モデルルームへの訪問が開始されると、予約ページが落ちるほどの人気物件になった「THE TOYOMI TOWER MARINE&SKY」。
現地の雰囲気を知っている私からすると正直、ここまで人気化するような物件ではない、というのが訪問前の印象でした。それは、モデルルーム訪問前に建設現場の周りを歩いても同じ印象。しかしモデルルームに行ってしまうと…なんか実にいいんですよね…欲しくなってしまう。
私はSKYZ Tower&Gardenやパークタワー晴海が大好きと常々公言していますが、逆にパークタワー勝どきや勝どきザ・タワーにあまり心を惹かれず(良いマンションというのはわかっています!わかってますので!!)、この辺の言語化が難しかったのですが、THE TOYOMI TOWER MARINE&SKYのモデルルーム訪問をしてようやく言語化することができそうです。中央区湾岸エリアのタワーマンションの中でラストピースに近い本物件のモデルルーム訪問記は、俯瞰と物件ミクロな視点を行ったり来たりする鵺のような連載となるかもしれませんが、よろしければお付き合いくださいませ。
見学した日には基礎工事中。これから上モノが建っていく状態でした。午前中に訪問しましたが、トラックが頻繁に行き交うので、生活感に乏しい雰囲気です。
なお、THE TOKYO TOWERS(特にMID)や勝どきザ・タワーは本物件が建つことにより眺望が塞がれる住戸が出てくることになります。下の赤い囲み部分がTHE TOYOMI TOWER MARINE&SKYの場所となります。
物件概要
- 物件名:THE TOYOMI TOWER MARINE&SKY
- 鉄筋コンクリート造一部鉄骨造 地上53階地下1階
- 総戸数:2046戸(一般販売対象戸数1509戸)、中に区民館や保育施設、店舗区画あり
- 都営地下鉄大江戸線「勝どき」駅まで徒歩10分
- ツインタワーマンションだが、地上部で繋がっているため、1棟扱い
立地・周辺環境
勝どき駅から清澄通りを西の方に歩いていくと、日本一規模のタワマンだった「THE TOKYO TOWERS」と1棟構成タワマンとしては日本で最大級の「勝どきザ・タワー」が眼前にそびえ立ちます。本物件はTHE TOKYO TOWERより更に進んで奥側、豊海水産埠頭ギリギリの場所に立地します
最寄りスーパーはTHE TOKYO TOWERSの下に入っているマルエツ、駅からの導線…といっても向こう側ですが、東武ストア(+2階は100円ショップ)があります。この2店舗で手に入らない場合はパークタワー勝どきのライフになりますが、ここは駅導線と若干離れているので普段遣いの候補にはならないかもしれません。なお、本物件の1Fにも店舗区画が設定されていて、みたところ、スーパーが入れるほどの大きさでした。この物件の3Fには共用部が集積されていますが、コンビニが入るとちらっと聞きました。
通学学区は豊海小学校。本物件は豊海小学校と連続した作りになっていて、道路に出ることなく小学校に通えます!これは親としては安心ですね。豊海小学校は運動公園と区画が地続きで、フットサル場やテニスコートがあります。校門すぐちかくに、子ども用の遊び場が公開空地にも作られていて、豊海小学校児童のたまり場になってしまうかも・・・
交通面でいうと、このあたりは電車よりもバスで移動される方も多いです。豊海水産埠頭のバス停が目の前で、都04系統の始発なので基本的に待てば座れるはず。そこは地味に便利なポイントです。また勝どきザ・タワー前までいけば、新橋行のBRTが頻繁に通っています。流しのタクシーもそれなりに通りますが、KTT前あたりまで行くとタクシーのたまり場があるのでそこまで移動するのもよいかもですね。
本物件最大の魅力は、東京湾側に突き出た形となり、遮るものが立たないということ!!!なぜなら下の図を見て分かる通り、赤い点線で囲われた部分は漁港区指定のため、タワマンがここよりさらに先の埠頭に建つことがないことは確定しています。そして北側は湾になっているため、ここは建物が立ちません。
それゆえ、専有部から抜ける眺望を楽しめる方角はとても多くなります。
「眺望が抜ける」ということは、他の場所からも見られるということ。このため、本物件の特徴的な外観は、東京の新たなランドマークの一つとして、「外から見られることを意識したタワマン」となっています。このデザインに惚れたという方も多いのではないでしょうか。ホシノアーキテクツと三井不動産のコンビは「パークコート渋谷ザ・タワー」「MID TOWER GRAND」「パークタワー勝どき」「パークコート神宮北参道 ザ・タワー」などを生み出していてどれも外観評価が高く、今回も「BALOON TOWERS」(=気球)をイメージしているとのことでした。
モデルルームで見られる模型を観察すると、細かいところまで徹底されていて、シャンパンゴールドの外壁は上に行くほど薄くなり、超大規模物件でありながらも軽やかな印象を感じさせます。また、2つの隣り合うタワーは若干ずらして配置された上に、八角形になっており、これはリビングからラウンド型のコーナーサッシを実現するとともに、角部屋率を高めるためとのことでした。金太郎飴とはならない、一つの建物が一つの作品となる、大規模タワマンならではですね。
残念ながら完全にお見合いとなる場所には1LDKが設定されています(上記図でいうW-40AneとE-32Asw)。棟の間は17〜18mと、私が過去聞いたツインタワマンの中で最も離隔が狭い形状となっています。逆にここを避ければ離隔が取れている部屋が多くなったともいえます。
建物・仕様
中央区のっぽタワマンあるあるですが、塔状比つまりの関係建物の横と高さが5以上になるため、免震装置を入れていません。実はモデルルームでもほぼこの説明はなく(免震タワマンなら必ずその説明があります笑)、あれ?と思いました。「この建物形状に最適な耐震装置が制震構造だった」ということになります。同じように免震でない中央区タワマンは、THE TOKYO TOWERS、勝どきザ・タワー、キャピタルゲートプレイスザ・タワー、パークタワー勝どきサウスなどがありますね。最近ではよくある「ZEH基準」ではありませんでした。
- リビング天井高4~37階は約2,550mm、38~50階は約2,600mmmm、二重床二重天井
- 2,200mmサッシ高
- バルコニー奥行き最奥部2,000mm、ラウンド形状
- 内廊下、専有部内開き扉
- 電子錠はオプション設定
- フィオレキッチンカウンター
- かなり大きめの専有防災倉庫
えっ、坪600万円のタワマンですよね…(それはグランドシティタワー月島でもいいました)といったところでした。外観は相当なこだわりがあった分、内装の仕様は必要十分なところにとどめておいて、あと必要なものはオプションで取り付けてください、という方針でそれはそれで一つの見識かもしれません。また、バルコニー隔て板はみなさん安心のトールタイプで天井から足元まできっちり収まっています。
議論を醸し出しそうな内開き扉についてですが、共用廊下の幅が取れずに泣く泣く内開き扉にしたとのこと。そのため、扉の内開き分、玄関を大きく取ることになり、専有部廊下を削ったと聞きました。顧客からこれについてのネガティブな意見はあまり聞いていないとのことでしたので、であれば、専有部廊下分を削って内開きにするのもありかもなと思いました…が、やはり間取りを見るとそれなりに影響がありそうです。
価格表
4月の販売停止前、2024年3月2日バージョンの予定価格表をシェアします。豊海タワーは東ウイング、西ウイングと2棟に分かれていて、それぞれ14方向(西)・15方向(東)となっていますので、バリエーションが膨大です。更に低層フロアは販売対象外住戸も大幅に混じっていて、全体を把握するのはかなり困難な作業です。
第1期1次は周辺の眺望の影響が少ない25Fまでを売り出すとのことでした。
このマンションの価格表には番号が降っています。これは各方向を表したもので、こちらの振り分けとなります。検討の際には下の図と価格表、間取りと眺望予想をにらめっこしながら品定めをすることになります。
なお、私が一番良いなと思ったのは西ウイングの①列、93Bnwとなります。1.8億〜1.9億が並ぶ、勝どき駅徒歩10分タワマンと我に返るとぐぬぬ…となるのですが、実際の眺望シミュレーションはこちらです。
最近は利便性だけでなく、眺望に大きな価値がつく時代となってきました。この部屋は坪単価640〜660万円ですが、
・湾が目の前まで来ているので永久眺望確定
・正面は浜離宮
・高層階になると東京タワーが足元まで見える
・築地再開発も部屋から見える
・ラウンド型のダイレクトウィンドウを持ち、眺望に全振りできている
といいことづくめの部屋に思えました。もちろん、レインボーブリッジ方向も捨てがたいのですが、本物件はこちら側が一番気持ち良いのでは…と。なによりレインボーブリッジ側はスカイラウンジで共用空間が設けられているため、見ようと思えばいつでも見えるんですよね。
さて、次回はこの物件の共用施設、そして総評となります。
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