前回は、「サラリーマンの資産はほとんど持ち家に依存するのだから、ここで吟味しなければ他の投資を頑張ってもあまり意味がない」という論旨でお話をさせていただきました。その際、1:戸建てよりマンションのほうが貸しやすく売りやすい住宅形態であるため、住宅購入はマンションにすべきであること、2:人口増加地域で買うこと。の2点を付け加えさせていただきました。
さて、今回は本題に入る前に前回のデータに少し数値を付け加えてみました。
増加率全国順位 | 市区 | 2015年人口 | 2040年推計 | 人口増加数 | 2015比増加率 | ||
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 中央区 | 141,183 | 187,864 | 46,681 | 133.1 | ||
2 | 港区 | 243,283 | 323,431 | 80,148 | 132.9 | ||
3 | 千代田区 | 58,406 | 77,135 | 18,729 | 132.1 | ||
13 | 江東区 | 498,109 | 578,684 | 80,575 | 116.2 |
母データ:『日本の地域別将来推計人口(平成30(2018)年推計)』
港区・中央区・江東区は、いわゆる東京湾岸地区であり、人口減少が進む中にあっても、人口の継続的な増加が期待できる数少ない市区であります。なお、江東区は増加率の全国順位13位ですが、2015年⇒2040年の人口増加数「80,575人」では全国トップ、2位が東京都港区になります。
港区といっても青山もあれば田町もありますので、それを差っ引いて考えても今後20年くらいは東京都の湾岸地区は今後もっとも多く人が移り住んでくるエリアということで、今後も期待が持てます。人口の増加は、店舗数の増加や交通利便性の良化を呼び込み、ポジティブサイクルのまだ途上にあると言えます。
そして現状、日本で最も活発に中古マンション取引が行われているエリアでもあります。
以下のデータは、2018年の1年間で取引された各駅から徒歩15分以内の中古マンション成約件数です。
条件 | 成約件数 |
---|---|
豊洲駅 | 346 |
有明テニスの森駅 | 125 |
辰巳駅 | 149 |
月島駅 | 180 |
勝どき駅 | 237 |
武蔵小杉駅 | 286 |
川崎駅 | 206 |
横浜駅 | 175 |
浦和駅 | 115 |
大宮駅 | 104 |
船橋駅 | 117 |
千葉駅 | 95 |
吉祥寺駅 | 62 |
三鷹駅 | 173 |
立川駅 | 80 |
首都圏でも特に取引数が多そうなエリアをピックアップしてみましたが、この中でも豊洲駅の成約件数は群を抜いています。日本全国の駅の取引数を知っているわけではありませんが、私の知る限り、「豊洲駅徒歩15分以内の中古マンション成約数346件」は、日本で最も多い取引が行われている駅といって間違いありません。豊洲とほぼ同一エリアみなせる、辰巳(東雲エリア)と有明を含めれば更に圧倒的となり、不動産の資産性に欠かせない「流動性」が最も高いことを約束されているエリアなのです。
これに比肩できる規模数といえば、日本の中でもわずかに武蔵小杉と勝どき・月島エリアくらいでしょう。
流動性が高いこと。それは中古マンション価格が透明化されていて、誰もが安心して取引ができることを意味しています。不動産業界長年の課題だった価格の透明化を、業界の自助努力ではなくエリア内の棟数と戸数の暴力で無理やり達成してしまった感がありますが、湾岸は安心して取引ができ、ボラれる心配がなく、そして人口流入が継続的に期待できることから資産価値暴落の心配も少ない、日本でも稀有なエリアであるのです。
拝読しました。
失礼ですが、ちょっと読みが浅すぎませんか?
マンションが大量に供給されるエリアは中古マンションの成約価格は下がりますよ。理由は比較検討が出来るからです。
残念ながら、湾岸は在庫が豊富にあり、更に新築も大量に供給されていますが2018年には実際に価格相場が上がっております。
たしかに、2015-2017には、都内が次々と値上がりしましたが、湾岸マンションは価格が停滞しました。
アップサイドの局面では在庫が完全に捌けないと、値上がり局面に達しません。2018は在庫水準が落ちたので価格が上がっております。
成約が大量にあるということは、ダウンサイドにも耐えられるということです。
よろしくお願いいたします