住宅ローンや資金繰り

住宅ローン減税が40平米以上に対象拡大?また控除額も見直し?その影響とは

日経新聞にこのような記事が出ていました。のらえもんは40平米への拡大はともかく控除額見直しは反対ですッ(ポジショントーク)!

住宅ローン減税、控除額見直しへ 22年度にも
2020年12月3日 2:00 日本経済新聞

政府・与党は住宅ローンの控除額について、2022年度にも見直すとの方針を税制改正大綱に明記する方向で調整する。現行は借入残高の1%が所得税から控除される仕組みだが、低金利時代に合わないと会計検査院が問題視していた。

実際に支払った金利分が借入残高の1%に満たない場合は利払い分のみを控除する案が浮上。21年度の改正では13年間の控除が受けられる制度の特例を2年延長し、対象物件の規模を50平方メートル以上から40平方メートル以上に広げる。面積の要件緩和には1千万円程度の所得制限を課す案が出ている。

えー、この記事が出てTwitterはザワつきはじめました。私の元にもメールで質問がきたので、情報を整理してお伝えしましょう。

今、住宅ローン減税を受けている人はこの見直しに関係あるの?

関係ありません。現時点でわかっていることは、2020年までに10年以上の住宅ローンを組んで住宅を購入すると借入残高の1%が減税されます(新築もしくは消費税を払って住宅を購入した場合に限り1年間最大40万円、中古の場合は1年間20万円)。このルールはいますでに減税を受けている人の既得権になっています。

こう呟いたとおり、基本関係ないでしょうね。

2020年に40平米台を購入した場合、制度改正の影響は受ける?

私宛にこんなメールが来ました。

ーーー
のらえもんさんに質問です。現在の適用条件を満たさない購入済みのマンションが、新しい条件は満たす場合、減税を受けることはできそうでしょうか?
■例:
2021年度から床面積の条件緩和が適用された場合、
2020年に4,500万円(35年フルローン)で購入した
47㎡のマンションは減税対象になるのでしょうか?

すぐわかったのですが、税金のことですから、顧問税理士に意見もらいました。
「対象になりません。制度改正に特例条項が入れば別ですが、たぶん入らないでしょう」

2024年入居物件はどうなるの?減税額が変わる?

基本的に、契約時期と入居の時期が問題となります。

2020年に契約して、2024年に入居する物件に関しては、財務省から特段の例外がつかない限り、新ルールの適用になりそうです。この新ルールは先程の報道では「実際に支払った金利分が借入残高の1%に満たない場合は利払い分のみを控除する」と書いてありますので本当にルール改正されたら、1%近い金利で借りるならともかく、変動金利0.5%で借りて購入する人は、現在よりも減税額が減ることになるでしょう。

利払い分の控除かつ上限額がわかっていない状態ですからわかりませんが、上限額が現行と同じなら8000万円変動金利を一人で借りる人なら、減税額は現行と変わらないかもしれませんね。

例えば、HARUMI FLAGパークタワー勝どきなど、湾岸の超巨大物件が2024年入居となりますが、もしお買い替えの場合なら住宅ローン減税は捨てて3000万円特別控除を使ったほうが良くなるでしょう。ここが最初の購入の方は…いま入居できる物件よりも減税枠としては不利になります。→そもそも住宅ローン減税の現行制度がいつまで続くのかはまだ決まっていないのですが。

住宅ローンの変動金利が上がる?

現行の住宅ローン減税では、借入残高の1%ー実際に借りている利率が(残高4000万円まで)いわば純粋な減税分として受け取れました。ですので、利率が低い変動金利で借りる根拠がありました。利率が低いネット系銀行はほとんど融資手数料が2.2%でしたが、10年で考えれば元が取れました。

しかし、当初10年とは言え、利払い分のみの控除となるなら、わざわざ変動のリスクを取り、かつ高い融資手数料を払ってまで低い金利にする必要があるでしょうか?融資手数料が安くて金利が高い銀行を選んだり、1%になるべく近い長期固定金利でもよいのでは?また、当初10年は1%にしておいて、その後は0.5%になる住宅ローン商品が出てもおかしくありません。

しかし、理論的にはそうなのですが、住宅ローンという商品はほぼ横並びです。変動金利は日銀の姿勢が変わるかどうかの方が影響が大きいように思えます。

40平米台の1LDKや2LDKの価値が上がる?

ぶっちゃけわかりません笑
スムログ和田さんの分析も合わせてご覧ください。

今買ったとしても、住宅ローン減税が受けられません。では新ルールに移行した場合は?同時に金利補填程度であれば、住宅ローン減税は今ほど美味しいものでもなくなります。また、新築で購入するならともかく、中古で売る場合は買い手が受け取れる減税枠は新築に比べて半額です。これは住宅ローン減税が消費税増税のバーターとして導入された経緯からです。中古の場合でも、売主が個人ではなく法人で、値段が消費税込みの値段であれば新築と同じ減税枠になります。

現状、50平米前後の中古マンションで住宅ローン減税の適用可否で値段が変わる(これは築24年と25年の境目も同じ)とは、聞いたことがないので、些細な程度の差だと考えます。

内法40-50平米の中古マンションの特殊ルールが加わりそう

これは国土交通省に直接問い合わせた人から聞いた話ですが。

「築10年の45平米マンションを中古で購入した。しかし、国土交通省に問い合わせると40平米台の住宅ローン控除は所得制限だけでなく、消費税課税業者から買わないと適用にならないというルールで運用するとのことだった」
これ重要な指摘ですね、これが本当だとすると:

  • 新築マンションで内法40平米以上50平米未満→住宅ローン控除対象内
  • 中古マンションで個人が売主の場合→住宅ローン控除対象外
  • 中古マンションで法人が売主かつ課税業者の場合→住宅ローン控除対象内

上記で書いた「40平米台の1LDK、2LDKは、新築時なら住宅ローン控除分の価値があるが、中古だとその効果が無くなる」ということになりますね。中古マンションで住宅ローン控除を狙うなら内法50平米以上を狙いましょう。減税枠は新築の半額となりますが。

 

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コメント

  • コメント (4)

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    • ぱおぱお
    • 2020年 12月 03日

    2022年4月入居のマンションは、現行制度ではなく新制度になりますか?

    • たくろー
    • 2020年 12月 04日

    こんにちは。
    メールへのご回答ありがとうございました!
    その他の内容も参考になりました。

    • ぐれ
    • 2021年 3月 19日

    改正がまだ施行させていませんが40平米緩和についてこういうことでしょうか。

    ~2020年12月購入 2021年1月-3月 居住の用を供す
    →昨年と同じ改正適用日(1月1日以降入居)で新制度

    ~2021年3月購入 2021年4月-12月 居住の用を供す
    →新制度適用の可能性大

    ~2021年4月購入 2021年4月-12月 居住の用を供す
    →新制度適用の可能性大

    この場合2021年の1-3月に入居した人は訴求適応となるんでしょうか。

      • のらえもん
      • 2021年 3月 20日

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