読者からの質問に答えます。
ーーー
新築マンションの購入検討していますが、たまに3畳の洋室設定を見ます。実際に住むことを考えると、広めの部屋にしたほうが使いやすいと思うのですが、違うのでしょうか。またリビングとの間は三枚引き戸の設定が多いのですが、防音性などを考えると個室として使えるものでしょうか?
ーーー
最近、リビングの面積を狭めにして隣に洋室を設定するプランが増えていますね。たしかに50平米台3LDK(これは最近の傾向ではなく一部の売主では50平米台3LDKだけでなく60平米台4LDK設定などは従前からよくみました)の事例だけではなく、広めの1ルームよりも狭めのDK+3畳の洋室設定を見る機会が増えました。
一見、狭くて使い道がないように思える3畳の洋室2がなぜ設定されるのかといえば、「マンションが高くなり面積圧縮が避けられない今、どうやってプライベートを確保するか」という回答でありますし、「割り切った使い方をするなら空間として区切れる選択肢は残しておいたほうが良い」ということでもあります。
このへんは、実需層に25㎡という部屋を売る中で、シングルにどういう間取りで売っていったら良いのか研究した日鉄興和不動産の+ONE LIFE LABの結果が参考になると思います。
画像出典:+ONE LIFE LAB(プラスワンライフラボ)による「暮らせる25㎡理想の間取り調査研究」結果発表 シングルライフに理想的な最小面積プランとは?(PR TIMES)
ギリギリベッドが置ける引き戸の洋室を用意した1DKの方がワンルームよりも売りやすいし使いやすい、というのがデベとしての結論であって、この8つの選択肢であれば私も⑧が一番良いと思います。
上記のアールブラン大森レジデンスの54㎡3LDKの寸法が書かれた間取り図を入手していないのでなんともいえませんが、セミダブルベッドが入るサイズは確保されているはずです。リビング脇の洋室は個室として常用するのではなく、寝るときのプライバシー性を確保できればそれでよい、そういう割り切りですね。
2つめの「リビング脇の洋室の防音性を考えると個室として使えますか?」という質問についてですが、3LDK表記のリビング脇3枚引き戸を経験している身からすると、「防音は全く期待しないほうが良い」といえます。きちんと閉めていてもリビングでテレビが付いていると確実に聞こえる。逆に個室側から物音がたてるとリビング側で聞こえました。というのも、引き戸である以上、上下に隙間が空いているわけで空気の振動現象である音は、容易に隙間を通過していきます。
ですので、上記のようなプランの洋室2の使い方としては、「家族が寝静まったあとに帰ってくるお父さんの寝室」がベストプラクティスではないかなと思います。子どもが小さいうちは、勉強机とベッドを置いて独立部屋として使うことも考えましたが、子どもが就寝後にお酒を飲みながらリビングでTVを見ながらリラックスする、というのが難しく使い所が難しいのです。
いちばん家にいる時間が少ないし、どうせ一番最後に帰ってくるのであれば自分の寝室にするほうが良いなと考え…たのですが、なんだかんだいって、リビング脇洋室は、拡張部分として実質2LDKとして使うのが落ち着きますね。
ではこうした物件を買うべきなのか?
新築という冠が付いている時は、部屋数が欲しい一定の人に売れると思います。築10年が経過し、築20年の物件と一線で評価される時になると…やはりどうせ買うなら人間にとって気持ちの良い広さを求める人の方が多くなると思いますね。いくら電気機器がスマホに集約されら時代になっても日本人のサイズは変わらないので。
この記事へのコメントはありません。