怒涛の後編突入!湾岸に住む人たちとは?そして湾岸がこれからもうひと伸びするために、足りないものとは?
前編はこちらから↓↓↓
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そんな顔で見つめられると恥ずかしいやん(*ノωノ)
成長している街と自分を重ね合わせる
のら「住み始めてから今まで、僕のマンションの窓からは東京で次々と建設されるクレーンが見えなかったことがなくて。ものすごい勢いで街が成長しているのがわかるんですよ。そういう街と住んでいる自分を重ね合わせたり」
田端「なんか、フロンティア感はありますよね。まだ手つかずの土地で新しいことを始める。六本木ヒルズやミッドタウンみたいな、再開発とは違うんですよ。もともとの地権者がいて、その人達の考え方も取り入れていかないってなると良くも悪くもせせこましいんだけど。こっちは真っ白な新しいキャンパスが用意されてて、そこでなにかやろうって感じがする。うーん、しかし子どもとかどんな風に思っているのかなって。ふるさとがここかぁって。豊洲公園とか子どもを佃煮にするくらいごった返しているわけで、そんな場所日本にほとんどない。特異点みたいな場所」
のら「どっちが幸せかわからないですけどね、でも何も変わらない場所で育つより、その時代に盛り上がっている場所に子どもの頃から住んでいるっていいことだと思うんですよ」
(この日のために用意したかのようなのらえもんフィギュア。クリックして拡大してもらえればわかるけど、下は晴海フラッグである。とても仕事が細かい)
田端「単純に楽しいと思いますよ。幸せかどうかはわからないけど。この日本で、3年後5年後、この街はどうなっているんだろう、無邪気に未来が明るいって思える場所はそう無いじゃないですか。住まいを選べるならわざわざ暗い場所を選ぶ必要はないでしょって」
のら「私も郊外の出ですからね。実家に帰って街を歩いても、子どもの頃からほとんど変化がなくてびっくりする。歩きながらこの先はどうなるんだろうって思ってる」
田端「さっき鎌倉の話しをしましたよね。七里ヶ浜って、でかい戸建てがいっぱいあるんですよ。そこは僕らの親世代よりちょっと上に人たちが30代、40代くらいの時に建てた戸建てばっかりで。そこに住んでいるのは80代のおばあちゃん一人だったりするんですよ。引っ越した直後に、荷解き作業してたら、民生委員のおばちゃんがやってきて「ああ、若い人がやってきた!」って。「向かいのあそことあそこは一人暮らしのおばあちゃんだから。洗濯物が2日取り込まれていなかったら、私に知らせてください」と言ってくるんですよ。それが7年前くらいの出来事」
(七里ヶ浜。富士山も見える風光明媚な場所。サーフィンもできる。素敵な場所ではあるけど、一方で高齢化が目立っている)
のら「もうどうなっちゃうんでしょうね」
田端「これはもう、”売り”しか出ないなと思って。昔、このあたりにも子どももいたはずだけど、みんな巣立って都心の方向に引っ越しちゃった。謎なのは、僕らの子どもの世代は、結局ここ(湾岸)に住み続けるのかどうか」
のら「それはこれからの課題だと思いますね。人口減少の中で住宅は余ってくる。住宅の新規供給は減る。ここまではわかっている未来で、その時に成人する湾岸で育った子どもたちはここに住みたいと思うのか。いまはファミリーが住んでいて気持ちいい、ファミリーに特化した街だと思うんですよ」
田端「だからこそ、WILD MAGICとか結婚式場とか、これから結婚する若いカップルを引きつける施設があるというのは本当にいいなと。昔で言う芝浦のGOLDとか、今で言えば新木場にagehaがあるように、豊洲にも大箱のクラブがあればいいと思ってる」
(WILD MAGICより。週末に通りかかるといつもリア充がBBQしている。そして360度タワーマンションが見える。「俺たち付き合っちゃう?このまま、あの大きいマンションに住んじゃわない?」そんなノリで買う人はいるだろうか、いてほしい)
のら「そういうの、ディファ有明が一部担ってましたね。無くなっちゃったけど」
田端「ああ、ディファ有明でコスプレイヤーのお見合いイベントとかあった!そういう、、、築地が海軍の発祥地だったのも関係あるかもしれませんが、今でもお台場がその役割になってる。何か新しいことを始めるには、新しい土地で始めるという、フロンティアですよね」
のら「新しいことをしたい人にとっては、もともとの住民がいないことは大きなメリットでもあるんですよね。その土地にまだ根付いた人がいないからいろいろ言われることがない。思い切ったことをするフィールドになる」
上京する人は湾岸タワマンを好むのか
のら「そういえば湾岸タワマン民って上京者が多いといわれてますが」
田端「そりゃ絶対そうでしょ。もともと東京にいる人からみれば、ちょっと上手いこといったあのイキりやがった田舎者が、って感覚はあるんでしょうね」
のら「笑、そう思われてるんでしょうね」
田端「ここは純粋に東京駅と羽田空港から近い。羽田も東京駅も車で15分〜20分で行ける。成田も近い。こういうこと言うと意識高そうって思われるのが嫌だけど、早朝着便で羽田や成田について一旦自宅に戻ってシャワーを浴びて、東京駅から新幹線で大阪に行って昼過ぎ14時くらいから講演するとか、余裕でできますよ。今の時代、空港が近いというのは非常に武器になりますよ。東京の西側の不動産も横田基地が返還されて、第三の首都圏空港になれば、また違うかもしれませんけど」
のら「湾岸は東京駅に近いのもいいですよね。自転車で行ける距離。東京駅周辺の再開発ビルがどんどん建っていって、新規オフィスの大供給地になっている。丸の内(常盤橋)の三菱だけでなく、日本橋の三井も八重洲の東京建物もこれからまだ建ててくる。2010年代のライフスタイルは住職近接になってこの点で東京湾岸は有利になった。渋谷界隈もいまスクランブルスクエアが建って盛り上がってますけど、この10年、15年で東京駅界隈で建った建物の延床面積を考えると、東京駅周辺は圧倒している」
(CBRE 東京駅周辺 – 東京オフィスビル竣工マップ 【2014年版】より。2019年以降もビルはどんどん建て代わりより大きく、背が伸びる。東京という大きな都市空間で見た時、この20年間で重心は東京駅方面に大きく傾いた。もちろん、渋谷も素敵だけどね)
田端「築地の後はどうなるんでしょうかね」
のら「まだわからないですよね。オリンピックの後じゃないですか。築地のあの土地にIRが入るかどうかで大きく変わると思うけど」
(「築地まちづくりの大きな視点」案より。築地の方向性は、にぎわい・集客といった視点から東京の経済、魅力を向上させる未来の方向へ。でも、決める段階になったら絶対すったもんだしそう)
田端「築地跡地が都知事選の争点になるのかな、副知事の宮坂さん(元ヤフー社長)に禅譲するのかな」
のら「なんにせよ、まともな人間が都知事になってほしいですね!そもそもいま東京はIRに手を挙げてないですからね」
田端「横浜もモメてますよね。なんであんなにみんなIR嫌うんだろうな?」
のら「うーん、日本全体がなんか、新しいことをやることにものすごい抵抗感が出てきちゃったんじゃないですか。高齢化社会、シルバー民主主義ですからね」
田端「そういえば、埋立地の帰属で江東区と大田区が揉めてましたよね」
のら「みんなフロンティアが欲しいんじゃないかなぁ。地図を見ると、大田区が取った区域は港湾施設用で、江東区エリアは森とか公園施設なんですよね。ぶっちゃけ公園がいくらあっても管理にお金出ていくだけで儲かることはないじゃないですか。一方、大田区の方はお金が入ってくる。実を取ったのか名誉を取ったのかみたいに見ていました」
マンションポエムは建国神話説
のら「そういえば田端さん、以前マンションポエムはそのマンションの建国神話だ!とおっしゃってましたね。僕、それにグッと来てて。みんなが意識を統一するとなると、ポエムに響いた人がやってくるということで、案外重要なんじゃないかな。パークシティのマンションポエムって覚えてますか?」
田端「なんかね、黒木瞳が出てた気がする。。。」
のら「たしかに黒木瞳がCM出てた。でも、僕もパークシティのポエム覚えてないや。最近、一番熱かったマンションポエムっていうと、パークタワー晴海の【くじらアイランドの伝説】。ファンタジーな外構とそれに合わせた内装して、樹もいっぱい植えて。こういうのが好きなんだなぁって人をいっぱい集めて、成り立ってる」
(上はなんの広告でしょうか?そう、晴海のタワーマンションの広告です。意味がわからないと思った人は正解。これはポエム。くじらなんかいない。でも、三井不動産はこれをガチでやりきった。ふっきれたものは最強である。この路線、嫌いじゃない。)
(パークタワー晴海の公開空地。かつてここまでファミリーのワクワクに寄り添ったマンションがあっただろうか)
田端「勝手な印象論なんですけど、未開の地、砂漠の真ん中に国を作るみたいな時こそ建国の神話としてのマンションポエムって必要で、もはやブランズタワー豊洲なんてマンションポエムぶっちゃけ要らないじゃないですか。駅何分!何平米!で売れてしまう世界。もともと豊洲はそういう地域じゃなかったから。なんもないところに、家を立てて、なぜ、ここにみんなで住むのか?という必然性を作り出さないといけないわけ。アメリカ合衆国みたいなもので、のらえもんさんが言われたように、ポエムに共感したかどうかが、その人が住む踏み絵だったけど、だんだん普通に住みたい街になればなるほど、ポエムを必要としなくなっているという。。。」
のら「なるほど。フロンティアに入植する人はなんらかに惹きつけられる必要性があって、それがマンションポエムだったと」
田端「スミさんがいつも言ってますけど、湾岸タワマンは現代の満州国だって。五族協和を目指すという」
のら「満州国だと最終的に撤退しなきゃ。どこに撤退するんだろう、港区?」
湾岸エリアに欲しいもの
のら「さて田端さん。最後の話題なんですが、これからの湾岸エリアに必要なものってどんなものだと考えます?ハード的なものでも、ソフト的なものでも。このブログってアクセスログを見ると、結構な割合で霞が関や東京都から読みに来ています。この対談で語っておけばもしかして、その人達に届くかもしれない」
(対談は、豊洲ぐるり公園を見渡せる某タワマンラウンジで行いました。この景色を見て10秒でどこと答えられないと、湾岸マンション検定1級失格です)
田端「へー、それはすごい。湾岸エリアの残念なことは、東京湾花火が無くなっちゃったこと。あんなのお金集めればできるんだから、いくらでもやりようがあったわけじゃないですか。東京五輪の選手村として晴海フラッグを建てるから観覧席が無くなってやめることになったんでしょ。東京マラソンって、石原元都知事が残した業績の中でも大きいと思ってて、やっぱり、街全体を巻き込む大きいイベントってみんなの気もちが一つになるというか、興味ない人でも、みんな無視せざるをえなくなる。半分冗談で半分本気なんですけど、幕張のレッドブル・エアレース、あれ本気でいいなと思ってて。ここでやってくれないかな。晴海トリトンとか晴海3兄弟のタワマンの間を飛行機が飛ぶとか。モナコGPのような世界が度肝を抜く用な都市型のとんでもないイベントが必要じゃないかな。」
のら「それとてもいいですね。エアレースできないかな。羽田が近すぎてできないのかな」
(レッドブル・エアレースより。NY、ブタペスト、ボルトなど、世界中のリバーサイドシティでエアレースは開催されている。なぜこれが東京湾岸でできなかったのだ、ぐぬぬ感はたしかにある)
田端「エアレースもそうですけど、幕張は市長の熊谷さんのリーダーシップがすごくて、斜めに花火を打ち上げるし、千葉ロッテマリーンズもある。サマーソニックもある。だから、都知事もこの辺に住む人がなるとまた違うんじゃないですかね」
(幕張ビーチフェスタの花火。誠に爽快。)
のら「ソフト面から見ると、政治力が湾岸にはまだないと。今の都知事も内陸の人ですからね、だから豊洲を遠慮なくdisった」
田端(でも某大物大臣がうちのタワマン住んでいるらしくSPよく見るんですよ)
田端「いままで無かったお祭り、とかイベント?東京湾の花火の日は、街がいい感じにソワソワしている。みんなで、なにかをシェアする、同じものをみんなが見るというものがほしい」
のら「それがオリンピックだと思いますが、その後になにか欲しいですよね、みんなが一つになるでかいイベント」
田端「でも、音楽フェスでもない気がするし、公道レースでもない気がする。エアレース、全世界でやめちゃうんです」
のら「あら、残念。思ったより儲からなかったか」
田端「湾岸の現状がファミリーに最適化し過ぎですよね。渋谷のハロウィンもそうですけど、ちょっと危うい感じ、はっちゃける感じがほしいな。いま、湾岸タワマン第1世代の子どもたちが中学生に入ったくらい?そろそろ退屈しますよ。中二病をこの街では満たせない。子どもが小さいうちはいいんだけど、ちょっと大きくなったらどこに出るのかな、渋谷行っちゃうのかな。銀座に行くとは思えない」
のら「思えないっすね、中学生で銀座はありえない。どこで発散するんでしょうね、興味ある」
田端「ユースカルチャーが圧倒的に足りない。だから、フットサルもいいんだけど、超でっかいスケボーパークを作るとかスケボーランプを作るとか、3on3・・・もっとユースカルチャーが欲しい。いかがわしさが足りない。月島もちょっと物足りない。」
(FISE WORLD SERIES HIROSHIMA Webページより。つまりはこういう用地が常設されて、イベントがバンバンできるようにしたらパワーを持て余した湾岸中の中学生達がこぞってやってくるってこと???ちょっといかがわしさ創出とは違うけど、こういう方向は大いにあると思う)
のら「そうですね。渋谷で一番盛り上がっているエリアは道玄坂ですけど、あそこはいかがわしいじゃないですか。外人が集まる場所には、どこでもいかがわしさがある。六本木、浅草も」
田端「でも、いかがわしさって一番人工で作れないものなんですよね。それこそ役所ができない。いかがわしさ創出プロジェクト、とかできない。IRがいいなと思うのは、やっぱり賭場だから」
のら「おー、なるほど。いかがわしさを湾岸で創出したい!」
田端「新木場agehaが成り立ってるなら豊洲のほうが立地いいから成り立つはずですよ。チームラボの隣にできないかなぁ大箱のクラブ」
(田端さん、本当にありがとうございました!)
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田端さん、突然のオファーにもかかわらず、即応じてくださり、ありがとうございました!
この後ビール飲みながら、「神楽坂と豊洲はどこまでも正反対の街」「センシュアスシティってなんだよ、”路上でチューしましたか?”が指標になるのか?(結局、なるという結論)」「豊洲は道が広くて隠れる場所がない。高校生はどこでチューするのか」など、ガハハと話しましたがレコーダー回していなかったのでここまで。
次はブログ10周年で何か大きい企画をやりたいですね。
湾岸にこれから必要なのは、いかがわしさ。みんなで”いかがわしい湾岸”をなんとかして創出しましょう!それが湾岸でいま育つ次世代のためになる。最後のくだり、10000%同意です。
短絡的なまとめでがっかり。
いかがわしさなんて要らない。
ほんとそれ!!
豊洲在住6年目の者です。いつもブログを参考にさせていただいてます。8周年おめでとうございます。
豊洲の現在の良さ、そして今後の発展に必要な要素、やはり皆さん考えることは大体同じだと感じました。
羽田成田東京駅のアクセス、住職商の絶妙なミックス…
ユースカルチャーも完全に同意で、今は物足りない。ベイサイドクロス の地下スペースにディアナみたいな箱を作って欲しいですね。(有明ガーデンシティがファビョって大人のリゾート路線を諦めたのが残念です)
あと、サイタブリアみたいなサンセットカフェ、バーももっと増やして欲しいですね。
自分も本来の予定ならそろそろ豊洲から移住を考える予定でしたが、豊洲が良すぎて離れられなくなりました。
今後もブログ、お世話になります。
面白かったです!!
湾岸ののらえもんからパークタワー晴海ののらえもんになりましたね!
引越しおめでとうございます!
はじめまして。2004年頃から豊洲、勝どき、晴海界隈のマンションを転々としているものです。対談、「うんうん、そうだよな」等と頷きながら読ませていただきました。
PT晴海、今までの湾岸マンションとは違うポテンシャルを良い意味でも悪い意味でも感じますね。良い点は、クロノ・ティアロ兄弟で整然と(特に冬は寒々しい)し過ぎていた晴海2丁目を賑やかに変えていっている点。例えばじゃぶじゃぶ池で響き渡る子供の歓声、聴いている側にとっても楽しいものです。悪い点は、「歩道に専用使用権が設定されている?」と思わせる、PT晴海のシールが貼られた路駐自転車の多さ。行政もたまに警告しているようですが、焼け石に水のようですね。これも“いかがわしさ“と言えるのかもしれません。PT晴海住まいの会社の同僚からちらっと聞いている駐輪場の使い勝手が理由かもしれませんが、正直、京浜急行沿線で区分所有している単身者向け1Rのほうがきちんと駐輪されています(笑)。
引き続き楽しみにしております。
いかがわしさ??なんだそれ…
そらこそ地方出身者の考えかも…
今まで楽しく読んでましたけど、この記事はがっかり…