公式Webサイト公開前に、招待制でモデルルームが開かれている「THE YOKOHAMA FRONT TOWER」。今回、招待された方に同行できるチャンスがあったために、一般公開前ではありますが、立ち入ることができましたので、レポートさせていただきます。
本物件のモデルルームは一般公開されていませんが、ホテルのエントランスに堂々と看板があるため書いてしまうと、横浜ベイシェラトンホテルのフロアの中にあります。豪勢ですね。後述しますが、ここの住民はベイシェラトンの提携サービスを受けられます、ステキ。
「商談室の壁が高くなるほど高級物件説」は以前もお話しましたが、ホテルの中に入居するコストを考えるとそりゃもうお高いんでしょう?普段私の縁がない世界かもしれませんが、その世界の一端を垣間見てきました。
物件概要
- 物件名:THE YOKOHAMA FRONT TOWER(ザ ヨコハマフロントタワー)
- 地上43階地下2階建て
- 総戸数459戸
- JR・東急東横線・みなとみらい線・京急線「横浜」駅 徒歩3分ほか
- 直接基礎+制震構造タワー
- 日本初の国家戦略住宅整備事業
立地・周辺環境
本物件最大のポジティブポイントは、横浜駅とペデストリアンデッキで直結していること。圧倒的に便利すぎます。そして、日本初の国家戦略住宅整備事業ということで、最上階には国際会議場「グローバルスカイコモンズ」が乗っかります。最近流行のティアラではなく、ガラスウォールの会議場がシンボルとして乗っかる、これはデザインに大きなメリットがあります。最大のネガティブポイントは「鶴屋町」ということです。ラブホや風俗店がすぐ近くにあります(主には鶴屋町2丁目ですが)。今回の角地には、再開発に加わらなかった神奈川県遊技場協同組合(パチンコ)ビルがあります。つまり、そういう街の再開発事業案件ということです。
元々は相鉄バスターミナルだったわけなので、売主は相鉄不動産、そして東急が入っています。
横浜駅の商業施設の集積は、東京の他でも類を見ないほどの規模となっています。その横浜にペデストリアンデッキで直結しているメリットは計り知れません。下駄ばきで、1F~4Fまでは商業施設も入ります。モデルルーム模型を見るとペデストリアンデッキの下側にもいくつか店舗が入りそうです。
建物・内装
1〜4階は商業施設や子育て支援施設、クリニックモールが入り、6〜12階はホテルとサービスアパートメント、13階以上が分譲する居住階となります。この関係で、13階は地上60m弱となり、普通のマンションの20階程度の高さとなり、もはや「低層階はないマンション」といえるでしょう。周辺のビルは60mより下なので、高速もしくは線路を挟んだ向こう側以外、居住階の眺望を大きく塞ぐ建物はありません。居住者の入り口は5階にあり、ホテルのようなエントランスから入ることになります。
- 直接基礎・制振構造タワー
- リビング天井高2700mm、主寝室2600mm(角部屋はあえてリビング2550mm、理由は後述)
- スラブ厚260mm〜330mm以上
- ディスポーザー有
- LOW-Eガラス+T-3サッシ
- ロータンクトイレ+鏡付きトイレ手洗いカウンターが標準
- シザーストーン天板+グローエ混合水栓
- 天カセ仕様
- ロスナイ全熱交換器仕様
面白いのは、「バルコニーには出ることがない、基本出られない」というルールですね。エアコン室外機の置場となるため、出ること自体はできますが、通常は使わないことになっています。このため「サービスバルコニー」表記になってます。
間取り
とてもすごいなと思ったのは、角部屋のFIX窓ですね、リビング天井をあえて2550mmとしてフラット天井を実現し、更にFIX窓が天井から床までどーんとあります。上記の間取りをご覧ください。リビング外側はすべてFIX窓。この形を可能にしたのは、柱の外に部屋を張り出して、その部分をFIX窓としているので、梁が外に出ていないということですね。これはすごい!私は初めて見ました。
もともとこのマンションは、外国人に長期滞在してもらいたいと作ったタワーマンションですので、上がり框が極端に低いとか、コンシェルジュが24時間英語も話せる人が立っているなど随所に高級アパートメント的な香りがします。
中住戸も苦しいと思うような間取りはなく、比較的スパンが取れているものが多いです。
共用施設
横浜駅直結タワーマンションでどこまで共用施設を使うものかな、と思っていましたが、キッチリ機能として必要なものを抑えてきた感じがあります。専有部に入るには、1Fの車寄せかもしくは2Fのペデストリアンデッキ直結の住宅専用入り口からいったん5Fに上がって、ホテルのようなエントランスを通ったら、各居住階のエレベーターに入ります。
ということで、5階に共用施設は集約されています。
- パーティーラウンジ
- キッズスペース
- ランドリー
- ワークプレイス
- フィットネスルーム
- エントランスラウンジ、ガーデン
- テラスラウンジ
- シガールーム(喫煙所)
パーティーラウンジとキッズスペースからは、テラスラウンジに出られるようになっており、一体利用もできるようになっています。ワークプレイスのCGはないのですが、窓がない場所ですから、静かに作業ができる場所、と思ったら良いかと思います。
フィットネスルームは戸数の割に大きく取ったな、という印象です。また、地価が高い場所でわざわざランドリーあるのは、洗濯物を外に干せないからでしょうね。この2つは外国人にも喜ばれそうです。
更に、ヨコハマの夜景が楽しめる東向き39階に「ゲストスイート」と「ベイビューラウンジ」があります。この2つは横浜のホテルでもいいでしょうけど、眺望が良い高層階に共用部をわざわざ設けるのが良いですね。この2つを専有部にすると2.4億円くらいするスペースとなりますので、それをシェアできるのはとても豪華。1ルーム設定の23Aの魅力が高まりますね…
共用施設で説明するのは少し違いますが、このマンションに入居すると、「横浜ベイシェラトン ホテル&タワーズ」との提携サービスがついています。ソムリエコンシェルジュや、要望に応じてカスタマイズ可能な特別デリバリー、各レストランからのシェフ派遣サービスまでついてます。
横浜高島屋の外商サービスや、ジョイナスとの提携もついているので、なんでもお取り寄せできそうですね。ベイシェラトンや高島屋・ジョイナスとの提携は相鉄が売主だからこそ、です。大阪本町のタワマンでも大丸心斎橋店との外商サービスがありましたが、本物件も似たようなものを感じますね。
予定価格表
2021年12月時点での予定価格表をシェアします。
13階も60mの高さがあるということで、「中層階」という表現にしました。冒頭にも述べましたが、現在完全招待制でして、まだ公式Webページも公開されていません。上記の価格表で購入できるのは、招待された方のみ、ということになります。
55平米の55D、55C含めすべて1億円を突破しています。西向き・東向きどちらも眺望は開けているのですが、より「ヨコハマらしい」眺望を楽しめるのは東向きです。このため、33F以上の高層階には東向きにかなりの眺望代が付与されています。
そう考えると、南東角85Aの32階より下、中層階の価格が相対的に割安に見えますね。
なお、この価格表のほとんど複数申し込みが入っており、抽選になるのではないか?ということでした。世の中お金があるところにはあるもんです…
さて、価格だけで比較するなら、中層階で白金高輪のタワマンとほぼ変わらず、高層階はそれを超えてくる坪単価になっています。横浜直結にはそれだけの価値があるのか…?ベンチマークとなるのはナビューレ横浜タワーレジデンスとなりますが、もはやあそこも中古で坪600万円の世界ですから、そう考えると立地を割り引いても新築としてはそこまで割高感がない、そういう市況ということです。
維持費
管理費は平米あたり495円、修繕積立金は117円。他にインターネット使用料が1,210円かかります。維持費がかなりかかりますが、このクラスを買えるお金持ちであれば、維持可能な範囲でしょう。この費用は、24時間多言語コンシェルジュを立たせたり、店舗側とマンション側で防災センターが2か所あるなど、コストが高くなる要素がかなりあるからです。店舗・ホテル・住宅、そして上部のグローバルスカイコモンズ(まだ持ち主は未定とのことです)の複合施設ですから、管理は非常に難易度が高く、第三者管理設定のマンションとなります。住んでも理事に当たることはありませんから、いつでもお客様気分でホテルのような暮らしができます!
駐車場は平置きが93,000~95,000円(!!)、ハイルーフが60,000円、ノーマルルーフが49,000円で134台の設定となります。設置率は30%。平置きは6億円前後の王様部屋4部屋にそれぞれ使用権がついていますので、実質2台となります。
総評
自分が買えないマンション(ワンルームなら買えますけど…)の評価をするのは非常におこがましいのを承知で書きますと、モデルルーム見学後の感想は「横浜駅そばの利便性に相当偏ったマンションだな」と。
以前の億ションと呼ばれているマンションは、いわゆる「高級住宅街」と言われるところに立っていました。お金を払うのは、利便性が良いということではなく、ご近所づきあい、学校区、景観、治安など…単に数字に表しにくいところにこそ、真の価値があったのだと思います。都内の一等地だけでなく、横浜ですとこの近くのみなとみらいエリアもその一端でしょう。
このマンションはそうではありません。利便性で見ればSSクラスの立地(あらゆる商業施設が駅直結で存在する横浜駅を、単体で上回る東京の駅はないかも)ではありますが、立脚する鶴屋町エリアを見回すと飲み屋や雀荘、ラブホ、風俗店もある街並みです。ここに”棲まう”方たちは、もはや足元のエリアにはほぼ行かず、横浜駅直結のデッキを通って、数多くある商業施設やホテルなどを利用することでしょう。それが良いとか悪いではなく、明らかに層が違う人たちが入ってくるのです。デッキで分割されている、いわゆるゲーテッドコミュニティであります、私がもしここを購入して子育てをするとなると、子どもは小学校から私立に通わせると思いますし、それが棟内マジョリティだと思います。
横浜市は横浜駅周辺地区において、エキサイトよこはま22を制定していて、ゆっくりとした時間をかけて利便性を活かして変えていくのだと思います。これはアップサイドのチャンスと見ることもできるでしょう。実際に、タワマンをたくさん持っているような富裕層がこのマンションを購入する気があるという話を複数人から聞きました。
毎日子育てをする住宅、として見るのではなく、アフターコロナ後を見据えて、国際都市横浜の中心地に、シンボル的な要素を持つタワーマンションを投資視点で持つ。このマンションの購入を考える方の視座は、そこだと思いますね。そして既にスタグフレーションに足を踏み入れている本邦において、勝算は高いと考えます。
この記事へのコメントはありません。