マンションブロガーが答える

タワーマンションの40年後。マンションブロガーのらえもんが答える新築の将来とは?

読者様より質問箱からこんなお便りをいただきました。

こんにちは。最近住宅購入を考え始めた者です。知識が浅くてすみません。
老朽マンションの廃墟化・建て替え困難問題が言われておりますが、最近のマンションはどうなんでしょうか?
現在築40年とかの建築当時は、まだ問題が大きく報道されていなかったのでともかく、ここ最近新築で建てられているマンションも40年後…それ以降、大丈夫な計画なのでしょうか??
立体駐車場、高速エレベーターなど、以前より維持にお金のかかるものも多いと聞きます。
今後も活動楽しみにしております。お体に気をつけて頑張ってください。

あー、これを見ませんでしたか?いまワイドショーで騒がれている、滋賀県野洲市の「美和コーポ」。あれ本当にひどいですね。たぶん建ってからノーメンテで朽ち果ててるんじゃないでしょうか。一部マスコミでは「マンション」と表現していますけど、今のようなRC造ではなくて鉄骨アパートに毛が生えたくらいのもんじゃないですかね。

廃墟マンション崩壊の危険 所有者と連絡取れず解体に苦慮
2/17(日) 17:32配信
野洲川橋の西約100メートルにある「美和コーポ」。築47年の鉄骨3階建て9部屋のマンションで、近くの住民によると約10年前から住む人はいないという。
昨年6月の大阪府北部地震で県道に面した南側の壁は全て崩れ落ち、鉄骨や部屋の中がむき出しの状態になった。3階廊下の柵や2階天井が崩落し、階段も腐食が進んだ様子が分かる。がれきが積み重なる場所から約3メートルの所には歩道があり、県道は乗用車やトラックが頻繁に通る。

アスベストむき出しの状態で10年放置って怖すぎますね。アスベストがあると取り壊しだって気を使うのに。しかし、都内にはきれいな築47年物件なんて結構ありますし、10年後の2029年には築47年以上もののビンテージになるような物件はわんさかとあります。
そもそもいま、新築マンションとして売り出されている物件だって、40年後には築40年の築古物件になるわけです。それ以降は大丈夫なんでしょうか?

築40年後も大丈夫な建物の状態にするかは、所有者達が決めること

同じことは戸建てにだって言えます。メンテしてない築40年の戸建てだって同じく住めたもんじゃないかもしれません。

マンションは長期修繕計画が竣工当初からありますし、一応赤字にはならないように何年に一回かで修繕積立金の値上げがあることになってます。最初の計画だと、値上げだけじゃ足りなくてX年後に各戸から一時金を徴収する計画になっているところもある。
この計画に沿っていくか、それともお金をケチってまだまだ使えると放置するかは、所有者達の集合体である管理組合に任されることになります。でも、まともな管理組合だったら、5年に一回見直すタイミングで修繕積立金の値上げが議論されると思うんですよ。

竣工当初からノーメンテで、美和コーポ状態になっている分譲マンションってのは珍しいと思うんですが、修繕が必要になるまでどれくらいの時間が必要化かどうかはマンション自体の竣工精度に起因するところもあるので、管理組合の理事会の出来含めて、新築青田買いはまさに運要素もある、といえそうです。

ただ、マンションは中の住民達のお財布事情以上のメンテナンスなんてできません。

分譲マンションがお金をきちんと納めてくれる住民を取り合う時代に

人口減少・少生多死がこれから社会で進む中、いま建っている分譲マンションすべてが全室入居という状態は、当然なくなっていきます。人口減少に悩むエリアの分譲マンションは、虫食い状態に人がいなくなり、持ち主不明になったり住まない相続人が管理費支払いを拒否したりすることにより、管理不全に陥る事例がこれから急増していくことは目に見えています。築30年の郊外駅遠マンションは、人がどんどん流出して管理不全になる一方で、築60年の都心マンションは高い資産価値を保ったまま、メンテも継続的にされる。このディストピアは確実にやってくる未来です。

ですから、人口減少が進むエリアでは今後管理費と修繕積立金を毎月支払いしてくれる、”優良な住民”を多くの分譲マンション同士で取り合う時代に突入していきます。逆に、人口増加エリアに立つ分譲マンションは引き続き住民を確保できるのです。人口減少社会では、人はより強く集まろうとしますから、都心に関してはまぁ大丈夫でしょう(新耐震基準を満たさない物件はともかく)。

買った後の40年後を心配されるのであれば、人口増加エリアにマンションを買われるのが今考えうる限り最適解、といえそうです。

追記:20190225
東洋経済の2019年3/2号号第二特集「管理会社が撤退通告! 漂流し始めるマンション」を読みました。既にマンション管理人の現場もご多分に漏れず高齢化が進んでいて、更に人件費も高騰中、高齢化の対応策として65歳定年が70歳に延長、更に80歳まで定年延長するとか。ヤバい。人口減少エリアにおいては、住民だけでなくマンション管理人の世界も取り合いになってきますね。住民が住んでいても、管理や清掃する人がいない・・・となっても困ります。管理人さんは、時給的にはコンビニバイトや清掃と被りますが、ここも近年時給があがっています。質の高い管理を維持するにはお金が必要な時代です。

 

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