あからさまツッコミ待ちの記事が出てTwitterでつぶやいたらプチbuzzしたので共有します。
売れぬ注文住宅…「給付金30万円」に見向きもしない消費者、失政の感強く
読売新聞(魚拓)戸建て注文住宅の受注低迷が長びいている。戸建て注文住宅は、昨年9月末までに契約を結べば、引き渡しが消費税率が8%に上がった今年4月以降でも5%の税率を適用する特例措置があったが、この駆け込み需要の反動減が業界の想定以上に長期化。これに加え、消費税率8%への引き上げで「消費者心理が一気に冷え込み、住宅どころではなくなった」(大手住宅メーカー幹部)と“ダブル”の影響を受けていることが背景にある。
政策の“不発”を指摘する向きもある。政府は反動減を抑えるため、住宅ローン減税の拡充や、住宅購入者に適用される年収制限を設けて最大30万円を支給する「すまい給付金」を準備。だが住宅業界からは「想定外に効かなかった」との厳しい声が上がっている。国土交通省が11月に発表したすまい給付金の利用状況によると、9月末時点の支給総額は19億7484万円(8730件)。予算1600億円に占める割合は1.2%にとどまり、利用は低調だ。
いや、そりゃそうでしょう・・・、そもそもすまい給付金の政策概要が出た時から意味ないよねと思ってました。
消費税を8%に引き上げるとともに、所得が低くて住宅ローン減税の恩恵を受けられない住宅取得者の負担を「かなりの程度緩和するために創設した制度」ですが、年収要件がきつくて使うシーンがあまり浮かばないなぁと。
収入額425万円以下でやっと30万円、510万円以下で10万円。
元々、土地取引は非課税です。消費税は建物の価格にかかるので、外構工事含め建物に最低木造で2000万、鉄骨で3000とか4000万とかかる注文住宅は、消費税増税の影響がモロにかかります。建物3000万円だと+3%で90万円というところで、この業界にとっては焼け石に水のような制度でした。そりゃ駆け込み需要の反動がおこりますね。
そもそも収入425万円以下の人が30万円もらえるから家を建てると思っているのでしょうか。それこそ若手の地方公務員か意図的に年収を抑えている自営業者、それに現金で買う年金生活者くらいしか考えられないんですが・・・ボリュームゾーンの500〜600万円くらいの30代世帯には消費増税が直撃するわけで、制度を設計したお役人様や住宅メーカーが「すまい給付金」制度があるから反動減は起こらない!そのうち回復すると思っていたならメデタイにもほどがあります。まずは国民全体の所得が上がらないとどうしようもないんですよ。
加えて、首都圏近郊では建売住宅の価格崩壊が始まっているとの記事が。
新築戸建て住宅で価格崩壊 首都圏で1千万円台も急増 早まった購入判断に注意
ビジネスジャーナル(魚拓)千葉県609件、埼玉県645件、神奈川県122件、東京都54件……これが何を表している数字か、おわかりになるだろうか?
リクルートが運営する不動産情報サイト「スーモ」に登録されている、2000万円以下で売り出されている新築一戸建ての件数だ。1都3県を合わせると、ざっと1500件近い数の1000万円台物件が登録されているのである。
検索結果を詳しく見てみると、4LDK以上の最安物件は千葉県北西部の1430万円。土地41坪、建物30坪の堂々たる外観。最寄り駅から東京駅まで69分で通勤できる閑静な住宅地に建つ新築の土地付き物件が、大手住宅メーカーの建築価格よりも安いのだから、これぞ驚異のコストパフォーマンスだ。(中略)
注目すべきなのは、それが不動産相場に与える影響の大きさである。例えば、今まで2000万円で売りに出されていた築25年の中古物件と同じ価格帯で、パワービルダーが新築一戸建て物件を分譲すると、どのような事態が起こるだろうか。「古家付き2000万円の土地」には、もはや誰も目もくれなくなる。何しろ、新築のほうは、同じ広さの土地の上に新しい建物まで付いて2000万円なのだ。
上記の条件で、SUUMOで検索してみると、確かにヒットします。東京都の方は八王子や青梅市、千葉県なら松戸市柏市船橋市、埼玉県だと川口市さいたま市川越市といった、都内にドアtoドア1時間半程度で通勤可能な近郊市がヒットしました。
といっても、新築2000万円以下で探すと最寄駅徒歩25分とか、駅までバスで20分とかの物件がほとんどです。同条件で最寄駅徒歩25分、築20年くらいの中古住宅は1480万円~なので、古家付きで2000万円というのはあまり見かけませんね(既にそのレベルまで下げざるをえなかったのかもしれません)。パワービルダーがその地域に建ててしまうと、周辺の中古住宅の資産価値が下がるというのは同意見です。
しかし、家族の幸せを願い、郊外で広い家に住むために、通勤電車に1時間半揺られて会社に行くお父さんサラリーマンを見て育った世代が、20年30年と経って、自分達が買う年齢になった時に、駅の近く、なるべく東京の近いところに住みたいとネットで検索かけるという構図は皮肉です。共働きが増えたというのも駅近便利傾向に拍車をかけているとは思いますけど。
売れぬ注文住宅…「給付金30万円」に見向きもしない消費者、失政の感強く(産経新聞) – Y!ニュース http://t.co/IHJ0wiGrqW 収入425万円以下で注文住宅を作ろうと思う顧客がどれだけいると思ってるのか逆に聴きたい pic.twitter.com/C6CunZLill
— のらえもん (@Tokyo_of_Tokyo) December 1, 2014
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