リクルートがこの言葉を作ったと思いますが、「半投半住」という言葉がここ1、2年でよく聞かれるようになりました。うまい言葉だなと思いますし、実際このコピーを考えた人は天才だと思います。いまや、新築コンパクト物件の売り文句として、よく聞かれるようになりました。
実例:ザ・パークハウス アーバンス 目黒平町など
「半投半住」とは?
“投資”と“居住”の2つの観点を持ち合わせた住宅購入の戦略を意味する、「都心に住む」の造語
PRTIMES https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000139.000028482.html
不動産投資のキモは、物件選定だけでなく「資金を低金利で調達し、かつどれだけ長い期間引っ張ってこられるか」でありまして、住宅ローンは政策的に意図的に低く・長く設定されていますので、これを投資目的で使えるなら極めて合理的であります。
(逆を返せば、住宅ローン制度があるので分譲マンションや戸建てがこれだけ高いともいえます)
しかし、住宅ローンは貸すためのローンではなく、あくまでも自分が住む物件にしか使えないはず。そこで、半投半住行動とは、「独身やDINKS時代に価値の下がらない、資産となるコンパクト物件を取得→子どもができたら元の物件を売却するか貸すかして広めの物件を取得し、どちらも住宅ローンを使う」というストーリーとなります。私もブログ当初からこの考えは語っていましたし、湾岸タワーマンションは近年大きく値上がりしたこともあって、この間にまとまった資産を築けた人も多いかと思います。
しかし、半投半住にはいくつか大きな落とし穴があることも事実です。
3000万円特別控除と住宅ローン減税は同時に使えない
半投半住目的で購入した住宅を売却したときに譲渡所得が出た場合、譲渡益応じて課税が生じます。しかし、ご安心ください。住宅には3000万円特別控除がありまして、これを適用すれば課税額を圧縮することができます。ただし、この3000万円特別控除を使うと、住み替え先の購入物件で住宅ローン減税が使えなくなります。
サラリーマンが使える減税策のうち、いまだ最強の効果がある住宅ローン減税。課税業者から買えば最大10年間400万円という減税額は大きな魅力です。売却益が出そうな場合、どちらが得かを冷静に考える必要があります。
そして、短期譲渡所得の税率は高い
どこかの雑誌で見た気がするのですが、この10年で次々と買い換えられて(空中族して)資産を築かれた人が出てきました。しかし、私はこの方をみて本当に税金を払っているのか不安になりました。数年で部屋を渡り歩く空中族は、住宅ローン減税を使わず、3000万円特別控除を使われるのだと思いますが、この制度は3年に1度しか使えないはずです。そして、不動産の5年以下の短期譲渡所得は、39.63%と高率なのです。
税金のことについては、たしか書かれていなかったような・・・?
住宅ローンで購入した物件を貸す場合、銀行に説明が必要となる
これも当然のことなんですが、住宅ローンで購入した物件を引き払って別の物件を買うときは、原則前の物件を売ることが前提となります。次の住宅ローンを組むときには、今の物件の売却媒介書の提出を求められることもあります。2回めの住宅ローンがフラット35だった場合は、前の住居はカウントされませんが、銀行で借りるよりも若干金利が高くなります。
地銀や一部ネット銀行では、柔軟に対応してくれる場合もありますが、最初の物件をそのまま住宅ローンを使ったまま保有し続けるには、元の借りている銀行に何らかの説明が必要となります。が、このあたりを解説してくれる人はほとんどいません。仲介会社もこのあたりを説明するのは立場的に及び腰です。
(画像出典:都心に住む 2017年12月号より。これええんか…)
都内新築マンションが値上がりしている今、資産性が高い次の物件を探すのが困難
資産性が高いと言われる都内の駅から近いマンションは、震災前後と比べると、新築価格で3割〜5割上がっています。この状況で、いま手持ちのマンションを売却して利益が出ても、次の資産性が高い物件を探すのは、素人にはかなり困難ではないでしょうか。金利動向や今後の再開発について、常日頃ウォッチしている人でないと、目利きはなかなか難しいものです。
子どもができると、住み替えが困難になってくる
独身やDINKSから子どもが出きたときに買い換えようと思うなら、保育園に入る前か、小学校に上がるタイミングが現実解となります。夫婦共働きが普通になり、保活で苦労される方が多い中、自分たちと相場のタイミングだけで、住まいを探すのは子どもが育つに連れて困難になってきます。保育園期を過ぎて比較的自由に選べるタイミングとしてはは、小学校に上がる瞬間だと思いますが、2人以上いるとその時期もまた迷いますよね。(あるいは小学校から私立もあります)
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ということで、半住半投のリアル、を書き連ねてみました。若干否定的な論調で書いておりますが、決してありえない話ではなく難しいけど、その路線を求めてこのブログを書きはじめています。いろいろはっきりとは書けないのですが、素人が書ける範囲ギリギリまでせめて行きたいと思ってます。今後ともよろしくお願いいたします。
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この路線、どのブログにもない独自路線かつみんなが知りたいと思う話題であると思います。
楽しみにしております!!