のらえもんは自分の守備範囲を湾岸タワーマンションと書いてますが、正確には江東区と中央区の湾岸地域であり、品川あたりの”湾岸タワーマンション”は微妙に守備範囲外だったりします。そんなのらえもんでも、このマンションは知っていますし、当時の熱狂も知っています。住友不動産が分譲した品川駅徒歩10分のタワーマンション、「シティータワー品川」です
東京都が72年の定期借地権を設定して売り出した物件ですが、あまりにも安すぎる分譲価格から5年間の「転売禁止・賃貸禁止・自己居住専用」という条件が付けられたマンションです。当時坪120万円ほどで売り出されており、80平米3000万円しかしませんでした。
当然買いたい人が殺到。どの部屋も数十倍の倍率が付いたほどの人気でした。
さて、なぜこのマンションを取り上げたかと言えば、ついに5年間の禁止期間が解除される時が来たからです。
当然ドバっと売りに出る・・・かと思えば、そうでもないようです。
すぐ近くのワールドシティータワーズが、かなりの中古在庫があるのに比べれば静かなスタートとなっています。
現在売り物件が確認されているのは2件だけ。ともに90平米弱で坪238~250万円で出されています。
おかしいな?こんなもんか、と思ったら、賃貸の方に大量に出ていました。
確認できるだけで26件、賃料坪単価ですと、1.1~1.4万円の値段です。ワールドシティータワーズ(品川徒歩13分)の平均賃料が坪1.2~1.3万円なので駅徒歩分数のことを考えれば、ほぼ二アリーイコールの賃料で決まるでしょう。坪130万円を10年で回収可能ですから、焦って売ることはせずまずは貸してから売却戦略を立てればよいと皆さん考えているのでしょうか。
現在のマーケット上でこのようなマンションは見つかりませんし、たぶん二度と出てこないでしょう。
なんともうらやましい話です。
P.S.
こうした特異点ともいえるマンションを例に挙げて「このマンションは○○万円だったから、もう上がりきった今のマーケットは異常だよ、買えないね」という方を時折ネット上で見かけますが、そうした人はいつまでたってもマンションを買えません。青い鳥は何匹もいませんし、瞬時に決断できなければゲットできないからです。
このマンションほどではありませんが、当時のマーケット上からお買い得だったと断言していえるのは、東雲Wコンフォート・豊洲パークシティ・勝どきトーキョータワーズくらいでしょうか。
この記事へのコメントはありません。