マンションブロガーが答える

住宅価格高騰時代の住宅購入について考える その1

超多忙によりのらえもんブログの更新が滞っており大変申し訳ございません。

のらえもんはスムログに参加しておりますが、ブログのネタとしてくる読者からのお便りはすべて拝見しております。私が「マンション購入を真剣に考える」と題したブログをはじめてから10年が経ち、あの頃に比べて住宅購入適齢期世代は本当に苦労しているな…と思います。高額になった23区のマンションを買えるのはほんの一部、給料が上がらない中でどうやったら住宅を買えるのか、つま先立ちとわかりつつ購入に進むのか、それとも諦めるのか?みなさんが悩まれている姿を想像しながら読んでいます。

まさに私の後輩と同じような悩みがどんどん寄せられているわけです。

住宅購入の先輩として、もう少し深堀りシリーズとして考えたいと思います。

新規分譲マンションの広さは年々狭くなっている

 

SUUMO新築マンション首都圏版 22/07/05号

SUUMOさんの最新号が「浮かせる収納」という特集をしています。「時代はもうここまで進んでしまったか…」という思いで読んでいました。新築マンションの平均的な広さは全体として縮小傾向が続いています。これは坪単価が高騰する中で、なんとか住宅費用の総額を抑えようと、部屋の狭小化が進んでいるからです。70平米台後半の部屋のシェアが減少する一方で、60平米台後半のシェアは増えております。しかし、全体的な価格水位は容赦なく上がってしまっていて、10年前なら70〜75平米の3LDKの23区の住宅適地エリアを買っていた層が、現在では60平米台3LDKの近郊エリアをやっとの思いで購入する時代です。
一方で、富裕層向けの100平米超え供給は2014年を底に増えているため、統計的な「平均の広さ」は実際の体感よりもデータ上では出ていません、東京23区の3LDK平均専有面積はこの数年微増であります。

画像出典:東京カンテイプレスリリース「東京23区 専有面積帯別シェアでは「60㎡台後半」の存在感が増す」より。画像をクリックするとプレスリリースに遷移します

読者から「いつ下がるんだ」という相談も来るのですが、株価と違って、土地の仕入れ値と建設費から考えると今後数年は下がることを期待するのは難しい状況です。そんな時代だからこそ、「浮かせる収納」という特集が組まれる時代なのです。

広さ・築年数・都心からの距離or駅までの距離どのパラメータを犠牲にすべきか

高騰が続く新築マンションから目線を中古マンションに向けても、残念ながら状況は改善されません。
以前の値段で購入しようとしたら、全体的に高騰しているので

  1. 広さを妥協するか
  2. 築年数を妥協するか
  3. 都心からの距離or駅までの距離を妥協するか

この3つのパラメーターを調整して、自分の買えると思える金額の物件が出てくるまで待つという買い方になってきています。特に都心部の住宅を探す人にとっては、普通のサラリーマンではもはや手が届かないため、築年数(+広さ)を大きく妥協して都心部に住むことを考慮に入れるか、それとも広さを妥協せずに駅までの距離や、都心からの距離(つまり郊外)を妥協するか悩んでいる人は多いと思います。

汎用的な悩みにズバっとした答えは出ないので、アドバイスすると、住まい選びは①街選び、ただし、築年数を妥協するなら②マンション選びも重要です。

街選びの重要性については、お分かりの通りだと思います。住む前はあれだけ気にしていた細かい間取りや部屋の広さよりも、日々の利便性・教育環境・自然環境・求めるエンタメへの近さ(たとえば千葉ロッテファンが好きなら幕張に住んだ方が良いですし、川崎フロンターレファンなら川崎市に住むべきです)など、街としての魅力や自分にとってフィットするかを考えた方が良いでしょう。

築年数が経った(築30年以上~)マンションを選ぶ場合は、部屋というよりもマンションそのものも選ぶ、ということを重視した方が良いです。この築年数になると、リノベ再販物件がメインの選択肢となってくるでしょうが、マンションそのものがきちんと管理され、かつ将来の修繕計画がきちんと存在して、修繕積立金が貯まっているのをチェックしましょう。
築40年を超えるとなると、建物の寿命よりもまず設備・配管などの寿命を気にした方がよさそうです。配管は交換されているか?もしくは問題ないか?エレベーターや廊下の照明などが適切に管理維持されているか?今後20年、30年と住める状態なのか?などのチェックも必要です。専有部そのものをチェックするよりも、マンションが持つかどうかを気にしなければいけない築年数だからです。

限りあるリソースを住宅へ全振りしてもよいのか

のらえもんに対して、「年収〇〇万円・頭金はなし・〇〇万円の物件を欲しいと思っています!買って大丈夫でしょうか?」という質問が寄せられることがあります。

正直、のらえもんにはよくわかりません、維持は可能かと思いますが、年収が今後上がらないのであれば、住宅ローンを払って終わり、の人生になってしまう感じがあります。特に40歳以上で初めての住宅取得、これから年収が上がらないのに子どもはこれからorまだ小さい、となると教育費用の心配をしてしまいます。

自分自身、モデルルームを多く訪問していると、住宅は独特の魔力があるなぁと感じます、なんとしてでも買いたい。という気持ちになるのはわかるのですが、住宅は金融商品ではなく、契約して住んでからが本番の商品です。資産性を追い求めるのは良いのですが、自分の資力を住宅に全振りして、便利な街に住んでも外食ができない家計になってしまっては、何のための街なのか、よくわかりません。数年後にステップアップとして売る覚悟なら良いのですが、10年経ってから次の…と言われても、人生の中で10年というのはとても長い期間であります。

 

コラムでもない、質問の回答でもない、鵺のような文章になってしまったのですが、最近の寄せられる質問へ汎用的なお答えをするとなると、このような内容になりました。次回は、ファイナンシャルプランナーから見た住宅購入を対談形式で取り上げます。

 

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