ケーススタディ集

【ケーススタディー集】中古物件を購入した直後に修繕積立金が値上がりしそうです

のらえもん宛に実際に来た相談・質問に対して、個人的な返信後、あらためてブログ上でお答えする、ケーススタディー集です。今回も、質問者の許可を得た上で再構成して掲載いたします。

中古物件を購入した直後に修繕積立金が値上がりしそうです。仲介業者からは上がる予定は無いと言っていたのに・・・

(写真は相談と関係ありません)

Q:
ブログいつも楽しませてもらっております。
こちらのブログの影響などもあり3月に湾岸タワーマンションを中古で購入しました。もう一つ気に入ったマンションがあって最後まで悩みましたが、ランニングコスト(管理費・修繕費等)で最終判断しました。

ところがどっこい、今月4月の総会で10月分から修繕費が約2倍になる提案がされるとのこと。頭が痛いです。

修繕積立金徴収が階段状となる初期の資料は仲介業者には見せてもらいました。
またそれと合わせて業者から「この資料の通りにはならないが”将来的”に修繕費はあがる。但し来年あがるのか?今年あがるのか?はたまた3年後なのか?それは誰にもわからないけどしばらくあがらない可能性も十分ある」といわれていたので上がらないと思い込んでいました。

まぁいつかはあがる修繕費ではあるのですが、このタイミングでの値上げはのらえもんさん的にはどのように思うでしょうか?

のらえもんさんのお考えを教えて頂けるとすごく勉強になります。
お忙しいと思いますが、宜しくお願いします。

A:

まずはご契約おめでとうございます!ステキな湾岸ライフをお過ごしください。さて、ご質問の件です。

新築マンション契約者と違い、最初のマンション購入を中古にするとわかりにくいのが「一定築年数経過後の修繕積立金の値上げ」だと考えます。

出典:マンションの修繕積立金に関するガイドライン(国土交通省)

現在販売されている多くの新築マンションは一部の例外を除いて修繕積立基金+段階増額方式を採用しています。今回ご購入されてたマンションもこちらのタイプです。たいていの場合、5年おきに値上げしていき、最終的には初期の修繕積立金の月額よりも相当高くなります。

なぜこれを均等にしないかといえば、「均等にすると月々のランニングコストが高くなり新築マンションが売りにくくなるから」でして、販売政策の歪みを後々の区分所有者が負担する、ツケ回し的制度です。

そして、新築販売時の計画をそのまま採用するのか、均等式に変更するのか、それとも修繕積立金の値上げを放置するのか・・・これはすべて管理組合が総会で決定していくことになります。

こちらの将来見込みについて、新築マンションの場合は契約の際にたいてい重要事項説明で丁寧に説明されるのですが、中古マンションの場合は、資料は見せられるもののきちんとした説明がされない場合も多いです。なんといっても「その後は管理組合が決める」のですから。来年上がるかどうかは管理組合の理事会の議論がどうなっているかモニタリングしなければなりませんが、仲介店側がそれを知る術は限られています。

具体的には、仲介業者がマンション管理会社に対して「重要事項調査報告書」の作成を依頼します。

この報告書の中に「修繕費の値上げ予定あり」と書いてあった上で「修繕費の値上げの予定は無い」と虚偽の説明していたなら、クレームを入れることができます。ただ、その旨記載が無ければクレームのしようがありません。仲介業者が見た重調の内容を確認する方法は・・・自分で管理会社から取得するしかなさそうです。もちろん有料です。

さて、ご質問にあった仲介業者の「修繕費の値上げ、それは誰にもわからないけどしばらくあがらない可能性も十分ある」というのは、間違いではないもののあまり誠実ではないですね。といいますのも、段階値上げを採用しているマンションで、修繕積立金は値上げしないのは積み立て不足という大きな問題を後々引き起こすからです。普通のマンションなら値上げしていきます。

ということで、お答えとしては「通常の範囲で値上げするし、これからも上がっていくだろう。その覚悟が無いならタワーマンションに住み続ける資格が無い」ということになります。

この後も相談者とメールでやりとりしたのですが、どうも担当仲介マンが相当イケてなかったらしく、いろいろトラブル続出だったそうです。最大手でCMまで打っている業者ですけど、結局は中の仲介マン次第なんですよねこればっかりは。

んじゃ、信頼できる仲介マンってどうやって探すの?といわれると、現状「不動産業者の食べログ」みたいなもんはないので、”詳しい人”に聞くしかない(苦笑)ということになりそうです。

 

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