昨日の、プレミスト有明ガーデンズ編はかなり好評でした。
「タワーマンション街にできる板状マンション企画として、商品性を高めるために何ができるのか」この命題にプレミスト有明ガーデンズと同時期に直面したのがプラウドシティ東雲キャナルマークスです。こちらはより大胆に、国内であまり事例がないオーバル型レジデンスとして企画されました。
形状を優先したために、部屋の形状に影響が出ているじゃないか、良くいえば個性的・悪くいえば部屋によってはやせ我慢を強いられる・・・このマンションのモデルルーム訪問時には正直、そう感じました。ですが実際に建ってみると、実に堂々としたものでなぜオーバルレジデンスにしたのか、明確になったと思うのです。
建物に近寄り細かく見てみると、水平面にバルコニーの水色ガラスパネルがはめられています。そして同色同素材で縦ラインのガラスもところどころに配置されています。これだけの規模ですから、単に水平面だけでずらっと長べてしまうと、ファサードがのっぺりとした表情になってしまったとはずです。
しかもオーバルだから、プレミスト有明ガーデンズのように形状を工夫しようとしても出っ張りは作れない。だから、このような色ガラスで縦への変化をつけたのだと思われます。
近づいてみると二階までは柱をあえて全面に出して、石張りで化粧しています。これがまた堂々と見える。つまりヒューマンスケールで見ると、歩いて目につくのは2階までですから、そこは石張りで堂々とした面構えであり、そして三階以上はガラス面を全面に出すことで離れたところから見たときの軽やかさを演出しています。
ここまで外観に気を使っている大規模板状マンション企画は、江東区の方だと滅多に見ませんので見ごたえがあります。そして樹木も最初から大きいものをチョイスしてきました。木は年月が経つと育ってくるものですが、木の大きさによってコストが倍々ゲームで変わってきます。最初から3階層くらいまである樹木が使われているのは庭にコストをかけている証拠です。
ここが正面玄関。二層吹き抜けのエントランスは、大規模マンションにふさわしいボリュームです。ここが立派であれば、毎日帰ってくる人は誇らしげに感じますし、住民にお呼ばれたゲストも驚きます。このエントランスを抜けると自慢の中庭なのですが、中の様子まではわかりませんでした。
画像出典:プラウドシティ東雲キャナルマークス 公式Webサイトより
そしてもちろんバルコニーはトールタイプの隔て板です。ショートタイプでも問題ない(そのうちバルコニーってほとんど使わなくなるし)という人も結構いるのですが、やはりプライベート感を気にされるなら、隔て板は下から上まであってほしいものです。
最後に、豊洲側に回って橋の上から撮りました。
運河の水面がアクアコートのガラスに反射してキラキラと光っていました。ここから見ると、隣地駐車場との被りはごく少数住戸だけで、ほとんどの住戸は開けているのがわかります。
思えばここのポジション的に、豊洲駅から東雲側に歩いていくと最初に見えてくるのがこのプラウドシティ東雲キャナルマークスだと思うんですよ。東雲エリアは、キャナルコート内の分譲タワーマンションに、建築巨匠達が手がけたCODAN達とライバルが多い中で、このマンションは豊洲からの玄関口にあるマンションとして街を彩る一つの作品に仕上げてくれたのだと思います。
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