9月に開催した座談会の最終話がこちらで公開されています。たしか2時間きっかりだったのに今回は撮れ高多すぎですね。できあがったうち、どこまでカットするかコントロールしてる私のしきい値が最初のころに比べて下がったのと、参加者の皆様が、探り合い無しにここまでなら話してもオッケーという線引きが自然と出てきたのだとおもいます。第6・7・8回すべて一発撮りで全発言の87%くらい使ってますが、もう一度読み返しても奇跡とも思えるコンテンツに仕上がっていると自負していますのでどうぞ。
次回は一部メンバーを変更してお届けする予定です。順調にいけば来年2月ごろには公開できます。
さて、第8回後編の補足をいくつか述べたいと思います。
・中古マンション売主側の心得
マンションコミュニティは「購入検討者」のためのサイトですが、一度購入した人はいつの日か売主の立場になることもあろうかと思います。思い出が詰まった部屋を売るのはさびしいですし、できることなら自分のお金は次の新居に使いたいとお考えでしょうけど、立場を変えてみればこれからあなたのマンションを買う人にとっては新居候補なのです。
ところどころ破けていたり汚れている壁紙や床がはげていたらどうでしょう?ベランダが掃除されていなかったら買いたいと思いますか?少しの手間や投資でこうした、買主側のひっかかりを無くせるのに、世の中の人はほとんど無頓着なのです。
逆に、こうした表層的な部分が残念な物件をみて「リフォームすれば良い部屋」を指値で購入する、と言い切るモモレジさんのような人もいますが、そうした人の提示する買値はやっぱり安くなってしまいます。
・理事会活動について
座談会の長老・はるぶーさんが一生懸命されているマンション理事会活動は10年、20年後に価格差として顕著に出てくるものでしょう。上記のような個人の部屋は、清掃やリフォームで何とかなりますが、マクロ的にマンションがダメになってしまったら意味がありません。10万円のリゾートマンションのような事例もあります。
ただ、この「理事会活動」が良好化というのは外からはなかなか観察できません。外部から経営状態やコミュニティを可視化するのは相当難しいと思いますが、ヒントがSUUMO編集長池本氏の講演でヒントが述べられていました。なるほどと思える内容でしたのでぜひご一読ください。
住まいの価値は自分たちで高める時代 「住民経営マンション」が生まれる背景とは
マンションを資産と考えるなら、理事会は経営的視点をおのずと持たなければなりません。HPを作ってこれから住むことになる外部に向けて宣伝するというのも、経営視点でしょう。しかし大規模マンションとなると、検討すべき事象はたくさんあるわけで、宣伝まで辿り着けるマンションは極少数のはずです。はるぶーさんは、ここまでできる組合は0.1%くらいしか発生しないと言い切られてました。
・不動産スタートアップについて
最終盤で、なぜかこの話題になりました。
この議論に関しては、DJあかいさんと私は座談会以外でもお話ししていますが、数千万円という不動産取引というのは人間の心理が深くかかわってくるので、ネットだけで完結させてコスト中抜きというのはなかなか難しいとおもってます。ネットでクリックして不動産を買える日本人はほとんどいないのです。
レクサスの営業マンと不動産仲介マンとどっちの方が給料高いのでしょう?なぜ数千万円の不動産取引仲介をする人にコストがかけられないのでしょう?
この根源的な問いの答えは置いといて、優秀な人、媒介契約を受けた時点で出口が見える人を雇うには、やはりそれなりのコストがかかりますし、ネットは入り口になれても出口にはなりえないというのが今のところの感想です。
『不動産テック』スタートアップにより主に仲介機能の効率化を目的に開発が盛んになる。不動産業者からは、実情と合ってないのでワークしない、等と非難が多いが、彼らの目的はサービスの売却が目的で、業者の事は見てないし、多分エンドの事もそんなに見てない。 #クソ物件オブザイヤー2015
— あくのふどうさん (@yellowsheep) November 17, 2015
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