不動産投資を勉強するにあたり、私のような初心者ですら「その理論ガバガバじゃねぇか」と批判させていただきた内藤忍先生著書と違い、こちらは本物でした。名前に見覚えがあったのですが、以前、星5つ級で紹介させていただいた「不動産投資 1年目の教科書」の著者様でした。
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著書の玉川さんは、様々なデータとご経験により「賃料から支出を差し引いた粗利と、金利支払いのスプレッドが諸外国に比べて広いので、これを取りにいくのが日本の不動産投資」「減価償却費が多いことは必ずしも良いことではなく、売却時益の税金が高くなる」「税金を考えないと不動産投資とはいえず、個人の税率と法人の税率をきちんと計算して最適化すべし」と喝破されています。データより、本業でそこそこの収入がある場合、法人を作った方が良さそうということもわかります。
何よりこの本を買うとついてくる、「玉川式不動産収益試算Excelシート」は白眉です。このシート自体が著者のノウハウの塊で、正直これをこの本の値段で売っちゃうの?安すぎる!と思ってしまいました。各種費用や税金まで自動計算ですからね。
ということでさっそく、先日の不動産セミナーで紹介された「築10年の豊島区中古ワンルームマンション2390万円」をこのシートに入れてみましょう!
渡されたシートはこれしか情報が無いのですが、固定資産税や都市計画税は適当な数字をつっこんでみました。内藤先生が言っていたワンルーム入居率97%を信じて、「平均入居年数3年、募集にかかる平均期間は1.1ヶ月」とします。本業の年収は700万円としましたが、このシートは「赤字で節税というのはハナから考えていない」という仕組みですので、所得税・住民税の戻し分は計算できません。その辺は割り引いて考える必要があります。
玉川式Excelシートに入力すると答えが出てきますね。(クリックすると大きくなります)
表面利回り4.35%の物件をフルローンで買ってしまうと100%赤字がどこまでも続く、ということです。もちろん、賃料収入をローンに充てる過程において、元金分づつ資産は溜まっていきます。この溜まった資産効果は”いくら”で”いつ”売却できればイーブンとなるのでしょうか?
(売却価格-ローン残債-売却に関わる経費-今までの赤字分)
正解は、買値の2400万円で売れる前提でやっとトントンになるのは7年後、でした。相場の1800万円くらいを売値と考えるとさらに残酷な結果が・・・こんなマンションを3つも4つも買ったら、いつの間にか破たんしますね。しかし、このシートは数字変えるだけでいろいろシミュレートできる優れものです。
ありえない過程ですけど、上記物件を、1000万円指値で10%頭金とするとそこそこ美味しい状態になるってのが良くわかります。結局、金利より買値がすべてという気がします。
このシートは制作者の表示を消さなければ商利用も無償で可能と太っ腹です。先日の不動産投資シリーズにご興味を持たれた方はぜひ手に取ってみてください!
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