東京カンテイのマンションPBRランキング2016が公表されました。これに基づいた記事が、東洋経済でまとめられています。
マンションPBRの定義は、
「新築価格は①2006年~2015年に分譲されたマンションの70平米換算平均価格、中古価格は①から発生した中古事例の平均価格②、この一定期間内に分譲されたマンションの資産価値が新築分譲時の何倍になっているかを示した値(=②÷①)」となっています。要は10年間経って、当時買ったマンションの騰落率を示すもので1倍を超える駅のマンションは新築時を超える価格で取引されているということです。
このうち、PBR上位駅首都圏6000万円以上のランキングについてはよくわかるのですが、庶民版の4000万円未満ランキングについては、図にまとめてなるほど、と思う部分があったので公開します。
上記表の駅を、Googlemapでプロットした図です。橙色が上位駅・赤色が下位駅となります。
マンションPBR上位/下位駅(新築価格4000万円未満)のプロット図
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新築4000万円未満となりますと、東京23区はほぼ対象外になりますが、わずかに東武亀戸線小村井駅が入りました。
東武亀戸線は亀戸と曳舟を結ぶ2両編成のワンマン電車で、山手線駅直結のメジャー路線ではないです。PBR首都圏6位の小村井駅は2013年までは駅前で3000万円台のファミリーマンションが販売されていた23区では数少ない場所でした。
その他はほとんど川崎・横浜の海側に偏っているのがわかります。尻手・生麦・小田栄といった駅は失礼ながらいままであまり注目を集めていませんでした。
逆にPBR下位の駅は首都圏広範に広がっています。籠原駅はスペースの関係上割愛させていただきました。この4000万円未満PBR上位と下位をわけたもの、2つの補助線を引くとわかります。
マンションPBR上位/下位駅(新築価格4000万円未満)のプロット図・東京駅距離追加
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東京駅から20kmと30kmの円です。目分量なので厳密に正確な距離ではないのでご注意ください。
ここでわかることは
- PBR上位の駅は東京駅20km~30km圏内に収まることが多い
- PBR下位の駅はすべて東京駅30km圏外
となることがわかります。新築買うなら30km以内にしといたほうが資産価値の目減りはすくないというのはこの図からもわかります。また、今回PBR上位の駅はいわゆる「ブランド住宅街」である駅はひとつも乗ってないことがわかると思います。どちらかといえば、あまり注目されていなかった駅が大規模マンション開発で東京駅からの近さで見直されたか、もしくはそもそも新築販売が底値で売り出されていて、周辺価格の上昇により相対的に上昇したパターンのいずれかだと考えます。
町田はちょっと残念でしたね。坪260万のアトラスタワー町田と坪250万のプラウド町田マークスが見かけの新築マンション相場を上ブレさせてしまったのかもしれません。私は駅前で何でも揃って、新宿行きの急行が止まる郊外中核都市の良い事例だと思っているのですが・・・
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