ケーススタディ集

「不動産価格のピーク後はどうなると思われますか」:ケーススタディー集

実際に寄せられた相談を元にのらえもんの返信を公開シミュレーションをするケーススタディ集。今回は私のask.fmアカウントへ寄せられた質問に再度答えてみましょう。
ブログに書くため内容をちょこちょこ変更していますが、要旨はかわりません。

不動産価格のピークは直近2~3年とBlogに書かれていましたが、そこから先は右肩上がり、右肩下がりのどちらを想定していますか?」

IMG_8920-1024x682
フリー素材のため、題意とは関係ありません

Q:不動産価格のピークは直近2~3年とBlogに書かれていましたが、そこから先は右肩上がり、右肩下がりのどちらを想定していますか? タブロイド紙なんかは五輪をきっかけに暴落と書いていますが、前回のプチバブルの上値は既に超えてているので、今回のピークを5~6年後に超えてきてもおかしくないとも思えます。


のらえもん

A:

こんにちは。ご質問ありがとうございます。
「郊外中古マンションは既に数百万円!そのうち日本全国で!東京都でも阿鼻叫喚!オリンピック後は大暴落!」と騒ぐタブロイド紙の記事やネットニュースはたしかによく見ますね。

たいへん残念ながら、火付け役の方々の思惑通りに不動産価格は突如暴落しません。ここでバブル以前から現在までの地価グラフを見てみましょう。

chika_graph
画像出典:財務局より平成26年地価公示価格(東京都分)

たしかにバブル経済から15年連続で地価が下がったのはたしかです。昭和58年を100として、ピーク時382.3までいった区部住宅価格はその後14年連続で下がり、止まったのは平成18年になった時でした。そこから平成20年のプチバブル期はありますが、バブルに比べて山の変動は大変小さく、「暴落」というレベルではありません。

住宅地価が上がるとその後下がりにくいのは、買い手よりも売り手の事情です。具体的には日本の住宅ローンがリコースローンであることに起因していると思います。

例えばあなたが今ローンを払いながら住んでいるマンションをなんらかの事情で売却するとしましょう。売り手はこの時、住宅は残債を下回る価格で売ってしまった場合、銀行に対して残りを支払う義務があります。そこで売り手はなんとか残債割れを防ぐ価格で売ろうとしますし、もし売れないなら売却をやめてしまいます。供給が消失し、これが住宅価格の下支えになっていると私は考えています。この現象は、リーマンショック直前のプチバブル期に分譲されたマンションで確認できました。

yahoo_1000ika

たしかに築古の郊外ファミリーマンションでは価格崩壊が確認できます。しかし、既に10年前の段階で郊外バス便1000万円以下の中古ファミリー向けマンションをネット検索したら山ほど出てきてました。
こうしたマンションの価値が年80万づつ下がっているとしたら10年後の現在、そうしたマンションが200~300万円になっていても何らおかしくありません。もしかしたら火付け役の方は日本じゃなくて海外のマンションを売りつけたいんじゃないでしょうか。

ただ、最近新価格・新新価格に突入している都心部の高騰しているマンションには注意が必要です。高騰しても買い手があるので供給側のデベロッパー側は価格を上げているわけですが、この需要は次の3からなっています。「相続税対策」「海外投資家」、そして「史上最低金利」です。
この需要が消失した時、たとえば「相続税のルール変更」「リーマンショックなどの巨大信用収縮による海外投資家の消失」「日銀による現政策の放棄」などの要因が起こった時に不動産価格は反転し、適正値に時間をかけて戻るのではと考えています。

 

あなたの不動産売却に、ひと肌脱ぎます。
↓↓湾岸エリアでのマンション売却をお考えの方はこちらから!↓↓

↓↓お仕事や取材の依頼はこちら↓↓
(所属先の株式会社新都市生活研究所のWebサイトへ飛びます)

関連記事

  1. 損が少ないマンション購入

    湾岸バブル再来?記事を読む(記事更新)

    2020東京オリンピック招致成功を受けて、競技場の多くが建設される湾岸…

  2. 損が少ないマンション購入

    フラット35と変動金利の金利比較

    フラット35が再び過去最低金利水準に(2013年11月)のエントリを上…

  3. 損が少ないマンション購入

    「高い新築マンションの最割安部屋」と「安い新築マンションの最高額部屋」どちらが幸せか

    永遠のテーマでもありそうなこの話題。車なら一つ下のクラスの最上級グレー…

  4. 不動産業界を外から見た

    のらえもんの「購入売却相談」「その他雑多相談」はじめました

    本ブログをご購読の皆様。メールアドレスをプロフィール欄に公開し…

  5. 損が少ないマンション購入

    2024年のマンション相場はどうなる?年始のご挨拶

    気がついたら1月23日になっていました。みなさま、あけましておめでとう…

  6. 損が少ないマンション購入

    来年の湾岸タワーマンションの相場見込み

    選挙前にTwitterで来年のマンション価格について結構突っ込んだやり…

コメント

  • コメント (0)

  • トラックバックは利用できません。

  1. この記事へのコメントはありません。

のらえもんにお仕事や取材を依頼する!

お知らせ

過去の記事(ランダム)

カテゴリー

  1. ブリリアマーレ有明

    【成約済】BrilliaMare有明 TOWER&GARDEN 2LDK+N/7…
PAGE TOP