新築マンションのモデルルームの訪問、みなさんはどんなスタイルでされているでしょうか?
私は基本的に「いつも新鮮な気分で」という感じで訪問しているのですが、接客側の新築営業マンは何を考えているのか、どのようなお客が嬉しい?勢いがある物件の見分け方とは??知られざる本音をTwitterでご活躍中のなめ茸さんに聞いてみました。
Q(のらえもん):こんにちは、先日リフォームについて職人さんの本音を聞いてみるという記事を書いたところ、相当反応が良かったんですよ。こういう素人が運営する非商業メディア上でプロに本音で聞くインタビュー記事もいいなと。
A(なめ茸さん):なるほど。私が答えられる範囲であれば何でも聞いてください。
モデルルームの集客はどこからか
Q:まず、モデルルームを予約ですが、どういうふうに予約するのが向こうからすると嬉しいかなと。
A:ははは、来場予約してくれればもうなんでも嬉しいです。現状、8割はWebからの予約となっています。一口にWebといっても、物件ホームページだけでなくてスーモやホームズなどのポータルサイト経由も含めての数字です。もちろん、Webといっても駅で配っているスーモ本誌やダイレクトメール、看板などで認知されそして検索されて、そこからという人が多いですので、紙は効果ない、というわけではありません。
Q:私は結構電話で予約してしまうのですが
A:電話での来場予約は、お年を召した方か、それとも2、3点確認したいことがある人などですね。今の時代、若い人はほぼWebからの予約ですね。
新築営業マンにとって、嬉しい客・嬉しくない客
Q:では、モデルルームに行って実際接客を受けるとして。嬉しいお客様、嬉しくないお客様ってどこで変わってくるのでしょうか?
A:嬉しくないお客様から申し上げますと、ズバリ「自己開示をしない方」ですね。本当に難しい。例えば「いつまでにお住まいをお探しですか?」と質問しても「いやぁ〜エヘヘ・・・」と誤魔化されてしまう方とか。いや!よくわかるんですよ、誤魔化されてしまうのは!モデルルームって、お客様の家賃や年収、家族構成など、普通聞かれることのないプライベート情報をいきなり聞かれてしまうから。そういうのは不動産の営業くらいしかありませんからね。
A:しかし、何も話されないと、こちらからなんの提案も提案できないじゃないですか。会話も進まないし、物件のご紹介もできない。本当はお客様に寄り添ったご提案をしたいんです。すぐにソーシャルに拡散される世の中、もう強引な接客とか完全に騙したりとか、そういうのはできないんですよ。せっかくご来場いただいたのだから、少しだけ信頼していただきたいな、と。
Q:逆に営業マンから見て、嬉しいお客様というのは?
A:これはもう、目的と優先順位が最初からはっきりされている方ですね。住宅を買う目的が無いと、なかなか数千万円の買い物をしようという気分にならないし、優先順位があやふやだと、いつまでも決められなくなってしまう。最初から私はこういう生活を望んでいる、としっかりしている方は、何事もバシっと決められますね。我々としても相手にしやすいです。
目線が合わないお客への対応
Q:これは興味本位で聞くのですが、明らかに場違いなお客様が来られた場合どうされるんですか?
A:場違い、というよりも目線が合わないお客様はたまにいらっしゃいますね。これ2つのパターンが有りまして。ひとつめは「まったく予算が合わない」もうひとつは「条件が合わない」。例えば「港区の高級タワーマンションに、予算5000万円まで」というお客様が来られて、紹介させていただくお部屋が無いという場合。これは、時間があればご予算に合う他の自社物件をご紹介します。
Q:なるほど。それでは条件が合わない、というのは?
A:バリバリのキャリアDINKSが郊外の駅から離れた物件を見に来られた、とかそういうときです。「将来は緑豊かで落ち着いた環境で子育てをされたい、そう思われていませんか?」など、ライフスタイルのご提案をさせていただきます。
好不調のバロメーター
Q:マンション販売も物件によって様々だと思いますが、どこで物件の好不調を測るのでしょうか?
A:みなさん、一通り見学された後、最後に「アフターアンケート」を書かされると思いますが、あれ我々にとっては重要なんです。各社で表現はそれぞれ違いますが、「前向きに検討している」と回答された人の割合が6割を超えると、この物件は好調だなと考えます。また、「価格を高いと思う」と回答された人が、4〜5割に収まっていると、これも売れるという感触を得ますね。
Q:といっても、アンケート結果は消費者にはわからないわけで…外から見えるものはありますか?
A:勢いがある物件となると、マンション販売においていちばん重要なのは第一期です。例えば戸数が100戸の物件があったとします。第一期販売で全戸の4割が出せると、それは勢いがある物件と判断します。逆に、20%、いや最近は更にそれを下回る物件もありますからね。そういう物件は今後の販売に危険信号が灯ってますね。
A:ただし、これはデベロッパーによっても違います。◯井さんのように、高値の追求をせず、売っていくスタイルであれば、先程の基準が目安でしょうし、◯友さんのような”焦らず、適正利潤の追求”というスタイルであれば、20%でも気にされていないと思います。あくまでも一般的な傾向とお考えください。
値引きのにおいとは
Q:消費者にとって、気になる「値引き」。この値引きがある物件、ない物件はどのようにわかりますか?
A:もう我々の必死感を感じていただければ、ですね。広告ににじみ出てきます。たとえば「行くだけで家電をあげる」とかそういうキャンペーン張っているマンションは値引きやっています。ホームページや広告などでその、におい、それを感じとって欲しいですね。
Q:値引きのオファーがありそうな時期はありますか?
A:ずばり、竣工直前直後。そして期末。この2つです。マンション販売で竣工するとデベロッパーから建設会社へ大きなお金が動きます。その時どれだけ販売が消化しているか、それで値引きのあるなしが決まりますね。あとは期末。ここまでにこれだけの売上を立てないといけないという必達目標がある場合、売主も焦ってますので、値引きが通りやすい時期であります。
Q:といっても、3月に行っては遅いですよね。
A:はい。購入意思の決定から実際に購入するまでにどんなに早くても1ヶ月はかかります。ですから、1月に初回訪問、2月に購入決定、3月竣工&入居の短期決戦スケジュールだと値引きが出やすいですね。
Q:といっても、値引きありきは本末転倒な気がします。
A:おっしゃるとおりです。値引きされたからお得、とは限りません。相場から高い値段から値引きされてようやくフェアバリューになっただけかもです。やはり、長くお住まいになる場所ですから「値引きが出るマンションだから買う」それありきで決めるのは良くありません。ご自身のライフスタイルに合って、無理ない返済で実現しそうなら、それが一番いいのではないでしょうか。
ありがとうございました。
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