「豊洲 マンション 暴落」という検索で拙ブログに訪問された読者様には残念なお知らせですが、今のところそういった現象は確認されておりません(時節の挨拶)。
さて私、ここ4年の湾岸タワーマンション相場のバックログを持っているんですが、湾岸タワーマンションでいま起こっているのが「階数プレミアム」の縮小です。もしかして湾岸に限らずタワーマンション全体の傾向かもしれませんが、私の掴んでいるデータは湾岸のみですので、「湾岸で観測」としておきます。
【新築時階数プレミアム】概念図
どんなマンションでも、新築時は低層階の坪単価を安く、高層階の坪単価を高く設定して売り出されます。チラシでの目玉価格や内装グレードなどを上げた部屋などの理由で、マンションの中でも2階や最上階は極端な価格を付けられることもしばしばです。こうした差は中古時にはある程度是正され、階数プレミアムは新築時に比べ縮小します。
拙著「本当に役立つマンション購入術」で、この中古になった時の階数プレミアムは、湾岸事例で計算すると「1階あたり0.8万円/坪」と記しました。
つまり22坪の部屋なら同じ間取り・同じ向きの15階と25階の階数差による残存価値を「22坪*0.8万円*10階=176万円」が湾岸における相場としたわけです。
最近、その階数差が若干ですが縮小傾向にあります。
具体的に言えば、0.7万円/坪~0.6万円/坪くらいになっています。そのため高層階の成約値が従来の感覚より若干低くなる傾向になっています(具体例はまだちょっと控えさせてください)。
【中古時階数プレミアム】概念図
これは湾岸タワーマンションを求める人の価値観が、
- タワーマンションが特別な存在ではなくコモディティ化して、ステータスシンボルというよりも通常の住居と見なす人が多くなった。
- 湾岸に眺望を求めるのではなく、都心に近いという住職近接の利便性を求める人が増えた。
- インフラ整備の進展により、眺望の価値よりも実際の生活に重きを置く人が増えた。
このように湾岸が普通の住宅地のひとつとして成熟しつつある段階と私は積極的に解釈します。
もちろん、将来の「前建て」のあるなしを聞く質問の頻度は変わっていないので、「目の前が開けていることの価値」、「窓やベランダからランドマーク性のある建物が見えるか」といったものは消失したわけではないのですが・・・もう少しデータを取ってみてはっきり現れたときにまた公開します。
ブログ更新お疲れ様です
階層プレミアムが小さくなってる理由って、エリアごとの相場観が大体はっきりしてきて、例えば有明なら坪220万前後、豊洲なら坪250万前後(数値は適当です)までと購入者が決め打ちしてるって可能性は無いのでしょうか。
あとは検討するエリアによって購入者層が違うので、出せる予算も変わってきて、売り手が階層プレミアムを乗せても約定しにくいとか。
同じ湾岸でもGFTやCGPは高層階プレミアムが残りそうな印象です。
まだ新しいので中古約定件数自体少なそうですが。
震災後の価格設定の記事を思い出しました。http://sumai.nikkei.co.jp/edit/rba/modelroom/detail/MMSUa5001001052012/
近隣や低層階の小さな間取りの居住者が、上層階の大きな間取りに引っ越したいか否かが、階数プレミアムに影響して行くと弊は考えます。
湾岸など新興地域は近隣からのみでは無く、キッザニアなどの広域集客施設が狙い通り機能し、実際の通勤学や街並み及び住み易さが評価された形かと思われます。
投資者視点では利回から上限が抑えられるので、もし賃貸供給増で借手市場に変わったら、中古相場が崩れる懸念が否定できません。
坪単価と階数が逆じゃないでしょうか?