HOMES PRESSの東京カンテイ中山さんのエントリ「マンションを選び、エリアを選ぶ。その根拠を掘り下げるということ」を読み返して、いくつか感じることがありました。この感覚、本当によくわかります。
住まい選びは親兄弟のしがらみの延長線上で決める人も、たまたま住んでいた町に住みつく人も、湾岸のような新興都市を選んで移住する人も、どれも間違っているとは思いません。それぞれの人生があり、事情があり、個人の責任の範疇において正解・不正解は無いからです。
もちろん、経済的合理性のみでで考えれば別です。拙ブログは湾岸タワーマンションをメインテーマとして、経済的合理性を意識した物件・部屋選びを論じています。が、それ一本で選んでも満足のいく住宅・幸せな生活が待っていいるとは思えません。
そもそも湾岸地区は、まず街の雰囲気を見て合う合わないががはっきり分かれます。ニュースやsuumoや当ブログを見て、湾岸タワーマンションへの移住を検討されているなら、モデルルームを訪問する前に湾岸タワーマンションが林立する豊洲や東雲の街を歩いてみることをおススメします。実際に歩いてみて「無機質だなぁ、嫌だなぁ」と思う方はまったく向いていませんので他の地区をどうぞ。この地区が検討範囲ならかなり選択肢は多いはずです。
湾岸マンションを選ぶ人は、休日の住まいはある意味拠点であって、マンションの周りだけでなくアクティブに活動する人に向いていると言えるでしょうか。リーズナブルな価格で都心に近い立地は、通勤時間の絶対的な短さや休日気軽に東京都心へ出ることが可能なことに利点があります。
ですが、こんなものは決め手になりません。結局のところ、住むことを決める・購入を決めるのはパッション(熱情)であって、よくある購入者インタビューで出てくる経済的合理性とか歴史とか街並みとかは自分自身を納得するための後付けの理由にすぎないと考えています。結婚した後で、相手があれこれ条件に当てはまったからゴールしたと言う人があまりいないのと一緒です。もっとも大切なことは、自分が選択した結果を更により良いものにしていく努力ではないでしょうか。
街は人が作ります。最終的には、湾岸地域に新しく移住してくる人たちがどれだけ愛を持って住みつくか、ということに将来価値が集約されます。湾岸タワーマンションで生まれ、育っていく子供たちにとっては間違いなく、ふるさとなのですから。ふるさとになれない、子供たちが巣立ったまま帰ってこない土地の将来は、多摩ニュータウンの末路と一緒です。
P.S.
ちなみに、いずれ訪れる首都圏の震災について、湾岸タワーに住まわれるなら命までは心配しなくても良いかと思います。
震災の被害は、津波・倒壊・火災・液状化がありますが、このうち液状化については資産価値的な影響があるものの命の危険はありません。電気ガス水道はいずれ復旧します。もっとも恐ろしい津波については、東京湾の津波は最大2.5m程度で被害はないと”震災後の想定”で発表されてます。詳しくはこちらやこちらを参照の事。厳しい基準で作られているタワーマンションについて倒壊は心配する必要はなく、火災については、木造密集地帯がヤバいのであって、隣の棟からの延焼の心配はしなくてよいでしょう。
(湾岸タワーを津波が襲うなんてのは素人意見なので無視してよろしいかと)
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