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海外の不動産投資事情やこれからアツい国・エリアについて、海外不動産オタク風戸氏に聞いてみた

昨晩、Twitterのスペースで海外不動産をテーマとしたお話を、”海外不動産オタク”風戸 裕樹さんとお送りしました。流すにはちょっともったいないトーク内容だったので、簡潔にまとめてここで公開しようと思います。

こんなかんじで告知を作ってくれたんだけど、タワマン対決というよりも、日本土海外の不動産商慣習の違いから、今後アツイ国、いま注目の海外マンションまで幅広いお話となりました

のらえもん(以下、の):みなさんこんばんは、のらえもんです。今夜はProperty Access風戸さんと、日本と世界の不動産事情について1時間ほどお話ししたいと思います。風戸さん、よろしくお願いします。まず自己紹介をお願いします。

風戸氏の自己紹介

風戸氏(以下、風):みなさんこんばんは、私はProperty Access風戸と申します。のらえもんさんとは、ひょんなきっかけで知り合いました。私は海外の不動産、特に東南アジアやドバイ、オーストラリア、アメリカの不動産を取り扱っています。元々は湾岸エリアの不動産の仲介をしていましたが、その後ソニー不動産の設立に携わり、2016年以降は海外の不動産を取り扱っています。

の:私のスペースなので、聞いている人は、東京湾岸エリアの人が多いと思います。キャリアの最初の頃は、湾岸を自転車で回っていたとか?

風:はい、独立前にオークラヤ住宅という三和銀行の不動産会社に入社し、当時は湾岸エリアを担当していました。月島・勝どき・築地をバイクや自転車で回りながらチラシを撒いていました。その後2010年に独立し、「売却のミカタ」としてサービスをはじめて、2014年に会社がソニー不動産に買われたので、そこの設立メンバーとなりました。しかし、ソニー時代の同僚たちがAppleやSAMSUNGの話をする中で、少し違うなと思い、シンガポールに移住して不動産ビジネスを始めることを決意しました。それが2016年ですね。

の:まだその頃はお会いしたことはなかったのですが、共通の知り合いがいたので、風戸さんがFacebook上で、ソニー不動産を卒業されてシンガポールに行かれたのは知っていました。

風:シンガポールで法人を設立しました。その時わかったのですが、日本の投資家へ海外投資不動産を紹介しているのは、情報商材を売っているような人たちで、透明でないしプロでもない。それはちょっと問題だと感じました。そこで、フィリピンとマレーシアでのビジネスを始め、その後日本の法人を作りました。

恵まれている日本の不動産環境

風:でも実は、日本の不動産の方が利益が出やすいと感じています。

の:それは面白い情報ですね。

風:日本の不動産マーケットはしっかりしています。業者の立場で見ると、買取り、転売も安定しており、6%の手数料を取れる両手取引も可能です。3000万円特別控除もありますし、私も使ってますが、こんな制度があるのは日本だけです。

の:3000万円特別控除は優遇されてますよね。さて、海外不動産投資はチャンスが有ると同時に怖いなと思うエピソードがあって、私の友人がプーケットのマンションを購入して途中まで払っていたけど、結局コロナの影響で建設が中止され、立たずに大損したという話を聞きました。

風:日本の不動産取引や建設費の支払いは特別です。日本はマンションを建設する時は、デベロッパーが10%手付金を支払い、建設中に10%払い、建物が完成したら残金80%を支払います。しかし、海外では、建設が進行するにつれて、出来高払いで建設費を支払うスキームが一般的です。特に、東南アジアの不動産は、このスキームですね。このため、売れ行きが悪いと、建設が中止されることがあります。

の:ほー、私の友人が買ったプロジェクトはまさにそれだったのか。

風:はい、その通りです。デベロッパー側からみた日本のマンションの利益率は20〜30%ですよね?これは金利が低いことと先ほどいったゼネコンへの支払いが完成したら払う仕組みなので、利益率は抑えられています。東南アジアのプロジェクトは、日本とは異なり、国の金利が高いですし建設費の支払いも都度払いですから、デベロッパーは高い利益率を求める必要があります。50〜100%かな?そこが大きく違いますね。あとは、消費者保護も日本のほうが優れている。マンション売買契約をすると、たとえマンションが立たなくても、住宅ローンの支払い義務が生じるんです。

の:中国恒大集団(エバーグランデ)のマンション買った人が銀行前で騒いでいるのはそれですね。あと、現金払いか住宅ローンかで価格が違うのも驚きです。

風:中国の銀行前で騒いでいる人たちは「マンションが引き渡されないのなら住宅ローン払わないぞ!」と怒っているんですね。金利が高い国だと、現金払いは15%割引とか当たり前ですよ。5〜8%の金利環境で3年間のプロジェクトだと、今払ってくれる現金払いの人には15%ディスカウントするほうがいいのです。まとめると、日本の不動産取引のルールや慣習は、海外と全く違うので、十分なリサーチが必要です。

海外不動産投資の魅力とは?

の:そのようなリスクがありながらも海外不動産投資の魅力、メリットはなんでしょうか?

風:2つあります。節税効果とキャピタルゲインですね。節税効果についてはいまもかなり多くの人が「海外不動産を購入することで節税ができる」と考えています。しかし、ある業者がやりすぎちゃって2021年からは、個人の節税は難しくなりました。しかし、いくつかの国はそもそも外国人が土地の保有を制限されているんです。土地の持ち分がないので、建物が100%になる。

の:日本だと、土地と建物で按分されて、建物分しか減価償却の対象になりませんね。

風:ですので一部の国の新築海外不動産に関しては、47年かけてですが100%の原価償却が許されています。もう一つのメリットはキャピタルゲインです。昨今の日本の不動産価格の上昇は正直予想外でしたけど、海外は国を選べばまだまだキャピタルゲインが期待できます。

の:といっても、すべての国ではないんですね?

風:もちろんです。海外の不動産市場にも、価格が上昇するエリアとそうでないエリアがあります。一概にすべてのエリアが上昇するわけではなく、例えば、フィリピンやベトナムなど、特定の国やエリアには投資の魅力があると感じています。

の:アツい国のアツいタワマンってありますか?

カンボジアの77階タワーマンション

風:私が推奨する国はカンボジアですね。カンボジアで、日本人デベロッパーが非常に頑張っていて、いま77階建てのタワーマンションを建設している方がいます。この人に会いに行ったのですが、すごいなこの人って感化されました。プノンペンに建設される「J-TOWER 3 SOUTH BKK1 CONDO」。いまカンボジア国内で一番高い建物って40数階くらいなんですよ、そこに77階建てを作っちゃう。

の:77階ってすごいですね、何戸くらいですか?

風:1000戸です。

の:えっ、1000戸???

風:1ユニット平均150平米くらいあるんです。

の:ちなみに、、、おいくらなんですか?

風:坪80万円です。

の:安い!・・・でも本当に安いかどうか良くわかんない。カンボジアの産業ってなんでしたっけ?

風:農業とロジスティクスですね。特にロジスティクスは中国の一帯一路とか変わっている。

の:あー、なるほど、港湾とか鉄道とか、いま中国がガンガンしかけてますもんねぇ。

なぜ台湾を扱わないのか?

の:いま、風戸さんが取り扱っている国、地域はどこがありますか?

風:フィリピン、マレーシア、インドネシア、カンボジア、ドバイ、オーストラリア、ハワイ、ニューヨーク、韓国です。

の:以外ですが、台湾は取り扱わないんですね?

風:台湾は、インバウンドしか扱いませんね。

の:なんででしょう?

風:シンプルに地政学的に危ないと思うからです。

の:たしかに。いま湾岸エリアのタワマンを買いに来る中国人のなかでは、大陸人よりも台湾人ですね。地政学的リスクを肌身で感じているからだと思います。逆に大陸の人は来ない、お金を本土から持ち出すのは大変だから。日本でビジネスをされている方は別ですけど。でも、僕は台湾の人歓迎です。

風:いいことですよね。

の:このままいけば、新・渡来人階級が生まれるんじゃないかなと。秦さんみたいに日本に同化されていく。

風:秦さん(笑)

の:斜陽国家ニッポンと言われている中で、お金を持った人が来るのはいいことだと思います。みなさん教育レベルも高いですしね。

風:うん、だからインバウンドでは扱うけど、台湾不動産の取り扱いはしてないですね。

の:バンコクはどうですか?

風:バンコクの不動産は取扱あるのですが、市場はもうすでに高騰しちゃってて。私自身もバンコクで物件を購入しましたが、中心部の物件は高すぎると感じました。1000万人都市ではあるんですが、高級物件立てすぎちゃって、需要がそこまで追いついていないんです。

タイは中進国の罠にハマっているという発言も出ました

の:そうですか。バンコクの夜景はとても美しいんですが、ノーチャンスなんですね。

風:タイには東南アジアでナンバーワン、7万人の日本人が住んでいるので、馴染み深い国ではありますけどね。申し訳ないんですが、人口構成的にも魅力がないんですよ。完全に少子高齢化が始まってしまった。

人口構成的に魅力的な国はフィリピンとインドネシア

の:人口構成的に魅力的な国はどこですか?

風:東南アジアではフィリピンとインドネシアが圧倒的です。フィリピンは人口が多く、2060年まで増え続ける予測があります。労働力が豊富で、かつ英語を話せる国としても魅力的です。英語というとインドもですが、インドはITに振っているのに対して、ホスピタリティの面でフィリピン人は優れています。実際、フィリピン人が海外で稼いで国に送金するビジネスは、GDPの10%を占めています。

の:なるほど、海外で成功したフィリピン人が送金したり、国に戻って、物件を購入しているのですね。

風:はい、そうです。カトリック国だからですかね、家族主義なんです。

の:カトリックは、避妊や中絶をしないから、子供が多い。そして、アメリカの植民地だった影響で英語も通じるし。不安な点といえば、治安はどうなんですか?

風:僕自身は特に怖い目にはあっていませんが、知り合いや社員などは、財布を盗まれることもあるので、海外での注意は必要です。ただ、アメリカやグアムなど他の国に行く時と同じくらいの注意で大丈夫だと思います。

の:海外投資と考えると、マニラでしょうか?おすすめのエリア、マンションはありますか?

風:昨年、マニラに三越が新しく出店しました。ここに注目しています。その三越の上には4本のタワーマンションが建設されていて、三越直結なんです、ここは投資のチャンスかなと。

【フィリピン・BGCボニファシオ・グローバル・シティ】THE SEASONS RESIDENCES AKI TOWER ザ・シーズンズレジデンス・アキタワー|高層コンドミニアム

の:それはいくらくらい?

風:坪約300万円から。

の:おー、高いか安いかわからない。

風:狭いユニットもありますから、4000万円くらいから投資が可能です!この価格帯で非常に人気があり、売れ行きが良いです。

の:フィリピンは、まだ行ったことのない、知らない国です。ベトナムや台湾、韓国、タイなどと比べて、なぜか日本人のぼくにとっては心理的に距離を感じます。フィリピンのリゾート地に行くイメージがないからその影響かもしれませんね。

風:確かに、多くの日本人はマニラには行きませんね、4時間くらいでいけちゃう近い国なんですが。最近は多くの日本人がマニラの不動産に興味を持ってくれてます。

の:そうなんですね。この間、白◯スカイのロビーでマニラの不動産について話しているのを見かけましたよ笑

風:あるかもしれない、マニアの不動産はアツいです!

Property Access風戸氏からのおしらせ

10/21・22に開かれる「世界の家 投資フェア」が新宿のルミネゼロで行われます。興味ある方は是非どうぞ!
なお、この画像をクリックしてフェアへ参加されても、のらえもんさんには1円も入りません(関係性の明示)。
https://propertyaccess.jp/fair

そしてどうやら、以下のリンクから申し込むと、参加費5000円のネットワーキングパーティーに無料でご招待のようです。あと30枠くらいしかないとか。このスペースを記念して、「のらえもん特別リンクを作りました!」と聞いていますが、このリンクを押して申し込まれても私には1円も入りません(関係性の明示)!
https://forms.gle/e19UMiZ425ioYC9F7

 

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