「小規模マンションと大規模マンションのメリット・デメリット」でブログを書いて欲しいとのリクエストをいただきました。
このネタ、ブログで取り上げたつもりだったんですが、調べると弊著「本当に役立つマンション購入術」では書いてましたが、ブログでは触れていませんでした。改めて「購入検討初心者シリーズ」として掲載します。
新築マンション購入では大規模と小規模、どちらが良いのか
結論から言えば、大規模の方が資産価値が落ちにくい傾向にあります。のらえ本では戸数が増えるほどリセールバリューは良くなる傾向にあると書きましたが、どうも最近は違うようです。以下は2015年の記事です。
300戸を超える「メガマンション」は、特にリセールバリューが高い。これは共用施設が充実しているため。50戸単位に見ると、50戸、100戸、150戸、200戸と戸数が増えるにつれて、リセールバリューが落ち込む傾向にある。そして200戸を超えると、今度は逆に250戸、300戸、500戸と戸数が増えるにつれて、リセールバリューも高くなっていく。200戸前後が谷になっているのは、最近ではメガマンションが増えて、200戸程度の物件だと中途半端に感じられるためとされる。
細野透:「マンションを買ってはいけない時期」の研究(後編)
200戸の谷は存じませんでした。ただ、200戸前後の板状マンションが管理面の最適数であることも確かです。この規模ですと植栽はあるものの共用施設をあまりありません、そしてエレベーターの数も2~3基程度で済むので管理費が安くあがります。
一方で、300、500戸と戸数が増えるほどリセールバリューが高くなる傾向が残るのも確かです。この理由としては「同じ管理費ならより多くのサービスが受けられる」「共用施設が充実する」「エントランスや植栽などが小規模マンションに比べて良く見える」などが一般的に挙げられます。
私は上記要因以外に加え、次の4つの要因が大きいのではないかと考えます。
1:300、500戸といった超大規模マンションとなると、その地域で発生する中古マンション成約の10倍の規模が一気に売り出されて、一時的な供給過多となりやすい。新築マンションは1年長くても2年くらいのスパンで売り切らなければなければならないので売主側は強気の値付けをしにくくなる。
2:大規模マンションになるほど、地元の住み替え需要ではまかないきれず、チラシを広範囲に配布する必要がある。そのためには目を引く最低価格の住戸を設定する必要がある。具体的には「2LDK・3980万円~、3LDK・4480万円~」といった表記である。この最低価格住戸とその周辺の住戸は全体から見て割安にせざるを得ないし、チラシを手に取った方に「あらお安い」と錯覚・来場してもらうためには周辺相場から見ても相当安くなければ来ない。
3:南側に比べると東西や北側住戸の価格を抑えないと売れないが、中古になった時にこの価格差は半分程度になる。小規模物件は、同じ向きの部屋を多く配置するが、大規模マンションは棟内比較において日照や眺望が不利な住戸がある程度発生せざるを得ないため、価格に意図的な凹凸が付けられる。
4:400戸以上だともはや村レベル。そこに住む人口が地域に更なる需要を生むことになる。物件の規模自体がその後の中古需要も生み出すため、リセールバリューが低下しづらい。
ということで、その後の資産価値だけを考えるなら、「バス便を避けつつ、大規模マンションを狙う。さらにその中でも何らかの理由で割安に抑えられている部屋を買う」というのが合理的な買い方となります。新築はそのマンション内価格表の中での比較となりますが、中古市場となると地域や周辺エリアすべてが比較対象となるからです。
ただ、資産価値というのは一つの尺度にしか過ぎず、住まいの選考というのは様々な要素の集合体です。あまり資産価値のみを追い求めても買った後の満足度が低かったら何の意味もありません。ご家族とよく話し合った上で、ご自身に合いそうなマンションをお探しください。
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