リノベーションが流行しています。
リノベーションとは単なるリフォームというよりも空間の再設計と言えます。新築に比べて安い築古マンションを購入し、内装・間取り・機能を個人の好みにより近づけるのです。
もともと住宅は、非常に趣向性が高いものです。資産性を考えるような住宅購入が一般化したのはここ15年で、それまで住宅はフィーリングや勢いで選ぶものでした。ワールドビジネスサテライトのリノベ特集で築47年物件リフォームを見たときの感想は、その路線への回帰だなとの感想を抱きました。
画像出典:リノベる公式Webページ「施工事例」より(一部画像加工しています)
築古のマンションは、床スラブ厚が現代より薄く、耐震性は以前の基準で作られており、専有部の配管はともかく共用部の配管状態を調べることは不可能です。また玄関や窓はこちらで取り換えることはできません。(【築40年 マンション 配管】でググるとうっとなる画像が・・・)
もうひとつ気になるのは、マンション建て替えとの関連です。
マンション建替え事例を調べると、築30~40年の間に事例が集中しています。ということは、築40年を超えるマンションなら建替えの話が出てもおかしくありません。話が一切ないのだとしたら、「管理に自信がある」「何らかの理由で建替えられない」「建替えるほどの立地ではない」「放置」のどれかなのでしょう。管理に自信があるならいいのですが、外部からその状態を調べるのは難しいです。
70平米前後のリノベ事例を見ると費用が1000万円を超えるのも多いのですが、やっと入居した時に建替え準備組合が発足したら目も当てられません。
もうひとつは、築47年を超えると、建物に銀行融資が全くつかなくなってしまいます。建物分の固定資産はゼロ評価になるのはよいのですが、自分は購入できても次の買主を探すのが困難になるでしょう。ですので、リノベ物件を購入する際は、土地評価額をチェックしておく必要があります。
区分所有ではなく、もともと賃貸や社宅として使われたマンションを一棟リノベする物件も出てきています。こちらについては、配管や耐震性のチェックは済んでいるでしょうからよりマシかもしれません。
前回のエントリで述べたように、築20年から先の値下がり率は新築〜築20年までに比べると緩和されますので、築40、50年でなくても、築20年前後の物件を探すのはどうかなと思います。また、リノベーション費用は非常に高いので、ご自身で勉強を兼ねて発注すると費用をだいぶ抑えることができます。
ただ、リノベ事例を見るとわくわくするのは、私も同感です。
万人向けの物件は高く売れますが、没個性的で、個人の好みによりフォーカスした内装の方が楽しそうだからです。資産性には目をつぶって、より楽しい生活にお金を投じるという選択肢は理解できます。
ということは今の最新スペックのタワマンも築40年経つと、同じ道を歩むということでしょうか?
NYだと、築100年のマンションは普通に
取引されてるますが、東京がそうなるのは難しいのですかね。
残念ながら。
容積率の充足程度が100%前後の、千代田、港、中央などは、政府の緩和措置が打ち止めになれば、安価な新築の大量供給が無くなる可能性が有ります。
そうなればニューヨークの様になって行くかも知れません。
弊の希望的な予想です。
リノベ本で勉強し、築約30年のマンションを購入してリノベしました。
室内はほぼほぼ思い通りに変更出来ましたが、そもそもの構造が30年前というのを思い知りました。
記事に書かれている通り、
壁が薄いので上下左右の部屋の振動が響いたり生活音が聞こえますし、
窓は昔の重たくて滑りが悪い窓で変更出来ません。
比較的高層階なのですが、バルコニーの柵が頼りなく、すきまから下が見えて嫌です。
共用階段は雨が入り込んで水が流れない部分があり、コンクリートに苔が生えたりもしています。
(配管は改修前なので、ググった画像の通り汚れていると思います)
作り的にどうなのよ?って部分が結構あり、
次からはもっと共有部分をしっかり見てから買おうと思いました。
逆に言うと、築20年を買った場合、将来のオプションが限られますね。(売りにくいわけですから)