マンション販売の表記は壁芯面積ですが、実際に住んだ時に使えるのは実質面積は「内法面積」ですが、実際に購入するまで、定義を知らない方も多いと思います。壁心・内法の違いはここを見てください。
さて、実効面積率=(内法面積/壁芯面積)×100%と定義した場合、計算してみるとH社施工のマンションや、耐震タワーマンションは実効面積率が低く、免震マンションは高くなる傾向があります。図面で例を挙げてみましょう。
とあるH社施工・70㎡マンションの間取り図
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SKYZ(免震タワーマンション)・70㎡間取り図
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販売時に使われる壁芯面積は、文字通り「壁の中心から計った面積」のため、壁が厚いほど実効面積的には不利になります。
15階程度までのマンションは、隣との戸境壁をコンクリートで造ります(これを湿式壁といいます)。タワーマンションは壁までコンクリートにすると重量を軽減できないため防音効果を高めた石膏ボードと吸音材で作る壁(乾式壁といいいます)で間仕切りします。
コンクリート製の壁は180〜200mmが多く、乾式壁の場合136-150mmとなっています。
多くのマンションを手がけているH社施工のマンションの場合、このコンクリート壁から鉄骨または木軸を組み、石膏ボードを貼付ける工法が取られているため、さらに+100mmほど壁が厚くなります。
壁芯面積分のロス計算(↓クリックすると大きくなります)
計算してみると、H社施工の場合、住戸を囲む壁が25mあると5平米分損します。
一方、免震タワーマンションの場合、壁による損失は壁長さが25mですと1.7平米のロスで済む事になります。ちょうど1坪程度違うことになりますね。
二重壁にすることのメリットとして、「壁にビス打できる、壁面コンクリートの収縮を多少無視できる」というメリットがありますが、面積ロスを考えれば釣り合うとは思えません。私は、この工法はあまり好きではありません。コンクリート壁を平滑面に仕上げずに済むという大量生産に適した業者側メリットしかないと考えます。
一方、耐震タワーマンションが免震に比べて実効面積が劣る理由は別にあります。
耐震構造を取ると、柱断面を大きくしなければならず(上に乗るものが重いため、より太く強く作らなければならない)、柱本数も多くなるため部屋の真ん中に柱があることも珍しくありません。この点で柱が細く、少なくて済む免震より実効面積率が不利になりがりです。具体例を上げると、、、ちと生なましいので、ご興味ある方は検索してみてください。
震災後のタワーマンションのトレンドは制震or免震になりました。特に免震構造を取ると、同じ平米数でも多少広く使える間取りになる確率が高まります。
70平米程度の部屋で、内法面積が5平米以上違うと、「あれ?おかしいな?思ったより狭い」と感じるかもしれません。
この辺はよくシミュレーションをされることをおすすめいたします。
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