前回は、物件の成約事例からだいたいの相場観がおわかりいただけたかと思います。
賃貸の場合はどうでしょうか?賃貸の成約事例は65事例ありました。
中央値は坪単価12300円あたりにあります。
成約事例を横軸に坪単価を縦軸にとると以下のようになりました。
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14000円を超える事例は2つしかなく、タワーAの最上階とタワーBの最上階でした。
賃貸の成約は築年数とともに徐々に下がっていった印象です。震災後しばらくは11000円から12000円のゾーンになっています。
横軸を階数で取りますと以下のグラフとなります。
うーん、結構ばらつきがあって一概にこうとはいえないグラフですね。方角ではどうでしょうか?
方角では東が11000-11500円くらいにおさまり、西が上方にばらつきがあります。北と南の中央値はあまり差がありませんでした。
ということで、賃貸相場としては、
東:11000円+α(階数分)
北・南:12000円+α
西:12300円+α
くらいに見ておけばいいかと思います。坪270万円で購入したとすると表面マンションPER*は270/(1.2*12)=18.75となり、価格が高騰している印象の割には常識的な範囲の中に納まってます。
(*注:マンションPERとは、部屋価格 ÷ (目安月賃料 × 12)で算出できる、貸したら何年で回収できるかの目安となる数値です。当然低いほど収益性が良くなります。2012年首都圏新築マンションPER平均値は23.83でした。)
感想など
ららぽーと豊洲に隣接!大規模な共用施設でいっぱい!西側は開放感!豊洲駅の便利さを一番享受できる!・・・と、魅力を伝えやすいマンションではあります。最近も、坪300万円の成約があるのは驚きで、これはクロノレジデンスを超え、中央区佃の中古マンションとほぼ同じ相場です。
ここまで高騰している理由は、一にも二にもららぽーと豊洲との一体開発による魅力でしょう。
実は、ららぽーとと当マンションは地下でつながっているので雨にぬれずに行けます。さらに、カート置き場がマンション各階のエレベーターホール横に設置してあるので買い物をショッピングカートごと自分の階のエレベーターまで持って上がることが可能です。
これは便利ですね!素直にうらやましいです。ちなみにららぽーとの中には住民専用ラウンジもあります。
さて当然この値段ですと、周辺新築マンションと競合します。比較してどうか?という話になりますが、立地はこちらが有利ですが、ハードウェア面では震災後新築の方が有利です。震災後計画のマンションは免震が当たり前ですし、最近は敷地すべてに液状化対策が施されています。
また、このマンションの平均坪単価は227万円でした。当然ながら専有部の内装は、これより後に立った(つまりずっと高い値段で売られた)周辺タワーマンションより劣ります。天井高・サッシ高は特に高いとは言えませんし、値段の割に豪華さはありません。フツーのマンションと同じ印象です。その点で言えば、坪300万以上で売ろうとしていたクロノレジデンスの方がだいぶ上ですし、ここより安いSKYZも建物スペッ ク・内装・内廊下の雰囲気も良いと感じます。
(金利とかを考えるとまた悩ましいですけどね・・・2年後、3年後に金利がどうなっているか誰にも分からないですから)
もう一つ、本マンションの西側対岸の計画図が発表されました。
西側の開放感はさほどかわらないものの、ふさがれるランドマークも出てくると思います。西側中古をこれからお考えの方は、現地を見ながら想像してみましょう。
タワーB・2Fラウンジ。運河を眺めながら本を読むスペースです。目の前のコンクリ工場はマンションになります
まとめですが、豊洲というより湾岸タワーマンションの中で、立地・ソフト・共用施設で一つ頭抜けた存在と言わざるを得ません。マンションは立地!便利な生活を享受することこそマンションの価値と考える方には最高のマンションだと言えます。専有部に関してはいわゆるフツーのマンションですが、この値段で購入できる方ならリフォーム込も可能でしょう、豊洲で新築をお考えなら一度見学してみる価値のあるマンションだと考えます。
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