マンションは階高が相当高くない限り、構造的な問題で天井は凹凸が出ることになります。柱と柱をつなぐ大梁や風呂やキッチンの換気口のダクト、いろいろな要因で天井をフラットにできず、「2600mmの天井高!」とパンフレットで宣伝していても実際にすべてフラットであることは稀です。
マンションを買うということは2次元平面ではなく、壁と床と天井で仕切られた空間を買うということです。この天井の凹凸がわずか10cmとかなら生活に何の影響もありませんが、マンションの部屋によっては下がり天井部分が50cm、60cmになる場合もあります。中古マンションであれば実物が見えますから、それを見て納得した上で買うかどうか決められますが、新築マンションの場合はそうもいきません。
そしてすべての部屋をモデルルームで再現するのは不可能です、営業は図面上での説明しかできず、消費者である私たちは図面をきちんと理解した上で納得しなければいけません。
事例に上げて誠に申し訳ないのですが、例えばプラウドタワー東雲は居室部分天井が2400mm〜2450mm・部屋のかなりの部分が下がり天井になっていて、その部分が1900mmや2050mmという部屋が一定数ありました。
*プラウドタワー東雲・とある間取り図面の一部。洋室(2)に1900mmの下がり天井がある。柱と柱をつなぐ梁部分が天井を低くしている。
プラウドタワー東雲のモデルルーム。上間取りではないが、洋室の下がり天井は忠実に再現されていた。
なぜこのことを書くかといえば、最近、某新築タワーマンションで以下の相談メールが私に相次いで寄せられたからです(さすがに名前を出せない)。
- 事前の希望調査の段階では、天井の下がり具合が入っていない単純な間取り図を渡された。
- モデルルームでは、「お客様がご希望の部屋はこのモデルルームとほぼ同じです」と営業から説明があってそれを信じていた。
- しかし、申し込み前に改めて渡された天井の寸法が書かれている間取りでは、部屋の半分ががっつり下がり天井になっているなど、とても同じ条件とは思えない部屋だった。
- 改めてモデルルームを確認するとほとんど天井は下がっていない。もちろん棟内にそういう間取りもあるのだが、自分が希望していた部屋は下がり天井がかなりある部屋だった。
- テンションが下がってしまった、キャンセルしたい。
いや・・・私もこの某新築タワーマンションのモデルルームもみましたし、登録申し込み直前に渡された図面も見たのですが、たしかにテンションが下がるというのはわかりますね・・・。一方で全く気付いていない人もいるわけで、モデルルームと同じ状態を期待して買ったものの実物を見たら、大梁が縦にどーんとある部屋もあったりしたらがっかりでしょう。いや最初からこの図面を見せないのは誠実じゃないでしょと思っちゃいました。もちろん、それでも買うひとは多いと思うんでしょうけど、ね。
ということで、新築マンションで実際の部屋を見られない場合は申し込みする前に天井の寸法が書かれた間取り図面をチェックして三次元的に想像しましょう、というエントリでした。
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