本ブログでもたまにデータを利用させていただいている住まいサ〜フィン・沖有人さんの本です。TwitterやAmazonの評価が良かったので買ってみました。
マンションは10年で買い替えなさい 人口減少時代の新・住宅すごろく (朝日新書) 沖有人朝日新聞出版 売り上げランキング : 568 |
自宅マンションを単に「資産」として見る人は多いですが、常に売ったり貸したりできる不動産投資と見る人はあまりいません。(だから”新しい考え”としてロバートキヨサキの金持ち父さんが流行った)ほとんどの人は、「一生ものの住まい」として新築マンションを買います。
本書のユニークなところはこうした見方を真っ向から否定し、住宅購入を投資と考えて、価値が落ちないマンションを10年毎に買い替える事により自分の資産を殖やしていこうと論じています。そして、中古マンションを購入するのではなく、一般的には割高である(と考えられる)新築マンションを購入する事で可能になるそうです。
では、なぜ10年毎の買い替えなのか?
本書の理由を参照しますと、
- 政府の住宅政策は、新築購入に有利である(固定資産税が安い等)
- 販売時の都合で初期の修繕費が安く押さえられている
- 問題が起きそうな大規模修繕前に売ってしまう
- 含み益は売却しないと顕在化しない
1、2、4はマクロ政策や業者の都合による市場歪みを利用して自分の利益とし、含み益があるうちに売却するという主張です。問題は3で、いや確かに正しいけどさぁ、、、少し眉をひそめてしまうのは自分が教条的なのでしょうか。
結局のところ、不動産は巨大なババ抜きで、大規模修繕が必要になる頃には自分の手札がババになる可能性が高いので、早いところ手放して次の手札を作りましょうというのが本書の根底に流れる考えです。
とはいっても、人間は社会性のある生き物ですから10年経った頃には、子供は学校で友人ができてるし妻はご近所ネットワークの一員となってるし、旦那もマンションの草野球チームに入って練習終わったら飲むのが普通(?)でしょうから、そう簡単に住み替えられるかは疑問です。
ある意味、都心のタワーマンションのように、ご近所付き合いが希薄化した今だからこそこういう手法も受け入れる人が出てくるだろうなというのが正直な感想です。
また、本書によると2013年は新築マンションの買い時だそうです。確かにリーマンショック前の2007年よりは100倍買い時だと私も思います。ただ、湾岸に限って言えば今年から来年にかけて弱含みで推移すると思います。理由は、ここ数年でかなりの戸数が売り出されて供給が強いと考えるからです。本音で書けばこの予想は外れてほしいけど。
この本に書かれている事を実行できるかどうかは別として、780円の価値はあります。
都心のマンション購入を考えている人・買った人は一読されてはいかがでしょうか。
【目次】
第1章 ― 住宅コストは賢い人ほど下がる
★1節 ⇒ お金を生むマンション・お金を喰うマンション
★2節 ⇒ 分譲マンション8つの真実
★3節 ⇒ 人口減少・長寿命時代の住み替えタイミング
第2章 ― 自宅マンションを「資産」にする7つの法則
●過去のマンションに成績をつける
●細かい損得計算はちょうどよく相殺されてしまう
●儲かったマンションはこれだ!
●法則1―買ってはいけない時期がある
●法則2―単価の高いエリアが底堅い
…などなど、18項目
第3章 ― 人口減少時代のマンション購入の極意
●マンション格差を生み出す4つの要因
●新築価格は適正価格とは限らない
●インサイダーが最も失敗した
●需給バランスで販売期間が変わる
●新築と中古の販売方法の違いが価格ギャップを生む
第4章 ― 絶対に破産しないローンの払い方・売り方
★1節 ⇒ 月々の支払い最適化
★2節 ⇒ マンション売却の極意
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