リビオシリーズを手掛ける、日鉄興和不動産。
2018年の首都圏新築マンション供給ランキングでは第6位と、のらえもんブログでは今まで取り上げたことが無かったのですが、近年供給を徐々に増してきているデベロッパーです。我らが湾岸エリアにも月島と勝どきでマンションを開発しています。
財閥系デベロッパーとはまた違った形で、これからリビオがどういう住まいづくりを行うのかがわかる「プラスワンライフラボ」のポップアップギャラリーが月島にできているというので行ってきました。
ここを見学する限りは特に営業されない、とのこと(笑)
ギャラリーは、リビオレゾン月島ステーションプレミアのモデルルームと同居しています。佃權月島ビルヂング(読めない)の2階。月島マクドナルドから徒歩10秒です。
モデルルーム入って右側がプラスワンライフラボ。
リビオの1LDKプランは基本的に30平米〜33平米の単身世帯向け。これから結婚しない正社員男女が増えていく一方ですので、「単身実需マンション」という存在はニーズがあるようです。40平米くらいの単身1LDKではなく、25平米の投資向けマンションでもない。30〜33平米という空間の中で、何を削ぎ落として何を付け加えるのか。財閥系がいま手がけていないリビオならではの提案をどうしていくのか、それを正面から考えた企画のようです。
今回は、女性向けの企画ですが、そのうち男性向けの企画も考えているとのこと。
おひとりさまがマンションを買うなら、何が良いのか。
素敵なうさぎライフ研究所※という企画で、単身実需用分譲マンションを購入するだろうペルソナを10人くらい作り、彼女たちはどういう暮らしをしたいのかヒアリングを重ねたそうです。そして、実際に30から33平米という箱の中に商品として収めるには?という研究成果が、こちらの3つの部屋です。
※あえて「うさぎ小屋」からとったネーミングとのこと。マンション価格高騰のさなか、うさぎ小屋を肯定した上で、どういうことができるかなと考える姿勢、それはアリかもなぁ。
(3人のペルソナに合わせこんだ商品企画。クリックすると大きくなります)
まずは、自宅を仕事場にする人のための部屋。家の中で仕事をするために、キッチンは独立型。収納は壁面棚を使います。モデルの人はミシンでの仕事もすることを想定していますので、床はフローリングシートではなく、針が探しやすいタイルにしました。
次の人は、バリバリのスポーツウーマン。洗濯物が大量に出るため、洗面用とは別の専用シンクを用意。そして反対側には収納棚を設置します。
そして、汗が床に落ちて染みるのが嫌なため、床は水に強いものとしました。天井はモノが釣れるようにして、もちろん補強しています。狭いけどミニトレーニングルームがある生活、ということです。
作り付けの棚とはせずに、有孔ボードを使って壁面収納にするというのもコンセプトへのこだわりがありますね。
そして最後はナチュラル志向の人向けの住まい。商品として落とし込むのが大変だったと担当者は言ってました。都会でも常に自然を感じるにはどうすればいいか?答えは、人工の天窓をつけてしまおう、とのこと。LEDを使って青空と太陽を表現しています。あと壁は珪藻土にしています。
入り口向かって左側の壁が白く輝いているのは天窓から太陽が差し込んでいるからですね。天井が低いのでは?と思った方、鋭い。こちらの照明器具、厚さが450mmほどもあるので、2500mmの天井高だとどうしても圧迫感が出てきます。そのため、家具は低いテーブルとソファーにしたそうです。
この間取りは、これから実際に商品として販売されるとのこと。変更オプションの価格等はまだ調整中のようですが、住宅ローンに組み込むなど申し込みしやすい工夫を考えているそうです。
自分自身のこだわりにお金を使う、ミレニアム世代向けの商品ということですが、いろいろと興味深いですね。自動車業界ではオプションで自分を表現したりカスタマイズがかなり可能ですが、住宅業界のカスタマイズとなると、フルリノベとなって相当なお金がかかります。土地原価と建設費の上昇で販売できる専有面積がどうしても限られている以上、家具以上フルリノベ以下のこうした提案は非常に面白いと思いました。
ちょっと前ならイニシアさんがファミリーマンションでユニークな企画を考えられていましたが、それの単身分譲バージョンという印象を受けました。新築分譲マンションという商品は長らく、立地・間取り・仕様・価格の4要素で差別化されていましたけど、更に部屋自体を個人の趣向に合わせて、ある程度パッケージ化かつ最適化された状態で提案するという考え方、大いにありだと思います。案内していただいたデベロッパーの方は、こちらの企画自体に相当自信があるようでした。他デベロッパーも注目しているとのこと。
このギャラリーと同居している、リビオレゾン月島ステーションプレミアのモデルルームも見学できたので、年明けにそちらもレポートいたします。
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