HARUMI FLAGは普通のマンションではありません。新しい元号とともに新時代の新築マンション、いや新時代の街をインフラごとまるごと作るというたいへん意欲的なものです。晴海選手村として使用した後、部屋をまるごと作り変えて売り出すという前代未聞の開発手法、マンション開発用地としては破格の値段でデベロッパーが取得したこと(1種坪単価9万円)、マンション大手デベロッパーがすべて揃い踏み、この選手村のために虎ノ門・新橋方面のBRTを作ってしまうなど、発売前から大変な話題を呼びました。
この晴海フラッグは色々な切り口があってそれだけで、マンションブロガーならご飯10杯はいけるボリュームなのです。
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もちろん、湾岸の妖精もいかないわけにはいかない。早速行ってきました。
晴海フラッグはいくつかの街区に別れます。一番南側、新豊洲方向向きの「SEA VILLAGE」、晴海客船ターミナルに一番近い「PARK VILLAGE」、北西側でマルチモビリティステーションに一番近い「SUN VILLAGE」、そしてツインタワーマンション。この他、「PORT VILLAGE」という賃貸棟もあります。
同時開発で、小中学校・商業施設・臨海消防署・晴海ふ頭公園・晴海緑道公園も作られます。このスケールは21世紀の住宅開発では間違いなく最大級であり、人口減少に悩む日本において、これほど都心に近い場所でこれだけの面的住宅開発は、もう二度とないでしょう。
モデルルームでは初っ端からパンチが効いた演出で期待を否が応でも高めてくれます。プレゼンテーションではなく”アトラクション”と表現されるだけあって、各仕掛けはお金がかかったものです。プロジェクターを多数使ったこのシアターの没入感はすごいものがありました。ぜひ真ん中で見ましょう。
物件概要:
- 物件名:HARUMI FLAG(晴海フラッグ)
- 地上14階~18階板状+50階タワー型マンション+商業施設・学校・マルチモビリティ+公園等の複合開発
- 3方向を運河と海に囲まれる眺望
- 総開発面積約18ha
- 総戸数5,632戸、うち分譲住宅が行く4,145戸
- 敷地内にBRT停留所2つ
- 地下駐車場で各街区は接続
- 分譲街区は合計51室の共用施設を用意。そのうち26室は街区を超えて分譲棟住民であれば誰もが自由に利用可能
立地・周辺環境
晴海エリアの環状2号線より西側、このほぼすべてがHARUMI FLAGの街区となります。現状は何もなく、東京オリンピック時には選手村として活用されます。そののち、躯体と配管以外はほぼすべて撤去して作り変えられます。
皆さんが気になっているであろう
選手村から晴海フラッグに変わる際に転用される・転用されない設備についてです。 pic.twitter.com/aD8rrdNjl6— マンションマスター(仮) (@mansionmaster) April 28, 2019
ですので、異例の新築扱いとなります(正確には、選手村時は完成しておらず、転用扱いなはず)。世界的メダリストの部屋はなんとなく残してほしかった気もしますが、レガシーとしてなんらかの跡はあってもいい気がします。
もっとも眺望に優れているのは、晴海ふ頭公園沿いの棟で、ここは、完全なレインボーブリッジを正面から見据える部屋となります。都内でここまできれいに見える場所は他になく、テーマの一つ「超望!」はここから来ます。もちろん、晴海ふ頭公園は誰でも入れる場所なので、街区の住民であれば、公園までいけば気軽に楽しめるはずです。
(画像出典:HARUMI FLAG公式Webページより)
公園からは一段と高くされて、6.5mの地盤に立つことになります。震災後の津波シミュレーションによると、晴海地区は最大2.1mですから、津波の心配はしなくて良いでしょう。商業施設については、現状ではまだ何もわからないのですが、モデルルームのアトラクション(iPadでARを使う意欲的なプレゼンテーション)を見る限り、2階建てのそこそこ大きなスーパー+αは入りそうです。
新豊洲向きの「SEA VILLAGE」は、陽当りも眺望も優れていて、更にはマンションと運河の間には晴海緑道公園が整備されて、この公園と一体運用となります。しかも、このご時世では珍しい90~110平米の部屋を数多く配置。資金計画に余裕がある人向けの街区となりそうです。また、レインボーブリッジを望める住戸も余裕のある平米数の間取りが用意されています。
勝どき駅までは一番近い棟(SEA VILLAGE E棟)でも徒歩16分。離れている棟では21分表示ですが、間の交通事情も考えると、相当早足で歩かないと遠い棟は25分で着くのは無理です。オリンピック後に整備される東京BRTを使う人が多いと思いますが、本当に輸送力が足りるのか、その懸念はありますね。
次のエントリにしますが、価格表を見る限り8,000万円~1億円超え連発で更に維持費も高いマンションであることを考えると、資金に余裕のある車がメインの人に一番向く気がします。環状2号線の信号のなさと晴海ICへの近さを考えると、車の利便性が際立ちます。そもそも一番近くても16分表記なら、あまり駅チカにこだわってもしょうがなくて、それなら眺望や環境が良い場所に住みたいと割り切れる人向けです。
建物・内装
今回売り出されるのは、PARK/SEA VILLEAGEの一部ですが、サンプルのモデルルームを見る限り、かなり質の高いものでした。
- 天井高2500mm、ほぼフラット。ただしSEAは2450mm
- 順梁完全アウトフレームの間取り多し
- 奥行2000mmバルコニー。SEA VILLAGEの一部は2,500mm部分も。
- 家庭用燃料電池エネファームを採用。ガス+電気の従来住宅に比べて最大23%ランニングコストを削減
- キッチン天板フィオレストーン
- ディスポーザー有
- タンクレストイレ
- 廊下幅1m
- 玄関クランク間取り
- 一部内廊下
- 棟毎に専有部玄関のテイストを変更
板状マンションとしては、現在市場で出回っている物件の中でも最上位クラスです。SEA VILLAGEとPARK VILLAGEで窓のサッシの高さが違います(PARKの方が高い)が、ほとんどの人は気にならないでしょう。
SEA VILLAGE B棟は、3戸でエレベーター1つという大変恵まれた間取りです。あえて中住戸を紹介しますが、たとえばこちらの4B107A-aタイプは、107平米という広い間取りもさることながら、ほぼ完全アウトフレームでかつ両面バルコニー。深いアルコーブの中にクランクして玄関扉、更にクランクして廊下で、PP分離とここ数年で私が見た間取りの中でも余裕がある間取りです。間取りだけ見ると、稲城のバブル期マンションかと思いました。
これが、最上階ではなく、上から下まで全部同じ間取りで用意されているのがすごいところ。1億円をわずかに切るくらいの価格で供給されますが、これを駅から15分以上離れた場所とはいえ、東京都中央区でやるのだからすごいもんです。
部屋のカラーセレクトは8種類。いまなら全部選べます。
また、上がり框が本物件にはありません。玄関と廊下の境目は単なる目印だけとなります。そういえば、この物件はもともと選手村ですから土足で利用する海外の方の利用も考えてのことでしょう。日本人的には奇妙に感じますが、1m幅の廊下と合わせてバリアフリー対応物件ということでしょうね。
次回は共用施設(の一部)と価格をお伝えします。
私も行きました。営業から聞いたこととパンフレットで補足します!
共用設備は25ではなく26個
選手の部屋は特定できないようにするとのこと。管理室に例オリンピックの何かを置くらしいです
商業施設は三井不動産(ららテラスと決まってはいないそうです)1階にはららぽーとのあおきと同じ規模のスーパーが入って3階建てとのこと。ジムが入って欲しい!
キッチンの天板は標準の仕様でフィオレストーンで何とかパッケージ(失念)をつけるとシーザーストーンにグレードアップとのこと。(どっちも同じかと思ってました)
なんとかパッケージはリビング扉と玄関廊下がタイル仕様、ガスコンロの前がホーローパネルからグレードアップとのことで後2個は失念。
ディスポーザー食洗機は標準でエアコンはオプション
BRTはタワーが二つない状態での計算で足らなければ増便すると言ってました。
魅力的ですが固定資産税と登記費用が高かったです。経年措置がないため80平米でローンなしで350万とのこと…