前回の「年収1000万円からのマンション購入」はかなりの人に読んでいただけたようで、概ね好評だと理解しています。
エントリで主張した骨子は以下のとおりです。
- 年収1000万円。達成感のある数字ではあるが、東京ではありふれたクラスであり、東京23区中心部の新築マンションを買うには届かない。
- つま先立ちして買うのが良いことだと思えない。そこでいくつか妥協をすれば、東京でも家を買えるだろう。
- 選択肢としては、新築パンダ部屋・中古・狭い部屋・ミニ戸建などである。
ということで、今回のエントリは「築年数が経過すると価格が下落するなら、◯◯区に中古マンション買うなら築何年が目安なの?」をマジメに考えてみます。
前回のエントリで、年収1000万円で新築ファミリーマンションは微妙に届かない区として「中央区・文京区・世田谷区・中野区・杉並区・豊島区」を上げさせていただきました。
こちらの区について中古成約を調べてみました。あまりにもデータが膨大になるので、REINS Market Infomationでのグラフ化機能を利用しています。データの抽出条件としては「平米単価60〜80万円(坪単価198〜264万円)」「60〜80平米」「駅徒歩10分」です。つまり「成約価格3600万円〜6400万円」ということになります。
借地権・定期借地権物件は除外したかったのですが、オプション項目には無いので入ってます。
中央区2017年成約データ(赤い△が坪198〜264で60〜80平米、駅10分の該当データです):
文京区2017年成約データ:
世田谷区2017年成約データ:
中野区2017年成約データ:
杉並区2017年成約データ:
豊島区2017年成約データ:
おまけで、台東区・品川区・港区も付けておきます。
台東区2017年成約データ:
品川区2017年成約データ:
港区2017年成約データ:
驚くことに、目黒区は条件に当てはまる物件はありませんでした。
こう見てみると、2000年〜の築20年以内物件で、都心〜準都心と言えるこちらの区でも条件にに入ってくる成約事例は意外と多いということがわかります。世田谷区だと、1990年代がブ厚く、港区当たりだと1970年代でもお値段がついていることも多いことがわかりますね。
ただし、実データを細かく見ると、借地権マンションを除き、大規模マンションは殆ど入ってきません。数十戸程度の中小規模物件の取引がメインとなります。そもそも上記挙げたエリアに大規模は少ないんですけれども。
(追記)
グラフだけじゃ分かりづらかったので、目視で「取引が確認される築年数帯」と「メインとなる築年数帯」にマークを付けてみました。
こうみると、値段の下落率が落ち着くという築20年近傍付近で坪230〜250くらいで買えるマンションが多いことがデータからはわかります。築20年というと内装のリフォームは必須でしょうから、そのお金も考えないといけませんね。
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