りんかい線・品川シーサイド駅にはいま大規模マンションが3つ同時に売り出し中です。
- プライムパークス品川シーサイド ザ・タワー(817戸)
- プライムパークス品川シーサイド ザ・レジデンス(335戸)
- グランドメゾン品川シーサイドの杜(687戸)
ということで、合計1839戸がこの狭いエリアに一気に供給されます。さながら「品川シーサイド戦争」という様相になっています。しかもモデルルームの場所は同じ品川シーサイドパークタワーの上下階でして、ここまでの大規模物件同士で隣接モデルルームは近年記憶に無いですね。
図:”品川シーサイド戦争2017-“(本エントリの画像や説明図面はクリックすると大きくなります)
グランドメゾンは積水ハウスのマンション冠ブランドであり、同社は戸建て事業の方がメインながら、永住志向のマンションを作ることでも有名です。今回、長谷工コーポレーション施工で狭小スパンというハンデがありながら、どう「高級・永住志向」を表現したか、その辺りもお伝えできればな、と思います。
画像出典:グランドメゾン品川シーサイドの杜公式Webページより
物件コンセプトは「やがて、家族になる杜。」ライバル物件との最大の違いは、緑化面積を広く取って背の高い樹木を15,000本も植えて、”杜”で囲んでしまおう、というものでした。モデルルームで上映されるコンセプトムービーでは、2匹の小鳥がピヨピヨといいながら、物件のコンセプトやグランドメゾンに住んだ後のイメージを紹介するというもので、「〇〇駅徒歩3分!資産価値!!利便性!通勤に便利!!」という色は完全に排除されていました。この辺り、私は湾岸物件の押し出しの強さに慣れていたものですから、多少肩透かし感ありましたね。
物件概要:
- 物件名:グランドメゾン品川シーサイドの杜
- 地上19階建て(南棟・東)、板状マンション
- 総戸数687戸
- 敷地13,000平米のうち、3,700平米を緑化。15,000本の樹木を植樹予定
- エレベーターは同フロア4戸で使用し、合計12基を配置
- りんかい線「品川シーサイド」駅徒歩3分/京急本線「青物横丁」駅から徒歩6分
立地・周辺環境
本物件は品川シーサイドフォレスト街区より海岸通りを渡った場所、元々はバンダイナムコ未来研究所があった場所でした。徒歩3分表示のりんかい線品川シーサイド駅だけでなく、商店街が集積する京急本線青物横丁駅からも徒歩6分表示と、買い物・通勤の日常使いでどちらも使える便利な場所です。
また、本物件の正面玄関前には「都立八潮高校前」バス停があり、ここから品川駅や目黒駅行き、大井町行きなどが頻繁に往来し、バスもかなり有効に使えます。
画像出典:グランドメゾン品川シーサイドの杜公式Webページより
本物件は、東・西・南の3棟コの字配置となっています。なぜか公式Webサイトにも物件カタログにも完成予想図がありませんでした。ですので、たまたま撮ったモデルルーム模型でご確認ください。完成予想図ってどの物件でも必須だと思ってましたが、不自然に隠されている感じがしますね、、、もしかして19階建て板状コの字形状が、”杜”という物件コンセプトイメージとかけ離れてしまうからでしょうか。ヒューマンスケールで考えるなら、植樹が育てば十分森感は出てくると思いますが。
上写真は物件北西側から見たイメージとなります。手前が西棟、向かい合って建てられているのが東棟、奥が南棟です。南と東棟が19階建てとなります。コの字配置の中に機械式駐車場が設置されています。そして外周部はぐるりと植樹されています。
物件東に面する海岸通りの交通量は、かなり多いですが、逆に考えれば品川シーサイドのビルからのクリアランスも取れているということにもなります。GoogleEarthではまだ以前の台形建物のままとなっておりますが、東向き部屋はすべてビルとのお見合いになりますが、海岸通りとお互いの公開空地により、約60m離れています。
南側はコカコーラ倉庫で低層となっていますが、将来建て替わることも予想されます。そのため、本物件南側低層階は日照が確保される割にはお買い得になっています。西側は分譲・賃貸マンションが立ち並んでいるので、景色は変わりません。だいたい20~22mくらい離れています。
建物・内装
以下の敷地配置図をご覧ください。見事なまでに同一の広さがずらっと並んでいることがわかると思います。この物件の特徴は、物件戸数の割には間取りのバリエーションはほとんどありません。3LDK中住戸であれば、68平米or71~72平米のいづれか、2LDKであれば62~63平米、3LDK角住戸が77.23平米と最上階などの例外を除き、どれも相似な間取りとなっています。
もうひとつは、エレベーターの数がこの戸数で12基用意されていることです。なぜかといえば、1フロア4住戸で1基という造りになっているからです。
画像出典:グランドメゾン品川シーサイドの杜公式Webページより
共用廊下が連続しているマンションはエレベーターが少なくて済みますが、共用廊下に面している部屋のプライバシー性が犠牲になります。このため、1フロア4住戸としました。4つの住戸の両端には2m幅のプライベートバルコニーが付きます。この形、コストがとても高くなるので、最近のマンションではあまり見られなくなりました、この形は久しぶりに見ましたね。共用廊下側にバルコニー配置を作るのは他にスキップフロア形式がありますが、こちらは1990年代でほぼなくなりました。
- 天井高2500mm(通常、一部2450mmも)、2650mm(1F)、キッチンからバルコニーまでフラット天井(!)
- 二重床二重天井
- タンクレストイレ装備
- 魔法瓶浴槽+ミストサウナ
- Low-Eガラス
- 天然御影石+ディスポーザー+浄水器一体型+食器洗い乾燥機付き
- メーターモジュール+ドアセットバック
- 廊下部分折上げ天井
- 1Fは3mバルコニー、2F以上は2mバルコニー
- 共用廊下側”プライベートバルコニー”も2m幅
- 長期優良住宅認定+耐震等級2
- リビングダイニングに面した洋室にはウォールドアを採用
- ゴミ回収サービス
長谷工施工で二重床二重天井に、廊下部折上げ天井を採用、さらにキッチンは吊り戸棚を採用せずにフラット感を強調しています。
画像出典:グランドメゾン品川シーサイドの杜公式Webページより
上のモデルルーム写真を見るとわかるのですが、各扉は天井まである仕様で、メーターモジュール(幅約1m)ということもありとても立派です。こういう細かい工夫はコストもかかりますが、徹底されていると高級に見えてきますね。
画像出典:グランドメゾン品川シーサイドの杜公式Webページより
キッチンは下がり天井になっているマンションも多い中、こちらはサッシ部分までフラットです。戸境壁(上写真で言うタイル調部分)上部に配管のための梁もありません。ザ・ガーデンズ東京王子でも述べましたけど、長谷工でもコストをかけると、とてもいいもの作りますね。
逆に弱点を述べますと、もう標準プランでスパン幅5,900mmという極端な狭小スパンにつきます。72平米でスパン幅が6mを割ってしまうと、縦横比率が1:2を超えてしまっていわゆる「うなぎの寝床」が強調されてしまうんですね。
この物件は収納まで天井の高さをうまく使っているので、体積的にはさほど狭さを感じることはないかもしれませんが、洋室(3)の2,120mm幅は、ウォールドアにしないと、相当使いにくいので可変間取り的にしたのだと私は邪推してしまいますね。洋室(2)の幅も同じように広くはありません。
主要ライバルのプライムパークス品川シーサイド ザ・タワーと比較しますと、間取りはスパンが狭いといっても梁がほとんど出ていませんし、バルコニー側アウトフレームですので体積的にはこちらが広く感じるでしょう。
実際に、販売員の方はかなり比較についての説明をされていました。「バルコニー境壁は天井まできっちりあってプライベート感確保できます、あちらだとできません」など節々に意識をしているところが感じられましたね。
価格表などの情報は次回。
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