マンションブロガーが答える

「マンションが高くて買えません、どうすればいいでしょうか」

先日、会社の後輩(30歳既婚・子ども一人)とランチに行ってきたのですが、仕事の話のついでに雑談していたら、途中から急に暗い話になりました。そのものズバリで「マンションが高すぎて買えない、どうしたらいいのか」という話題です。

後輩
先輩、ウチもそろそろ家がほしいなという話は夫婦で常々するんですが、新築マンションのSUUMO見るともう23区はおそろしくて買えません。実家は中野区なのでその近くで…と思ったのですが、この価格でいったい誰が買えるんでしょうか?経営者ですか?

実は兄は医者なのですが、兄夫婦でさえもう東京では買えないと言ってました。いまは狭いなーと思いながらも1LDK賃貸に住んでしますが、子どもは大きくなる一方ですしそのうち手狭になります。この先、私たち夫婦はマンションは買えるのでしょうか?買えるようになるとしたらどうすれば?

後輩は相談している相手の中の人が、”のらえもん”だということを知らずに聞いてます。
先輩としては、あんまりガチすぎる話をすると「先輩、サラリーマンのはずなのに何者?」と思われるのも嫌なので、

のら
いやー高いよね、僕らの世代はまだサラリーマンでもギリ買える値段で売ってたからなんとかなったけど、同じ年齢だったら僕もマンション買うかどうか凄い悩んだと思う…

みたいな感じでごまかしておきました。

さて、帰り道の電車の中で”のらえもん先輩”だったらどう答えたかと自問自答していました。あの時、伝えられなかったアドバイスを、備忘録として書き出しておきます。

なぜ高く感じるのか

聞くところによると私の後輩の旦那さまは、2年前に独立したばかり。しかもコロナ直撃業種なのでまだ収入は回復しておらず、安定した雇用形態でもないため、このままでは住宅ローンが組めません。最近の新築マンションは「共働き夫婦によるダブルローン」が前提で値段が設定されているため、一馬力で組むには非常に高く感じます。7000万円の住宅ローンを組むと、高すぎると思うかもしれませんが、4000万円と3000万円であれば、両者の負担感はそこまで大きくないのです。

言葉を選ばずに言えば、もはや一部をのぞいて東京23区の新築マンションは、高収入世帯・資産持ち・親から多額の援助が見込める以外は、「共働き”正社員”夫婦のための商品」となっているのです。対象外の商品は高く感じても仕方がないのです。

では中古マンションや戸建てならどうなのか

残念ながら新築マンションの価格につられて、中古マンションも上がっています。東京の中心区だと、新築より高い中古マンションも出てきています。
その一方で、新築マンションと中古マンションの価格に乖離(つまり昨今の値上がり幅が新築に比べて中古の方が緩やか)がある地域もありますが、逆を考えれば新築の値上がりとは裏腹に、そこまで人気のない地域となります。住宅は資産という見方をするなら、これらの地域で新築マンションを購入することは止めておいたほうが良さそうです。
もちろん住宅を資産ではなく耐久消費財、住む場所の確保としてみるのであれば、あえて乖離がある地域で中古マンションの割安な部屋を探すのはコスパが高い行動となります。

一方、戸建てはマンションに比べて値上がり幅が少ない…というデータは出ていますが、東京23区に限れば、私自身はそう感じていません。というより、元々戸建ての方がマンションよりも高額な商品だったため、相対的に値上がりが少ないだけで、やはり一馬力世帯にとっては買いにくい相場であることは間違いありません。特に第一種低層住居専用地域などの良質な住環境の中の戸建てとなると…大量放出となるであろう、団塊の世代の相続で売り出されるのはもう少し先の話となりそうです。なお、団塊世代のトップランナーは2022年に後期高齢者に入りました。

画像出典:TAS「【住宅価格】2012~2021年の10年間推移データ」より。元データは国土交通省『不動産価格指数、住宅は前月比 0.2%上昇、商業用は前期比 0.9%上昇』から

実家の近くに住みたいのなら

そもそも、家を買いたいのはなぜでしょうか?トップ絵のように広々とした環境で子育てをしたいからでしょうか。

実家の位置が、職場へ通勤可能な範囲内にあり、更に戸建てなど十分な広さがあるならいっそのこと同居してしまうのはどうでしょう?奥義として親にいったん持ち家を手放していただき、共同で購入するというのもあるかもしれません。自分の与信が5000万円だとして、親も持ち家売却で+5000万円予算が増えるなら、50:50の共同名義で、今よりもう少し良い住環境を手に入れられる可能性もあります。

ご両親もお孫さんの成長を直ぐ側で見られる方が良い、とおっしゃるかもしれませんね(ただし、親との共同名義は将来相続で、お兄さんと揉めそうな気もします)。

旦那が独立した仕事で軌道に乗れば、購入だけが選択肢ではなくなる

自営業の旦那さまは、住宅ローンの与信を持たないということで現時点では選択肢が苦しいのですが、いったん軌道に乗ってしまえば、購入よりも賃貸のほうが良い選択肢ともなりえます。というのも、事務所兼住宅ということで、賃貸の一部は経費化することができるからです。会社の規定をきちんと確認したわけではないのですが、自身が名義人になって借りて会社からは住宅補助をもらいつつ、旦那はその半分を出して経費として支出することで、住居費を相対的に安く済ませることも可能です。

となると、私が後輩に真剣にアドバイスするとしたら、「家が買えないとため息を付く前に、このコロナ禍で独立を選んだ旦那を応援して、早くファミリー賃貸を余裕で借りられるまでに稼いでもらう」というのがベストの道な気がします、こちらがファイナルアンサーということでいかがでしょうか!

 

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