のらえもん、無料相談用のメールアドレスを公開しています。新築の購入相談だけでなく、中古の購入・売却相談もぽつぽつ寄せられます。新築・中古問わず、よくある質問の一つが「○○の時期にくらべてどれくらい値上がりしたのですか?」です。
感覚的に、震災後の10~15%だよ、とはお伝えしていますけどそういえば、ちゃんと調べたことはありませんでした。
千代田区は底値から4割あがったという記事もありますね。
中古マンション、都心は底値から4割高
一部エリアではリーマン前の水準を突破
東洋経済・(魚拓)2014年12月06日、画像出典も同様大都市圏の中古マンションが値上がりしている。東京23区では、2012年7月の安値3922万円から、14年10月の4256万円まで8.5%上昇した(70平方メートル換算、以下同じ、東京カンテイ調べ)。
背景にあるのは新築マンションの供給不足だ。リーマンショックで中小デベロッパーの多くが倒産した後、マンション市場は大手の寡占となった。そのため、首都圏(1都3県)の新築マンション年間発売戸数は、リーマンショック前の8万戸台から、今年は4万戸前後と半減の見通し。新築を希望しても、住みたいエリアに売り物が出にくい状況で、中古購入へ切り替えるケースが増えている。
ただ、中古マンションの価格は東京都心の千代田区で、今年9月には8304万円まで上昇し、リーマンショックの前のピークである07年9月の8044万円を突破した。09年4月の安値5850万円からは、実に40%超の上昇である。東京五輪で注目の湾岸エリアを含む江東区では9月の価格が3847万円で、07年12月の高値3918万円に接近している。
ということで、私の住処である湾岸地域でここ4年間のデータを調べてみました。ちなみに、批判を覚悟で同一地区の事例をマンション差を考慮することなく、すべて同じグラフにプロットしました。これは、同じ住所レベルならマンション単体でみるより、まとめた方がわかりやすいことと、それなりに取引数があるマンション同士なら差異はある程度吸収されると、グラフを見て感じたからです。ちなみに棒線は線形近似曲線で引いています。
ちなみに、グラフ対象マンションのほとんどは2010年段階で築浅マンション。4年間の累計で築年数の増加に伴い6%程度自然に下がるのが普通です。
【追記:「中央区も取り上げてくれ〜」との熱い声にお応えして、勝どき6丁目と佃2丁目も入れてみました】
中央区勝どき6丁目
対象マンション:THE TOKYO TOWERS
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マンション1つの成約事例でこんなにプロットが取れるのはさすが日本最大のマンション。
平均を取るとボリュームゾーンは坪250-300の間ですが、2011〜12には坪250万を切る取引がかなりありました。この1年半で坪250以下の取引は1件だけで坪300以上の取引が急に増えたことがわかります。わかりやすく値上がりした好例といえるでしょう。
中央区佃2丁目
対象マンション:センチュリーパークタワー/ザ・クレストタワー/ファミール月島グランスイートタワー/ライオンズタワー月島
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ザ・湾岸を代表するセンチュリーパークタワー一帯の佃タワーマンション群です。最低価格はこの1年間で急に切り上がりましたね。坪280万円を下回る取引は今無くなってしまいました。平均値を取ると上がっていないように見えますが、急に下限値が切り上がったという印象です。
港区芝浦4丁目
対象マンション:芝浦アイランドグローヴタワー/ケープタワー/キャピタルマークタワー
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わかりやすく上がっています。2013年後半から最低価格が切りあがった印象を受けます。だいたい15%強の値上がりとみてよいでしょう。最近は坪300万を超す取引が主流になってきました。
港区台場
対象マンション:THE TOWERS DAIBA
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港区台場には分譲マンションはわずか1件しかなく、4年間で34例の事例しかありません。しかし2013年末~2014年にかけて取引が活発化したことがわかります。平均を取ってみると、あまり変わらないように見えますが、最低価格は芝浦と同じく切りあがったと考えてよいでしょう。
江東区豊洲2丁目
対象マンション:アーバンドック パークシティ豊洲A~C棟
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わかりやすく上がってますね。B棟の成約に引っ張られて昨今の成約単価は坪300万円を越してきました。
このマンション坪220くらいが新築平均だったので、まさに奇跡のマンションといっていいでしょう。
江東区豊洲3丁目
対象マンション:THE TOYOSU TOWER/シティタワーズ豊洲ザ・ツイン/ザ・シンボル
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2010年あたりの築2年程度の「ほぼ新築時価格」の時代を含んでいるからか、4年スパンでみるとほぼ一直線となりました。ただ、震災直後に比べれば坪300万円を超す成約もちらほら見えます。ここ1年で多いのは坪275前後で、一部低層階では250万円を下回る成約もあります。
江東区豊洲4丁目
対象マンション:プライヴブルー東京/東京フロントコート/スターコート豊洲
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すいません、上記対象マンションを書いておきながら、オークプレイス豊洲とパークタワー豊洲それぞれ1件が入ってます。
この豊洲4丁目長谷工3兄弟マンションも、震災後~2年間程度はあった坪200万より下の成約が切りあがりました。データを大局的にみると、10%程度値上がりしたと書いても良いでしょう。
江東区有明1丁目
対象マンション:オリゾンマーレ/ガレリアグランデ/ブリリアマーレ有明/シティータワー有明/ブリリア有明スカイタワー
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オリンピックで豊洲と晴海と同じくらい恩恵を受けたのが有明地区ですね。
取引はオリンピック決定直後に急増、在庫が一度払拭した後は少しずつ上に切りあがっています。
比較スパンを震災後とすると現在、15%~程度値上がりしたと考えてよいでしょうか。ただし、インフラについては基本的に何もまだ変わっていないので、オリンピックの期待値だけであがっているところはありますね。
江東区東雲1丁目
対象マンション:Wコンフォートタワーズ/アップルタワー東京/キャナルファーストタワー/ビーコンタワーレジデンス/ブランズ東雲/プラウドタワー東雲/パークタワー東雲
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ここ最近の坪240、250といった成約は「プラウドタワー東雲」もしくは「パークタワー東雲」のどちらかですね。やはり築浅中古は強いです。ですが、震災後しばらくは坪160,170といった成約が普通だったWコンフォートタワーズは今や坪200近辺~と15%以上値上がりしました。オリンピック直後の高騰は豊洲・有明・芝浦に集中し、東雲はこの動きから、若干遅れていたので「東雲の再評価が絶対にある」と書いたのらえもんですが、ここ半年間のデータはそれを証明してくれました。
ドゥトゥールの価格を見て、正直中古タワーマンション探訪連載ははよ終えて独立サイト化した方が良いと思った。これから相場が下がりすぎたキャナル内東雲タワーの再評価が来る。ビーコンも坪220あたりの成約が出てきて、売り手が我慢できる価格と買い手の出してもいい金額がようやく釣り合ってきた
— のらえもん (@Tokyo_of_Tokyo) 2014, 1月 15
結論としては、地域差はあるもののやはり当初の感覚値通り、震災後のどん底期から比べれば10%~15%程度の値上がりがあったとみてよいかと考えますがいかがでしょう?
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