2000年代になって、日本の大規模のマンションは郊外多棟型から、駅近空地を利用したタワーマンションの開発が多くなりました。容積率を存分に使い、空に高く伸びるタワーマンションは利便性とステータスを兼ね備えた存在として、いまも続く流れとなっています。その総本山といえる存在が「THE TOKYO TOWERS」です。
あまりに大規模すぎて、近くからだと全景を写すことができません。(本エントリの写真はクリックすると大きくなります)
中央区勝どき6丁目の倉庫跡地を取得したミサワホームは、100%子会社のミサワシティ株式会社を作り、計画敷地面積3万平米・地上60階地下3階・総戸数2800戸のツインタワー「ミサワシティ」事業を発表します。国内に類例を見ないほどの規模となった建築物で、デザインは国際アイデアコンペとなりました。下図は構想図ですが、ずいぶん今とは違う建物です。
しかしこの計画は、親会社のミサワホームの経営悪化によって撤退、住友商事へ事業譲渡されることになりました。計画はより大資本の会社が引き継ぐこととなり、ほぼ原型のまま日本一の大規模タワーマンションは建てられることになりました。
キャッチコピーは「I LOVE NEW TOKYO」。なんと広告費30億円を投じて都心回帰を促したキャンペーンを張り、駅にはイメージキャラクターのリチャードギアのポスターがでかでかと貼られました。最初はマンション広告とわからなかったでしょうね。このキャンペーンサイトはわずかにWebアーカイバで見ることが可能で、今見てもめちゃくちゃ気合が入ったサイトです。
この残滓は、トウキョウタワーズ賃貸サイトのDescriptionが「もうひとつの、アイラブニュートーキョー、はじまる。」になっているところからも感じられます。
上記2点の画像出典:I LOVE NEW TOKYOプロジェクト公式より。今は存在せず
物件概要
- 物件名:THE TOKYO TOWERS(ザ・トウキョウタワーズ)
- 総戸数: 58階建て2,794戸
- 直接基礎・制震構造・オール電化タワーマンション
- 2棟あわせて日本最大のタワーマンション、一部賃貸部分有
- 都営大江戸線「勝どき」駅徒歩5分
立地・周辺環境
THE TOKYO TOWERSは、勝どきを横断する清澄通り沿いにあります。勝どき駅から新島橋を渡ったすぐそばの超巨大なツインタワーで北側清澄通りに面したタワーが「MID TOWER」、南側の運河に面するタワーを「SEA TOWER」と名づけられています。
MIDは一部賃貸となっていて、SEAは全部分譲となります。東側は環状二号線と新月島川・南側は朝潮運河とその向こうにコスモイニシア分譲の晴海テラス・晴海レジデンスが立っています。その向こう側は選手村開発地です。
一方西側は都営勝どきアパートなど10~14階建のマンションとその向こうに豊海小学校が位置しており、本物件西側方向には、視線をさえぎるような高い建物は現状ありません。
北側は、超巨大トライスター型マンションの、「勝どき ザ・タワー」が聳え立ってます。こちらの方角は完全にふさがれてしまいました。
眺望
手元にある写真から紹介しますと
SEATOWER中層階から見た本物件西側方向の建物群:
MIDTOWER中層階北側方向の眺望:
SEATOWER南西レインボーブリッジ方向:
このような感じです。専有部からの眺望は個別性が高いので一概にこうとはいえないのですが、南~南西にかけてはかなり恵まれたマンションとなっています。
手元に東側の眺望写真がありませんでした。こちらは将来、勝どき東地区再開発事業(トリプルタワー・3000戸)と被る方角のため、将来の眺望は塞がれてしまうでしょう。
建物・内装
制震かつオール電化マンションです。免震と比べて、どうしても部屋の中側に太い柱が入ってしまうのは構造上しょうがないところはあります。間取りは個別性が高いので、Google画像検索をしたスクリーンキャプチャで全体の傾向をどうぞ。
- リビング天井高2500mm
- スラブ厚280mm
- サッシ高:2300mm
- 逆梁アウトフレーム
- スケルトンインフィル構造
- 室間ドアは天井まであるタイプ
- ディスポーザー付
- オール電化
- キッチン天然御影石
分譲時の価格を考えればかなり高いクオリティで作られています。今主流の順梁+ガラスバルコニーではなく、逆梁ですので、バルコニー面積が最新よりも狭いですが、サッシ高が非常に高く取られています。きちんと手直しすれば最新マンションと見劣りすることはないでしょう。
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