のらえもんブログ読者の方からこんな質問をいただきました。
高層階と低層階どちらを選ぶべき?
−−−
某タワーマンションを狙っています。そこで高層階を狙うか、あえて低層階を選ぶか迷っています。
(中略)
背中を押してください!
−−−
結局どっちの背中を押してほしいのかな…、タワマンに住みたいのは決まっている。そこで高層階と低層階どちらを選ぶべきか、永遠のテーマですね。もちろん高層階は眺望代が乗ってますから、同じマンションを選ぶとしても低層階を選べば、「少し安い価格で住める」「同じ価格でもう一部屋ついてくる」などがあり、悩まれる方も多いです。
タワーマンションを上から1/3を高層階、下から1/3を低層階というカテゴリーで別ければ、私は幸いにもどっちも住んだことがあります。経験から両者のメリット・デメリットを語ってみましょう。
住んだ上で語る高層階のメリットとデメリット
高層階のメリット
- なんといっても眺望がひらけている、街の変化に気づき、詳しくなる
- 近いところに似たような規模のタワマンが立っていると眺望が阻害されるが、完全にかぶらない限り、気持ちの良い眺めは維持できる
- とにかく明るい。北向きであっても
- 虫はほぼ来ない。隣戸含めてプランターに虫が湧くとコバエなどが容赦なく部屋にも入ってくるがそれはどこも一緒…
- 良い眺望は最高のインテリア。絵を飾る必要すらない
高層階のデメリット
- 気持ちの問題かもしれないが、地上まで遠く感じる
- しとしと雨だと降っているかは部屋からわからない。家を出る前にベランダに出て傘をさしている人を確認する
- 地震の時は、高層階ほどユーラユラと揺れる。これは免震でも変わらない。
住んだ上で語る低層階のメリットとデメリット
低層階のメリット
- タワーマンションは階高、天井高や内廊下など、仕様面で板状より優れていることが多い
- 明るさは高層階に劣るが、ハイサッシであれば明るさが不足することはほぼ無い
- 広々としたエントランス、大きな公開空地、多彩な共用施設など、に住んでいるメリットは、高層階でも低層階でも変わらない
- 板状マンションは階数価格差が大きいため、平均坪単価が違っていても板状最上階に近い部屋とタワマンの低層階の同じ階を比較すると、実はさほど坪単価が変わらなかったり、一部逆転となってお得感すらある
低層階のデメリット
- 虫は結構飛んでくる。これは同じ階数の板状でも変わらないと思う
- 雨が降っているかは、結局地上にかなり近い階でないとわからない(ベランダ奥行きや眺望の関係?目線の高さが開けていると雨粒がわかりにくい)
- 管理費負担は他の住戸と変わらないので相対的に維持費が高い
- 同じ方角の高層階ラウンジに行くと、「もう少し気合を入れてこの眺望買っておけばよかったなクソっ」って思う
のらえもんの考える高層階か低層階を選ぶ際の最適解(新築、中古別)
資産価値の維持の点でどちらの方がメリット高いか?とよく聞かれますが、新築時での検討なら高層階になるほどハイリスクだと思います。のらえもん著書でも書きましたが、2015年時点で湾岸エリアの成約事例を調べると、階数差は1階あたり0.8万円(坪あたり)でした。10階と30階で70平米(約21坪)の価格差は中古になると(30-10)*0.8*21=336万円となります。10Fが5,600万円で成約したなら、同方向同間取りの30Fは5,936万円くらいの値段がつくだろう、ということですね。
この差が2021年の今はどうなっているか、ですが…眺望への感度より総額への感度が高くなっているきがします。特に物件価格の上昇局面において、出せる金額は決まっているので高層階の総額だと届かずに、低層階だとギリギリ届く。だから売れる、そんな空気を感じてます。3年前、2018年くらいの感覚だと眺望への回帰がある程度ありましたが、今はそこまで感じません。とにかく、安い方が需要高くて売れます。
さて、新築タワーマンション供給時の価格表を見ながら上記のロジックを当てはめると、新築では階数差が10万円であれば自分が出せる限り上を買ったほうがよく、20万円差でほぼイーブン、それ以上になると新築時の価格差を中古売買時には埋められない、というアドバイスをよくしています。
板状マンションの場合は階数差が100万円を超える事例もかなりありと、総じてタワマンよりも階数価格差は大きいのですが、3階と5階でまったく条件が変わることもありますから、板状の価格差については分析できていません。
中古の場合だと、既にマーケットの中で購入しているので、高層低層での有利不利は無いと考えます。
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