湾岸にタワーマンションが立ち並び、それなりに築年数が経ってきました。在庫もかなり確保されていますから、買主にとってはかなり選択肢が増えつつあり、私に寄せられる相談メールも新築より中古の方が多くなっています。
さて、その時に皆様が迷われるのは「買いたい物件は決まったのだが、いくら指値したらよいのか」という目安です。ご存知の通り、新築マンションと違い中古マンションは指値が可能です。もちろんその金額を飲むかは売主によりますし、あまりにもかけ離れた指値をするとヘソを曲げられてしまい、せっかく気に入った物件なのに「あなたには絶対に売らない!」と言われかねません。
また。指値は「この値段なら買う」というファイナルアンサーであり、通った後になかなか変更できるものではないのでみなさん慎重にならざるをえません。
この指値が通るかは正直売主次第なところがありますので、私もこの値段が通るとは言い切ることが出来ません・・・
んじゃ、目安は何かあるのか?と思ったところ「直近三年間の値引き幅をグラフ化してみるのが面白いんじゃないか?」と思った次第です。ちなみに、数値がぽーんと跳ねるときがありますが、これは単位が億になると指値も豪快になるからです。一般的な傾向として、5000万円台は端数切りの数十万円~多くても200万円くらいに収まるのですが、1億円を超えると500万円を超えることも珍しくありません。もちろん0円決着も一定数あります。
以下は、エリアの成約値引き幅を平均化したものをプロットしたものです。
江東区豊洲3丁目 直近3年間各月値引き平均額
グラフはクリックすると大きくなります
(値引き額とは、「成約前価格-成約価格」のことをいいます)
値引き額がゼロ円の割合:27%
豊洲3丁目が若干気がかりなのは値引き幅が近年若干上がる傾向にあることです。直近の平均250万円にグラフが引っ張られているかな?と思い特異値として削除したグラフも作りましたが、近似曲線の傾向は大きく変わりませんでした。
江東区東雲1丁目 直近3年間各月値引き平均額
値引き額がゼロ円の割合:28%
東雲1丁目は東雲キャナルコートの分譲タワー以外にもいくつかの板状マンションが含まれます。こちらも値引き幅は近年若干上がり傾向ですね。
江東区有明1丁目 直近3年間各月値引き平均額
値引き額がゼロ円の割合:21%
有明1丁目は6つのタワーマンションが含まれます。こちらの値引き幅はヨコヨコですが直近数ヶ月は100万円以内に納まっています。
中央区勝どき6丁目 直近3年間各月値引き平均額
値引き額がゼロ円の割合:43%
江東区だけではさびしいのでトウキョウタワーズの勝どき6丁目も作ってみました。まず値引き額ゼロが4割超えているので若干こちらのグラフに意味があるのか、となってしまってますがあくまで目安とお考えください。最高750万円の事例もありましたが億ションでした。
いつも興味深い記事ありがとうございます。
定量的な分析、さすがです。
私自身は昨年、初めて中古マンションを買った際は、それなりの値引きに成功しました。
要因としては、後からわかったことですが、売主側が別の新築マンションへの住み替えを予定していた方で、金利が高く期限のあるつなぎローンを使用していたため、強気の指値に応諾されたようです。売主側の事情というのも強気の指値が通るかどうかに影響するので、そのあたり探りを入れるのが良いかもしれません。