このケーススタディ集は、のらえもんに実際にあった相談を元に、情報をぼかした上で、私がどう答えるかをシミュレーションしたものです。
ゆえに、実際の回答メールとは若干異なりますが、要旨はかわりません。
「住宅ローンの保証料、内枠と外枠どちらを選びますか?」
読者様より写真頂きました
Q:
のらえもん様
ご無沙汰しております、Bと申します。
(略)
住宅ローンの件で、ご意見頂戴できれば幸いです。
保証料の内枠と外枠、のらえもんさんはどちらを選択されたのでしょうか。
夫の計算だと、外枠のほうが相対的に支払額が少なそうなのですが、とある本では内枠を選択するのが無難とあり、迷っております。
(以下略)
A:
いつもお世話になっております、のらえもんです。
銀行で住宅ローンを借りるときは、支払が滞っても銀行が痛くないように、連帯保証人を強制的に付けられます。信用保証会社は連帯保証人の契約として保証料を住宅ローンを借りる人から求めます。
この時、
一括で払う=外枠方式 もしくは 分割で払う=内枠方式
のどちらかを選ぶことができます。あたりまえですが、一括か分割かだったら一括で払う方が金額的には有利です。しかし住宅ローンは数十年スパンのため有利不利はそれぞれです。
少しシミュレーションしてみましょうか。仮に三菱東京UFJ銀行で借りる場合を想定すると
一括で払う場合は30年で1000万円につき191,370円(*注)
分割で払う場合は0.2%の金利付加となります。
*注:個人によって保証料は変わります。今回は一番低いプランで計算します。
3000万円・30年・金利1%で借りた場合、どこの時点で分割の費用が一括を上回るのでしょうか?
当ブログおなじみ「みかローン」にて計算してみました。
一括の場合、191,370円x3=574110円
分割は、1%と1.2%の金利負担差額で計算できます。毎月の金利差をグラフ化すると以下の通り。
ということで、11年1ヶ月後のクロスとなりました。これだけ見ると一括の方が有利に見えますが、私はそう考えておりません。
長い期間の返済ですから、銀行の借り換えが十分あり得ます。借り換える際は、残債に応じて一括で払った保証料が返還される・・・と思いきや、解約時には結構な手数料を取られて目減りします(例えば3年後に借り換えても半分も戻ってこないはず・・・詳しい人教えてください)。一括で保証料を納めてしまうと銀行の借り換えの損益分岐点がものすごく高くなってしまうのです。
よってのらえもんは、内枠・外枠に関しては以下のように考えます。
- 早めに完済できそうなら内枠
- 住宅ローンの借り換えがあると思うなら内枠
- 借り換えせず、繰り上げ返済もそんなにできそうもないなら外枠
ご参考になれば。
追記:
以上の投稿をあげたところ、Twitterで思わぬ指摘が。
@Tokyo_of_Tokyo 一括保証料574110円を頭金に充当して元金を29425890円から内枠方式でスタートさせるのが、一番総支払額を減らすことができて、早期返済や売却、借り換えなどにも対応できるのではと思います。
— 世捨て人 (@gakigaki_gakky) 2014, 11月 26
たしかにその通りですorz・・・(ツイートは内枠のミスプリと本人からご指摘有り)「一括保証料分の現金が手元に有る」というのを考慮に入れないといけませんでした。
早期返済や売却等、内枠の方がなにかと身軽です。私も内枠派ですが、、、住宅ローンを借りた時にはこの辺の勉強が足りず、額面に釣られて外枠で借りました。
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