先日、定期借地権物件についてのらえもんがつぶやいた内容に関連して、普通借地権についての質問が寄せられました。
===ここから===
現在、武蔵野市の普通借地権のマンションを中古で購入し、住んでいます。
普通借地の期限が20XX年迄になるのですが、売却時期を借地年数が長い時期に早めに売却したほうが良いなどあるのでしょうか。武蔵野市は周りにも普通借地権のマンションが多く、あまり気にする必要がないのか、気になっております。
よろしくお願いいたします。
===ここまで===
先日、X上でこんなつぶやきをしました。
ブリリアタワー品川シーサイドを見ると残存年数が35年を切ってきてみるみる価格が落ちてる、つらい
銀座タワーは立地が特別すぎるが、それでもかな〜り控えめの価格。あと10年経って残存20年切った頃になるともはやまともに修繕する気力もなくなってきそう… https://t.co/RqMa8Pxf3J— のらえもん (@Tokyo_of_Tokyo) June 4, 2024
前々から言ってるんだが、定借買って終の住処と考えていないなら残存60年、最低でも50年で売った方がええぞ。所有権マンションに比べてイニシャル安いけど維持費が明らかに安いわけではなく”資産”としては所有権マンションに比べてパフォーマンスが悪いですね。 https://t.co/QWtMqojngO
— のらえもん (@Tokyo_of_Tokyo) June 4, 2024
これを読んで普通借地権マンションの不安を感じて、私にメールしてきたのだと思います。
結論から言えば、残存年数が少なくなるにつれて価値がどんどん落ちていく定期借地権物件と違い、普通借地権マンションは契約期間満了が近くなっても更新できるため、価値がゼロになることはありません(といっても、更新時期が近いと価格がつきにくいのは間違いなく、古いと融資がつきづらいのも事実です…)
普通借地権のマンションは建物が朽ち果てない限り、借地権の更新は可能です。借地借家法で守られる存在だからです。
「借地の残存期間が終了後、壊すことが運命づけられている」定期借地権物件
「建物が壊れて使えなくならない限り借地の延長が可能な」普通借地権物件
というのが、一番の大きな違いとなります。
また、物件売買をする際に、「名義変更承諾料」が取られます。だいたい、年間固定資産税の3倍が相場と聞きます。
定期借地権物件は、どんなに建物の管理を良好に保っても、期限が来たら自費で壊す必要があります。そしてその費用は期間満了直前に確定します。そんな物件だと、残存年数が20年を切ったあたりで、どうせ壊すんだからと、きちんと修繕していく気が起きなくなるのではないでしょうか?壮大な社会実験をしているようなものです。
普通借地権はその点、建物が使えなくなるまでは借地権が存続しますから、むしろ建物の管理を良好に保っていくインセンティブが生じます。定借と普通借は分譲数十年後のマンション管理のあり様に影響を及ぼすと考えられますので、竣工後50年経ったときの景色はだいぶ違うものになると考えます。
もちろん、将来転居・転売するのであれば、売却は早めの方がいいのは間違いないですが、定期借地権よりも残存期間に対する価値の手残りはずっと多くなるはず…と思うのですが、まだ定期借地権は新しい制度ですので、残存年数を同年数に設定して比較したデータの存在をインターネット上で見つけられなかったため、「と予想します」にとどめておきます。
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