各社10月の住宅ローンの金利が出ましたね。まずは9月21日に発表された日銀の「総括的な検証」から、今後の住宅ローンの金利動向を考えましょう。
簡単に言えば、「インフレ率2%を達成できなかったら、新しい枠組み長短金利操作付き量的・質的緩和をインフレ率2%達成までやるね!」ということになります。
イールドカーブ(横軸に残存期間・縦軸に債券利回り、右肩上がりのグラフになる)をコントロールするために、日銀はこれから各年限の国債について、指値買い入れをします。国債の10年債を「ゼロ%で買います」と指値すれば、現在最大の国債の買い手は日銀ですから、10年債はほぼゼロ%近傍で固定されるはずです。日銀の上図イールドカーブ・コントロール図を信じれば、10年より長期の国債は、プラス金利で指値して、日銀が適切と考えるイールドカーブを形成します。
副産物的な効果として、日銀指値金利より、マイナス金利でも手を上げる買い手が市中で多ければ日銀は国債買入額を節約できます。このため邪魔となった平均残存期間の定めは廃止しました。
さて、お話を住宅ローンに戻しますと、この政策が今後うまくいってる間は金利が大きくぶれることは無いということになります。したがって、
「2%インフレが達成されるまでのしばらくの間、住宅ローンは大きく上下することも無く低位安定。いつ借り替えても良いし、もしいま変動で借りていて、借り換え先の固定金利より低い金利なら、しばらく待っても良い」
ということになりますね。
フラット35の金利推移は上記グラフのとおりとなります。やっぱり8月がとにかく安かった!で、今月も先月に引き続きり若干の上げとなりました。また、15~20年金利と21年~35年金利の幅が広がりました。これは、8月9月の国債金利イールドカーブがフラットだったことの証ですね。
フラット35 21年以上・20年以下推移グラフ
ほとんどの方が選択するフラット35・21年~35年の貸出金利は、先月より0.04%上がり、1.060%となりました。先月と比べても誤差の範囲ではあります。
画像出典:住信SBIネット銀行フラット35ページより
一方、借換固定10年業界の覇者、りそな銀行の金利は変わらず、引き続き0.45%でした。
「団信革命セット」は、これから健康状態が悪化しそうと予測する人なら、考えてもいいかもしれませんねー。金利がプラスになるので諸条件はりそな銀行にて確認ください。
画像出典:りそな銀行Web申し込み限定プランページより
参考URL:「住宅ローン=借金=悪」の意識がもたらす不自由
住宅ローンを低金利時に借りることは、元本が早めに減少するので、将来の不動産相場下落時の保険ともなります。たとえ下落を待っていたとしても、相場下落がそれほどの落ち込みで無かった場合は、待っている時間とその間の元本減少スピードの方が速くなるからです。
上記記事の試算についても、今度時間があるときにエントリにします。
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しばらく金利は動かないと思いますので、変動で借りて、いずれかのタイミングで長期固定に変更ですかね?
そんなに上手くいくかわかりませんが、黒田総裁の任期中は大丈夫かなと思いたいところです。
しかし、もう一発バズーカーを撃たないですかね?