東京都内でマンションの平均専有部面積が大きい区・市は稲城市で、のらえもんは湾岸を検討する前から新築中古問わずいろいろな地域のマンションを見たのですが、見学で一番印象に残ったマンションは「シンフォニアみはらしの家」でした。
なんといっても、専有面積が広かった。120、150平米台が当たり前というマンションで私が見たのは163平米の部屋で、当時私の趣味がホームシアターだったこともあり、ホームシアター専用の部屋を夢見ていました。
結局、自身のホームシアター熱が冷めてしまったこともあり、みはらしの家を購入することもなかったのですが、もしこちらを買っていたら全く違った人生を歩んでいたでしょうね。
この家の典型的な間取りはセンターインでした。
画像出典:HOMES物件紹介ページより
部屋の真ん中に玄関があり、正面の廊下から二手に分かれます。リビング+和室のパブリックゾーンとベッドルームのプライベートゾーンを専有部で分けるためにはこれが一番の形です。「間取りはセンターインがオススメ」と書くマンション初心者向けの本もあるのですが、考えてみると、この間取りを実現するためにはかなりのコストがかかるのです。
センターイン住戸を設定するためのあれこれ:
↓クリックするとおきくなります
シンフォニアみはらしの家は上図のうち1番のEVを2戸で専有する形を取っていました。
たしかにこの構造ならセンターインを簡単に設定することができますが、各階においてEVを使用する住戸が2戸ということは、階数x2戸の住戸でEVを維持していく必要があります。
では端のセンターイン住戸はどうでしょう?
これなら手軽にできますが、端の住戸が大きすぎますね。110平米くらいの計算になって、70平米住戸より1.5倍の価格設定にしなければなりません。また共用廊下の延長線上に大梁がくるため、廊下天上が低くなってしまいます。
無理なくセンターイン住戸を設定するには3番が一番簡単です。玄関前のアルコーブ、これを長めに設定してクランクさせれば、簡単にできます。実はこのかたち、90年代のマンションにはよく見られたのですが最近はすっかり見なくなりました。やはり上図のように共用廊下に簡素なアルコーブくらいの方が安く作ることができるからです。また、アルコーブを長めにとるということは、スパン幅が必要になり、最低でも80後半平米~くらいの面積が必要になるからです。
センターイン住戸は経済合理性が極端に要求される、都心近くの23区新築マンションでは希少な存在といえます。
この記事へのコメントはありません。