービスQuerieで面白い質問が来たので、タワーマンションの共用施設とは?で、結局どこがすごいの?などについて、語ってみます。
以前は無邪気に「このタワマンの◯◯って共用施設がすごい!」って言ってたんですが、考えれば考えるほどマンションの共用部って扱いが難しいものだなと思うようになりました。
- マンションの共用施設は、マンション管理組合が運営をするものであり、人的サービスがかかるなら人件費が、そうでなくても運営維持コストや修繕コストがかかるものである
- あくまでも「居住者のための福利厚生施設」という位置づけであり、営利目的の施設ではないではないため、破格の利用料設定となることが多い。となると、人気が高すぎて使えない施設もよくある。例えば、タワマンの宿泊施設などン十倍の競争率になり使いたいときに使えないことも多い
- 居住者専用カーシェアリングサービスなどは、地域の人に開放されておらず、居住者のみで使えることから、車両費などは管理組合にツケまわされる。よって初期導入だと毎月◯万円も、カーシェアを使う使わない関わらず持っていかれる。私が聞いた中で最大は、3台のカーシェア維持費に月額30万円以上払っている事例がある
- 人が集まると、とにかく揉める笑。特に最初の方はラウンジでイキる奴、マルチの怪しい会話が聞こえて来て不快、そんな不快をXで呟いて炎上、など普通のマンションだと考えられないことが起きる
なので、マンションが立っている街の中で代替可能な施設は基本的に街の中で消化してもらって、マンションの共用施設はスケールメリットを活かして見栄えのする空間にしつつ、予約しやすいもしくはいつでも使える施設が揃っていて、あとはちょっとゲストが来た時に案内して鼻が高くなるような施設があればいいということになります。
その路線で一番手を行っているのが、おれたちの住友不動産。中央区最高峰の高さを誇るグランドシティタワー月島にはマンションの上層階ですらなく、中層階にちょこっとスカイラウンジとパーティールームがあり、あとはテレワークができるラウンジと集会室を兼ねたキッズスペースしかないという、無駄を排除した設計となっています。これがタワマンとして他のマンションに比べて萌えるかどうかは別として、入居後にそんなに揉める要素なさそうだな、とは考えます。
さて、タワマンの共用施設には様々なジャンル、規模がありますが、湾岸エリアのほぼすべてのタワーマンションに入ったことがあるのらえもんは、共用施設がスゴい!というのは直感的なものから日常の使いやすさまで、評価ポイントが5つあると考えています。
- とにかく広くて、デっかい
- 豪華絢爛な内装、眺望が抜群の場所にあり、ダイレクトウィンドウや透明バルコニーなどで眺望を楽しめる
- 使いやすい広さで区切られており、日常使いできるジャンルの施設が揃っている
- 適切な頻度で予約が取れる、もしくは常時開放箇所が多くてふらっといってもいつでも使える
- 共用施設群が点で存在せず、連続性や回遊性がある
例えばプラウドシティ東雲キャナルマークスは、3、4、5の点でとても良いなと思います。1Fに共用施設が集約されていて、中庭を通じてふらっといけます。フロアに集約されていないと、使いづらさを感じます。同じ観点で、プレミスト有明ガーデンズも似ていますね。ただし、この2つはやはり戸数規模や形状から、1や2の面で上位に食い込むことは難しくなります。
上記5点の評価軸でほぼすべてが満点、きれいな五角形なのは「ブリリアマーレ有明」であり、ここに異論を唱える人はいないと思います。
次点に私は「パークタワー勝どき」を挙げます。サウスとミッド、共用施設の数や多彩さ、規模。すべてブリリアマーレ有明を上回っています。
ほぼ間をおかずに3位グループとして、「ワールドシティタワーズ」「パークシティ豊洲」「SKYZ/BAYZ」「THE TOKYO TOWERS」の4強を挙げます。どれも素晴らしい共用施設を持ちます。プール、ジム持ちで、東京タワーズ以外はバーラウンジも持っています。SKYZとBAYZはお互いを補うように設計されていて、そこも素晴らしいですね。BAYZの31階のラウンジ運営が完全に死んでいる(2024年7月時点)ところが残念なところです。
3位グループにほぼ並ぶマンション、というか別枠として、「パークタワー晴海」が入ります。外構からもわかる通り、個性がとても強いマンションで、前を通るときに「ディズニーランドみたいにワクワクする音楽をかけるのはどうかな」と思ってしまうくらい、テーマパーク感が強いです。
この7マンションが湾岸エリアの共用部トップTierとなります。東京湾岸エリアは日本の中でも恐竜的進化を遂げたマンションたちですから、日本でも有数のマンションということになりますね。
間違いなく共用施設数日本一の晴海フラッグが入っていない理由ですが、街区があまりにも広すぎて使い切れない、いくつかの共用施設は、小さすぎたり場所が微妙で使いづらい。といったところが、評価点の「5.共用施設群が点で存在せず、連続性や回遊性がある」で問題があると思ったからです。ただし、SKY DUO完成で1位になってもおかしくないくらい、とにかく手数の多さが魅力となります。
さて、1085戸のブリリアマーレ有明がなぜ1位なのかといいますと、このマンションの分譲時には有明は何も無い場所だったので、共用施設で自己完結する必要があり、必要以上に豪華にしないと売れなかった時代だった、ということです。これは、周辺に何も無いパークタワー晴海の理由と被ります笑。そして、有明は羽田空港に近く、高さ規制があるため、1フロアが大きく作られたということも関係します。
その他のマンションは、1500戸クラスであり、タワーマンションは規模の経済がダイレクトに働く世界ということがよくわかります。
最後に、THE TOYOMI TOWERの話ですが、現地行けばわかると思いますが。ブリリアマーレ有明やパークタワー晴海の販売時と似た立地です。お世辞にもとてもいい立地とは言い難い。でも周辺と離隔が取れていて、ボリュームがあります。これは想像でしかありませんが、建築費が上がり、また湾岸の地位が上がったいま、これからの分譲でトップTier組に入るとしたらこのマンションしかないだろうな、と考えています。
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