HARUMI FLAG 晴海選手村

HARUMI FLAGの駅遠・オフィス無し・商店街無しの大きすぎるハンデを克服するものとは

大人気のHARUMI FLAG。GW中に訪問記をアップしたところ、オリンピック決定直後のようなアクセス数になりました。特に訪問記その3は、短期間で1万人が見たのですが、それだけ晴海選手村分譲は関心が高いということです。反響を見ると、マンション一次取得層の30〜40代だけではなく、子育てが一段落した人たちもかなり検討されているみたいですね。

さて、HARUMI FLAGが悩ましいのは、

  • 勝どき駅徒歩16〜21分表記、実際にはもっとかかりそうなほど遠いこと
  • BRTが実際にどうなるかまだ見えないこと
  • オフィスが無く働き口が無いこと、これによりBRTは片側のみ大混雑(朝は都心方面、夜は晴海有明方面)逆は空席で、BRT増便が難しいこと
  • 三井の商業施設がエリア内にできる以外はマンションの1階にほんの少しだけしか商店がないこと
  • 近年例を見ないほどの大量供給
  • 管理費などの維持費コストが割高

などが上げられるかと思います。住宅としてとてもいいのはわかるし、この状況下では相対的に坪単価が安いのはわかるんだけど、総額の大きさよりも実際に住むとなると、、、と二の足を踏んでいる方が多いかと。その中でも駅から遠いというマンションにとっては大きすぎるハンデは考えものです。

しかし、晴海選手村を真のレガシーとするために入居がはじまる2023年までにできることがある、と私は考えます。

1:自動運転車、特に自動タクシーやバスが当たり前になる。

自動運転は遠い未来の話ではなく、いま急速に進化しつつあります。日本の交通事情の特殊性や法規制の問題はあるものの、あと2023年までにレベル4実用化までいくでしょう。アメリカでは既にWaymoが一部地域でサービスを開始しています。

有名どころですと、テスラの自動運転も高いレベルまで既にできています。法規制と学習データの蓄積がすべてを解決するまであとひと押しってところでしょうか。

トヨタも日産もホンダも乗り遅れまいといま急いで開発していますので、この1・2年は、自動運転関連の発表が増えると思います。BRTも当初の計画では自動運転を想定していました。そういや、豊洲でレベル4の自動運転実験してましたし、丸の内から自宅まで自動運転する「オンデマンド通勤シャトル」の実証実験もしていました。

MONETと三菱地所、丸の内エリアで「オンデマンド通勤シャトル」の実証実験開始へ
MONETと三菱地所は、次世代のモビリティ社会を見据え、MaaSの実現に向けた移動時間の変革に関する検討を開始。実証実験では、車内空間を有効活用することで、これまでの「移動時間」を、働く時間や家族と快適に過ごす時間などに変えるとともに、車内での物品販売など、新たなモビリティサービスの検証を行う。

まずは、2月26日から3月22日の間、東京・丸の内エリアに勤務する人を、スマートフォンのアプリケーションで選択した場所から勤務地付近まで送迎するサービス「オンデマンド通勤シャトル」の実証実験を実施し、サービスのニーズやオペレーションの検証を行う。オンデマンド通勤シャトルは、休日を除く毎日、朝は6時30分から9時30分、夜は17時45分から20時30分の時間帯で運行。「ビジネスパーソン」向けと「ワーキングパパ・ママ」向けの2つを実施する。

ビジネスパーソン向けは、大手町・丸の内・有楽町エリアで三菱地所が運営・管理するビルに勤務する野村総合研究所や古河電気工業の従業員などを対象に、吉祥寺、豊洲、川崎、上野、等々力、赤坂エリア~丸の内エリアをトヨタ『アルファード』2台を使って実施。Wi-Fiサービスの提供や膝上テーブルの設置などにより車内をオフィススペースとして利用できるようにしたり、充電プラグの設置、軽食の販売などを行う。

自動運転が実用化され、更に規制緩和で自動運転のタクシーが街中を走るようになると、人がいらなくなるし、燃費も優しくなるので結果的にコストが劇的に下がります。利用料をコスト削減で1/3まで下げることができれば、いま2000円(乗車距離5kmくらい)で通えるくらいの距離なら15分間程度の車内時間中に自動車の中でパーソナライズされたCM動画を閲覧することを条件に、タダにできるかもしれません。
いま日本交通が、後席をカメラで映して男女と年齢を判定して自動でCM流していますけど、これを高度化するのです。

自動運転配車アプリに事前に自分の個人情報や趣向データを入れておき、アプリ経由で配車すれば、流すCMはもっと単価の高いパーソナライズ化された広告にできそうです。

このとき、晴海フラッグの都心から直線距離が近く、かつ渋滞知らずの環状2号に直結していることの意味がものすごく出てきます。

ただし、「シェアサイクルがどうしても片側に寄ってしまう」問題と一緒で自動運転タクシーのみで数千戸の通勤需要を賄うのは現実的ではありませんから、あくまでも補助になるって程度かもしれません。

2:そばにオフィスがないこと

自動運転と違って、あとの2つは提案です。

オフィスがあることは大事です。オフィスに付随する、ランチ需要、交通需要は街の継続的な発展と利便性を担保するに重要なものです。晴海フラッグに欠けている決定的なところはここで、住宅のみの開発だと、住んだあとの発展性がありません。また、BRTも片側だけ混んでて逆方向はガラガラ…となります。マンションの中に、シェアオフィスはありますけど、ここで毎日作業する気になれるかといえば・・・(そもそもランチどーすんだ)

(画像出典:HARUMI FLAG 公式Webページより)

やはり東京都は晴海選手村を将来のレガシーとしたいなら、廃止が決まっている晴海客船ターミナル跡地と埠頭に、大規模シェアオフィスを作るべきだと思うんですよ。きれいな景色を見ながら仕事ってイマジネーションが自然と湧くと思いますし、同じような発想で世界企業のユニクロは有明の倉庫の最上階にバカでかい本社を作ってしまいました。さすがに、晴海埠頭に本社移転するほどぶっ飛んだ企業はおらんと思いますので、海沿いに向かって一棟まるごと超眺望のWeWork的なものを作るのはどうでしょう?眺望だけならWeWorkオーシャンゲートみなとみらいを超えるロケーションであることは間違いありません。
もちろん、膨大なランチ需要なども発生するため、横浜ベイクォーターやマリン&ウォークのような施設を下駄履きするのがいいでしょうね。

(ユニクロ・有明オフィスの食堂。画像出典:パソナより

(画像出典:WeWorkより)

アクセス解析から東京都やデベロッパーから私のブログへ多数のアクセスが有ることはわかっていますので、ここで提案させていただきます。

わかってます。すぐ近くのタイム24ビルや、テレコムセンタービルのように閑古鳥がなくのめちゃ怖いですよね。だから、借地で安く貸し出してビルを立ててもらうなど、民間をうまく使ったほうが良いと思いますよ。

3:商店街がないこと

2につづき、こちらも東京都への提案となります。

個性的な飲食店であれば、商圏は30kmくらいまであるということは知られています。晴海に「にぎわい」を持たせたいなら、単純ににぎわいのための単発イベントを行政主導で何度やってもダメで、意欲がありセンスもある飲食店を呼ぶしかありません。どこに?立派な場所があります。

新しく拡大する晴海ふ頭公園に場所を確保して、その先の海に桟橋を浮かべるのはどうでしょうか。具体的には天王洲アイルのT.Y.HARBORさんのようなお店です。そもそも晴海発ものがない。醸造所も作って、晴海発のものを作ってしまいましょう。なんだったら、東京湾で養殖しちゃったっていい(食べられるのかな?)。

こうしたお店が営業できるスペースを数箇所確保すれば、自然とにぎわいも産まれてくるというものです。多少高価格でも、目の前に億ションを買える富裕層がずらりといるのですから、なんの問題もない。

晴海フラッグを見るとギチギチに作られていて、街に拡張性が無いように見えてしまいます。
でも、視点を変えれば拡張性はあるはずです。公園や目の前の海が拡張できる場所です。もっといえば、晴海客船ターミナルは廃止するけど、埠頭機能はそのまま使えるのだから、沖合に横浜の氷川丸のように使わなくなった豪華客船を買って係留しちゃってもいい。ホテル+飲食店+客船そのものが立派な眺望になります。なんか、ミニみなとみらいを作りましょう的提案になって申し訳ないのですが、みなとみらいが一番成功してますよね。もっと素直に学ぶべきだと思います。

2と3の提案は、何も晴海に限ったことではなく、お台場や豊洲、有明でも可能です。ただ、晴海は一からの街づくりですし、埠頭機能をより有効に活用することもできるのではないかと私は考えます。BRTを臨海地域の交通不便解消の位置付けだけではなく、逆方向の需要、作りたくないですか?東京都さん。

 

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