のらえもんの相談メールには日々様々な相談が寄せられます。返信内容について相談者様の許可を取った上で皆様にも共有いたします。
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のらえもんさんこんばんは!
今年3月から念願の新築マンションに引っ越しました。間取りも良く、新生活を楽しんでいたのですが、一つだけ気になることがあります。
それは、お隣?の子どもの足音です。朝から夜までバタバタバタ…と聞こえるんです。部屋の中だけではありません。内廊下を元気よく走る音まで聞こえてきます。
先日まで住んでいたマンションではこういったことはおきませんでした。これはこのマンション特有の問題なのでしょうか?それとも、お隣さんがうるさいだけでしょうか。
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この相談に対してのお答えはもう「生活騒音に対して、あまり気にしてもしょうがないので音楽でも薄くかけて新居生活を楽しみましょう」としかいえないのですが、耐震タワマンだと足音が気にならなかったのに、免震タワマンだと気になったという点に引っ掛かりました。
突っ込んで聞いたところ、70平米で理想的な間取りを実現している湾岸エリアの某免震タワーマンション、それまで住んでいらっしゃったのは耐震タワーマンションでした。こちら平面図を出してしまうとわかる人にはわかってしまうでしょうけど、このような感じになっています。
では近隣の耐震タワーマンションは?このような平面図になっています。70と書いているところはほぼ70平米ということですね。
上下比べたらお分かりになると思うのですが、70平米の広さに対して、耐震タワマンは廊下部分含めて柱が5~6本使われています。免震タワマンの方は明らかに柱が少なく、4本。2本の部屋もありますね。
ラーメン構造のマンションは、柱とそれをつなぐ梁に、コンクリートの床を敷きます。子どもに限らず、足音はコンクリートの床がたわんで他の場所に伝わるため、騒音として聞こえることになります。免震タワマンは、免震ゴムが支えられるように上部構造を軽く作る必要がある(軽く作れる)ので、柱は少なくて済みます。柱が住戸の外に出してしまえば、実質使える面積は大きくなります。
しかし、騒音面で考えればデメリットにもなります。コンクリートの床厚を固定したうえで、梁の位置を離してみれば物理的にたわみ量が増えるのが想像できるはずです。(なお、通常なら振動を抑えるためにコンクリートの床厚は増されます。事例に上げたこのタワマンも同じです。)
(のらえもん作成。この図は説明のためで実際は梁と柱は一体化されています)
ということで、免震タワマン+ワイドスパン住戸は、物理的に騒音面で不利な構造となります。この点を理解したうえで、あんまり隣近所にうるさい!といがみ合うよりも自分の気持ちの許容量を増やした方がいいでのでは?とアドバイスさせていただきます。デベロッパーは「邸宅」として売りますけど、物理的には長屋と一緒です。同じ長屋の隣近所に住んでいるもの同士と考えれば、寛容さも高まるはずです。
え?そうとわかっていれば、免震タワマンにしなかったですって?物事はすべてトレードオフの関係となります。騒音を避けたいのであれば、戸建てに住むしかありません。しかし、単純な田の字間取りとワイドスパン、どちらがいいですかね?間取りが良いことは何事にも代えがたい物件の魅力だと思います。
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